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フィーリング激変!? プレミアムギアオイル試してみた
クルマの血液と言っても過言ではないエンジンオイルでは、交換時期や銘柄、番手など気にしているドライバーも多いと思うが、ギヤオイルに関してはどうだろう。軽視されがちだが、実は走りの質を左右する“縁の下のキーパーツ”とも言える。
ギヤオイルもまた、エンジンオイルと同様に金属で作られる歯車のかみ合わせをスムーズに行うために必要不可欠な潤滑油であり、定期的に交換しなければミッションの不調や最悪の場合では故障ということにもなりかねない。
そこでここでは今一度ギヤオイルのことを考えながら、プレミアムギヤオイルである『ELF TRANSELF NFX 75W』の魅力を探り、実際に交換して得られた感触などをお届けする!

目次
そもそもギヤオイルの役割は何なのか!?
ギヤオイルとは、その名の通りトランスミッションやデファレンシャルなどのギヤ機構に使われる専用の潤滑油である。
エンジンオイルとは異なる粘度や添加剤の性質を持ち、より高い負荷がかかる金属同士の接触面を保護する目的で使用されている。ギヤのかみ合いによって発生する摩耗や焼き付き、そして異音を防ぎ、スムーズな駆動力伝達を実現するために不可欠な存在となっているのだ。
特にマニュアルトランスミッション車やFR(後輪駆動)・4WD車では、トランスミッションとデファレンシャルに別々のギヤオイルが使われており、用途や仕様に応じた選定が求められる。
ギヤオイルにも粘度を表すSAE J306規格や用途を表すAPI規格があり、車両メーカーが指定する規格に準じたオイルを使用することが重要となっている。
では、ギヤオイルはどのくらいの頻度で交換すべきか。これは使用状況や車種によって差があるが、一般的には2万〜5万kmごとの交換が推奨されることが多い。特に高温多湿な環境で走行する場合や、スポーツ走行・サーキット走行を頻繁に行う車両では、より早いサイクルでの交換が望ましい。エンジンオイルほどの頻度ではないにせよ、定期的なメンテナンスの一環として意識しておきたい項目なのである。
交換を怠るとどうなるか。まず、オイルの粘度が低下し、潤滑性能が著しく劣化する。これによりギヤのかみ合いが悪くなり、シフト操作時に引っかかりや違和感が出るようになる。また、極圧添加剤の劣化によって金属同士が直接触れ合い、ギヤの摩耗や損傷を招く危険性もある。最悪の場合、ギやボックス内部で焼き付きが発生し、高額な修理費用が発生することになる。これは決して大げさな話ではない。
静かに、そして確実に働き続けるギヤオイルは、クルマの駆動系において“縁の下の力持ち”とも言える存在である。その働きを過信せず、適切なタイミングでの交換と、性能に優れた製品の選択が、快適なドライビングフィールと車両寿命の延命につながっていくのだ。



魅力的ギヤオイル『ELF TRANSELF NFX 75W』!
ELF TRANSELF NFX 75Wは、フランスの総合エネルギー企業トタルエナジーズが展開する潤滑油ブランド「ELF(エルフ)」のマニュアルトランスミッション用ギヤオイルである。
高温・高負荷の環境下でも安定した性能を維持しつつ、優れたシフトフィールを実現するよう設計されており、欧州車やスポーツモデルを中心に幅広く支持を集めている。
この製品はAPI GL-4規格に適合しており、シンクロ機構に対して優しい摩擦特性を備えている。トランスミッション用に開発されたオイルなので、スムーズなギヤのかみ合わせをサポートし、シフト時の引っかかりや異音を抑える効果がある。特に冷間時でも安定した操作感が得られる点は、多くのユーザーから高評価を得ている。
粘度はSAE 75Wに分類され、低温流動性に優れているのも特徴だ。寒冷地での始動時でもオイルが素早く各潤滑ポイントへ行き渡るため、トランスミッション内部の摩耗や焼き付きのリスクを低減できる。柔らかめの粘度でありながら高温時の安定性も兼ね備えており、街乗りからワインディング、さらにはスポーツ走行まで幅広く対応可能なバランス型のギヤオイルと言える。
また、ELF独自の添加剤技術により、酸化安定性や摩耗防止性能、腐食防止効果なども高水準で確保されている。これにより、ギヤの寿命延長やノイズの低減にも寄与し、長期間にわたって快適なドライブフィールを維持できる点がメリットである。
ELFブランドは、モータースポーツでの実績を活かした技術開発に定評があり、特にルノーやプジョーといった欧州メーカー各社の承認を受けるなど、信頼性の高さでも知られている。日本国内においても、スバル車や輸入スポーツモデルとの相性の良さから、走りにこだわるユーザーを中心に根強い人気を誇っている。
その中でも86/BRZ (ZN8/ZD8)、GR Yaris、GR Collora、Swift Sport、Jimny (JB64W/JB74W)など、スポーツモデルや、オフロード走行でミッションに負荷がかかりやすいモデルに推奨されている。
単なるギヤオイルという枠を超え、シフト操作の感覚そのものを高めてくれる──それがELF TRANSELF NFX 75Wの大きな魅力である。


