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「女性ドライバーは“アレ”をしてくれない」「迷う時間がムダ」ドライバー同士の《譲り合い》でモヤッとすること
女性ドライバーが「挙手での挨拶」をしないのはなぜか
次のお話は、自分が「譲る側」になったときのエピソード。投稿者さんは「譲ったあとの相手のリアクション」について、思うところがあるようです。
「細い道で対向車と行き違う際、こちら側が車を寄せて停まったにもかかわらず、当たり前のような顔でそのまま通り過ぎられると、少しモヤモヤすることがあります。
私の主観ですが、男性ドライバーは手を上げて感謝を伝えてくれる傾向にありますが、女性ドライバーはそういうジェスチャーを使う人が少ないな、と感じます」(50代男性・会社員)
たしかに、離合の際などに手を挙げて挨拶をする女性ドライバーの姿はあまり目にしないかもしれません。相手からの感謝を求めて譲ったわけではなくても、自分の好意に対して何の反応も示されないと、「せっかく譲ったのに」という気持ちが湧いてくることもあるでしょう。
ただ、相手がすれ違い中の操作に集中しており、感謝を示す余裕がもてずにいる可能性も考えられます。まずは安全に車を動かすことが最優先であり、操作時にどれだけ余裕があるのかはドライバーの技量や状況にもよりますから、あまり相手の反応については気にしない方がいいのかもしれません。
また、「女性ドライバーは感謝のジェスチャーをしない傾向にある」という見解に対しては、編集部内の女性スタッフから異なる視点からの意見がありました。
いわく、「手を挙げてお礼をする合図は、自分がやると少し横柄なジェスチャーに映るように思えて、なかなかやりにくいところがあります。私自身は代わりに軽くお辞儀をしていますが、相手から見えにくいので、伝わっていないことも多いだろうなと思います」とのこと。
実際に、相手に手のひらを向けるジェスチャーは「相手の動きを制する所作」とも映ることから、「偉そう」「上からの感じがする」といった声もあるようです。こうした事情から、「女性ドライバーが感謝を伝えるための適切な方法」を考察する記事なども見られます。
もちろん、相手からの視認性のうえでは手を挙げるジェスチャーがわかりやすく、運転中に素早く感謝を伝えるうえでは効率的な方法ではあるでしょう。しかし、「手を挙げる=偉そう」というイメージを抱く人が一定数いる以上、その動作に躊躇を感じる人も少なくないと考えられます。
「挙手による感謝」を避けてしまう社会的背景
ここまでの話を受け、筆者が周囲の女性ドライバーから意見を募ったところ、以下のような話を聞かせてくれた方がいました。
「すれ違いや右折待ちで譲ってもらったときは、相手から見えやすいように手を挙げていますが、無意識に『なるべく偉そうにならないようにしよう』としているところはあると思います。のけぞって手を挙げると偉そうなので、なるべく縮こまりながら、俯き加減でしおらしく見えるようにする、というか。
こういうのは運転中に限ったことではなく、普段から『相手の反感を買わない振る舞い方』を無意識に心がけている人は多いんじゃないかと思います」(30代女性・会社員)
こうした話からも、女性ドライバーを中心に「手で感謝を伝えるのは偉そうに思われる」という躊躇が生じていることが窺えます。このことは運転中に限らず、日常的なジェンダー意識にも関わる問題として捉える必要がありそうです。
また、ジェンダー問題のほかにも、格差や属性の違いをめぐる感情が運転中の意識に影響を及ぼすケースは少なくありません。たとえば「軽自動車に抜かされるとイラッとする」など、格差をめぐる感情がトラブルの火種となるケースも見られます。
このように考えると、「安全で円滑な交通環境」と、「属性の違いに対する社会的な先入観を廃すること」は、実は地続きの問題なのかもしれません。
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- 執筆者プロフィール
- 鹿間羊市
- 1986年生まれ。「車好き以外にもわかりやすい記事」をモットーにするWebライター。90年代国産スポーツをこよなく愛し、R33型スカイラインやAE111型レビンを乗り継ぐが、結婚と子どもの誕生を機にCX-8に乗り換える...