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シーケンシャルミッションとは?構造とメリット・デメリットを解説!市販車はある?
目次
シーケンシャルトランスミッション搭載の市販車
レースカーに主に使われているシーケンシャルトランスミッションですが、市販車でも搭載された車があります。
シーケンシャルトランスミッション搭載車 トヨタ MR-S
1999年、トヨタはMR-2(SW20)の後継モデルとなる、MR-Sを発売しました。後継モデルとはなっていますが、先代のMR2とは大きく主旨が異なります。
運転席・助手席のみの2シーターであること、エンジンが座席背面にあるミッドシップレイアウトであることは変わりませんが、オープンカーになり、エンジンも1.8L NAエンジンだけのラインナップという、MR2よりもライトなスポーツカーとして生まれました。
シーケンシャルトランスミッションが搭載ミッションとして選べる
MR-Sは新車販売時、前期型では5速MTか5速セミATを、後期型では6速MTか6速セミATを選択できました。
このうち、セミATは正確にはシーケンシャルマニュアルトランスミッションとなっており、ギアがドライバーの任意で変速できます。これにより、法律上AT免許でも乗れる、国産車初のシーケンシャルトランスミッション搭載車となりました。
Iパターンシフトでギアチェンジ
MR-SのSMTでは、通常のATのシフトノブとは異なり、レンジも「R」(バック)・「N」(ニュートラル)と、「S」(シーケンシャル)モードの3つ。
「S」は前方に「-」、後方に「+」となっている合計4つのレンジとなっています。AT車が発進するときに使用する「D」レンジはありません。
この「+」「-」のパターンは、加速時は後方にG(重力)がかかるため、シフトアップしやすい後方に「+」を、反対に減速時には前方にGがかかるのでシフトダウンしやすいように前方に「-」を配置しています。
何速のギアが選択されているかは、常時メーター内に数字で表示されます。
コンピュータ制御による運転のしやすさ
MR-Sのシーケンシャルトランスミッション搭載モデルは、先述の通りクラッチがコンピュータ制御されているためクラッチ操作をドライバーがすることはありません。
また、停車時はAT車と同様にシフトノブをNレンジに入れることでニュートラルになります。
停車直前に何速にギアが入っていてもニュートラルにすることができますが、Nレンジから再び「+」レンジにレバーを入れて発進するときは、ギアは1速となります。
コンピュータのサポートによって運転に集中できる車であると言えます。
- 最新「MR-S」中古車情報
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本日の在庫数 142台 平均価格 136万円 支払総額 47~380万円
シーケンシャルミッションの代表的なメーカー
憧れのシーケンシャルミッションは、レースで多く使われはしますが、レース専用のミッションではありません。専用で製造しているメーカーが存在しますので、購入して愛車に乗せることも可能です。
HKS(株式会社エッチ・ケー・エス)
日本を代表する、自動車部品の製造、販売を行うメーカーです。モータースポーツのみならず、自動車を趣味とする人々の憧れともいえるアフターパーツを数多く製造、販売しています。
日産 シルビア(S15~S15)、180SXやマツダ・RX-7(FD3S)専用のシーケンシャルトランスミッションを製造、販売を行っていました。
ホリンジャーエンジニアリング
オーストラリアに本社を構えるミッションメーカーです。母国のほか、アメリカやヨーロッパなどモータースポーツの盛んな多くの国に輸出され、世界中から非常に信頼の厚いメーカーです。
日本では、有名チューニングショップのタイムアタック用デモカーや、織戸学選手などのトップドライバーが自身の乗るD1車両にこの会社のシーケンシャルミッションを搭載するなど、非常にメジャーになっています。
ヒューランドレーシング
イギリスに本社を置く、レーシングミッションやモータースポーツ用のギアボクス等を開発しているメーカーです。50年以上の歴史を誇る、まさに老舗メーカーです。
国内最高峰レースSUPER GTやフォーミュラニッポン、世界的にはル・マン24時間レースに参戦するチームにシーケンシャルトランスミッションをはじめとするパーツを提供し、サポートしています。
クワイフエンジニアリング
イギリスに本社を置く、自動車およびバイクの、レース用駆動部品メーカーです。シーケンシャルミッションのほか、デファレンシャルギアやドライブシャフト、強化ステアリングラックなどの製造をしています。
レース活動への協力も積極的で、イギリスで開催されているGINETTA・G50などのレースシリーズにワンメイクギアボックスを供給しています。
シーケンシャルミッションに載せ替えたいときはどうする?
社外品のシーケンシャルミッションの価格
シーケンシャルミッションへの載せ替えの際は、社外品のシーケンシャルミッションを入手する必要があります。上で紹介したようなメーカーから購入できるほか、インターネットオークションやフリマサイトでシーケンシャルミッション用の部品が出品されているようです。
載せ替えの場合は、部品ではなくシーケンシャルミッションそのものを購入する必要があります。新品・中古品問わず、予算は40万円から70万円ほどと考えましょう。もちろん、適合車種や状態によってはさらに高額になる場合があります。
社外品のシーケンシャルミッションの工賃
載せ替えをDIYで行えるのは一部の人に限られるでしょう。基本的にはカスタムショップや整備工場などに依頼することになります。
シーケンシャルミッションへの載せ替えは、既存のトランスミッションの取り外しとシーケンシャルミッションの搭載と、大掛かりな作業が必要となります。そのため工賃も高額になります。
部品代と工賃が比較的安価な「シーケンシャルシフター」
HパターンのMTミッション車なら、シフトレバーを前後に動かすだけでシフトチェンジが可能になるアイテム「シーケンシャルシフター」を取付けることができます。
シーケンシャルトランスミッションと同じく1速ずつのシフトチェンジが可能になるため、シフトチェンジをなくすことができるうえ、H型ミッションの上にシフターを取り付けるだけなので、シーケンシャルトランスミッションに載せ替えるよりも部品代と工賃を安く抑えることができます。
社外品のミッションに交換したら公認車検が必要
社外品のシーケンシャルトランスミッションへ載せ替えをした場合、車検証情報の変更が必要です。いわゆる、きちんと保安基準を満たした改造車であることを申請する「構造変更申請」で、「公認車検」とも呼ばれます。
公認車検は管轄の陸運局で行います。通常の車検とは異なり、事前に書類審査を受ける必要があるため注意しましょう。
書類審査に合格すれば、通常の車と同じように検査してもらい、問題がなければ新しい車検証が発行されます。新しい車検証の型式欄には「改」という文字が入ります。
カスタムショップや整備工場などが公認車検手続きまでを代行してくれる場合があります。そのぶん、費用はさらにかかりますが、慣れていない人にはおすすめです。
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- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...