スバル・BRZにELF TRANSELF NFX 75Wを使用!
ギヤオイルの役割や重要さ、そしてELF TRANSELF NFX 75Wの魅力も分かった。ただし、実際に使用したところで、その違いや効果は体感できるものなのだろうか。
そこで今回は、スバル・BRZのオーナーである”ばたあ”さんにご協力いただき、ギヤオイルをELF TRANSELF NFX 75Wへと交換。交換前と交換後を乗り比べることにした。
ドナー車両のプロファイルを簡単に説明しておくと、2023年式のスバル・BRZで、現在の走行距離は2万2000km程度。休日のドライブが主な使用用途で、サーキット走行などは行っていない。
ギヤオイルは1000km点検時に交換しており、ミッションに関しては特に不満は無いものの、車検の際に交換することは考えていたということである。
それでは実際にELF TRANSELF NFX 75W交換し、その後の感触を探っていくことにする。




スコスコ、シュッシュッ! 心地良い感触!!
被験者は多い方が良いと考え、BRZのオーナーであるばたあさんと、この記事を書く私もギヤオイルの交換前とELF TRANSELF NFX 75Wへ交換後を乗り比べてみることにした。
オーナーのばたあさんは、交換前に「意識すると、若干2速で引っかかる感じがすることがある」と言っていたのだが、私が運転してみたところ、そうも思えず、エンジン、足回り、そしてミッションと、いたって程度の良いBRZだと思えた。
だがしかし、ELF TRANSELF NFX 75Wに交換してみると、明らかにシフトチェンジの感触が変化したのだ。
「すごい。一つひとつのギヤに入れる際の抵抗が減った感じがします。なんというか、”角”がなくなり滑らかなシフトチェンジが行えるようになりました!」とオーナー。
交換後に私も走らせてみたところ、シフトチェンジレバー操作時の抵抗が軽減し、スコスコとシフトが入ることを体感できた。シフトフィールそのものが良くなったという印象だ。
これほどまでに違いを体感できるとは思っていなかっただけに、ELF TRANSELF NFX 75Wのすごさがより際立ったという結果となったのだ。

オイルのことなら『ELF』にお任せ!!
最後にELF(エルフ)ブランドについて、もう少し深堀しておこう。
ELF(エルフ)は、フランスの総合エネルギー企業である「トタルエナジーズ」が展開する潤滑油ブランドであり、欧州をはじめとするグローバル市場で高い信頼を得ている存在である。特にモータースポーツにおける活動実績が豊富で、長年にわたりF1、WRC、耐久レースといったトップカテゴリーでの技術蓄積を、市販製品へと反映してきた経緯を持つ。
ギヤオイル分野においても、ELFは幅広いラインアップを展開しており、車種や使用条件に応じた製品選びが可能である。今回紹介した「TRANSELF NFX 75W」は、その中でもマニュアルトランスミッション向けの高性能モデルとして位置付けられているが、他にも用途に応じた製品が多数存在する。
たとえば、「TRANSELF SYN FE 75W-90」は、スポーツモデルから、トレーラー牽引車両など、高負荷のかかる場面で優れた耐久性と潤滑性能を発揮するギヤオイルであり、高温下でも油膜保持性に優れ、長距離走行やサーキットユースにも対応可能。
また、機械式LSDの搭載車やシーケンシャルミッションなど、本格的なレースでの使用に適しているHTX 735+ 75W-90やHTX 750 75W-140も準備している。
ELFの潤滑油は、単なる「消耗品」としてではなく、ドライビングの質そのものを向上させる“パートナー”として設計されている点が特筆に値する。エンジンオイルやギヤオイルの細部に至るまで、高い技術力とテストフィードバックが注ぎ込まれており、特に欧州車との相性においては長年の純正指定実績がその信頼性を裏付けている。
世界的に見ても、知名度は高く特に通好みのブランドとして浸透している印象だ。スポーツ走行を楽しむユーザーはもちろん、愛車を長く大切にしたいオーナーにとっても、ELF製品をお薦めしたい。
(編集協力:トタルエナジーズ・ルブリカンツ・ジャパン株式会社)
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...