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2サイクルエンジンとは?今や自動車から絶滅?エンジンの仕組みを解説!
目次
今は見ることができない2サイクルの車

現代の車は環境への配慮からすべて4サイクルに置き換えられています。2サイクルのエンジンは環境に良くないと聞いたことがある人は多いかもしれませんが、なぜ環境に良くないのかまで知っている人は少ないのではないでしょうか?
バイク、特に原付などでは2000年代でも2サイクルのバイクが見られましたが、現在では二輪でも絶滅してきています。
2サイクルまたは、2ストローク、2ストと言ったりもします。
この2サイクルエンジン、4サイクルのエンジンとは何が違うのでしょうか。今回は仕組みや構造、搭載車種をご紹介していきます。
2サイクルエンジンの仕組み

まずは、エンジンの仕組みについて簡単に。
エンジンは1サイクルで吸気・圧縮・爆発・排気を順に行います。2サイクルはエンジンのピストンが、上と下へ動く2モーションで行われるので2サイクル、2ストロークと呼ばれます。
4サイクルエンジンの場合は、ピストンが上・下・上・下と4回の動きで吸気・圧縮・爆発・排気を行います。つまり2サイクルエンジンは4サイクルの半分の動きでこの工程を完了できるということです。そのため4サイクルエンジンと比べてパワーを出しやすいのです。
2サイクルエンジンはピストンが上下に移動するのと同時に吸気と排気を行えるようになっています。ピストンが上昇しているときは排気と圧縮を行い、最上部でプラグの点火により爆発、下降時に排気を行います。
エンジンの詳しいメカニズムご存知ですか?
エンジンオイルはガソリンと共に燃焼
車に乗り慣れている方なら常識ですが、車が一定の走行距離に達したら汚れたエンジンオイルは交換しますよね。エンジンオイルは、潤滑、密封、冷却など、エンジンの焼き付きを押さえるためになくてはならないものです。
しかし、2サイクルエンジンでは、エンジンオイルはガソリンと共に燃えてしまうので、交換は不要です。その代わり、定期的にエンジンオイルを補充しなければなりません。
2サイクルのクランクケースは気密性が求めらるため、4サイクルのようにオイルを循環させることができません。燃焼室にエンジンオイルを吹き込むので、オイルを貯めておくこともできないので、ガソリンと一緒に燃焼させ、マフラーから排出されます。
2サイクルが環境に悪いのはなぜ?

出典 : https://en.wikipedia.org/
2サイクル=環境に悪いというわけではありませんが、4サイクルエンジンに比べるとどうしてもクリーンな排気とは言えません。2サイクルエンジンは吸気と排気が混ざり合ってしまうため、4サイクルに比べて効率は良くないです。
また、燃焼途中のガスが未燃焼のまま、排出されるという欠点もあります。燃え切らないままガスが排出されるというのはちょっともったいない気もしますね。エンジンオイルは実は燃えにくい物質なので、ガソリンの燃焼効率を下げてしまうのです。
さらに、2サイクルはエンジンは性質上甲高い音がします。騒音という観点からも4サイクルの方が音が低く静かになっています。
2サイクルエンジンの搭載車種
さて、2サイクルエンジンの特徴が分かったところで、どんな車に搭載されていたのかを見ていきましょう。
スズキ フロンテ・クーペ

1971年~1976年まで生産されていた軽自動車です。現在の軽自動車規格よりも排気量・寸法は共に小さく360ccのエンジンを搭載していました。フロンテ・クーペはスズキ初の軽スペシャリティカーとして人気となりました。
スバル R-2
R-2は1969年に富士重工が「スバル・360」の後継車として発売されたモデルです。軽自動車なので、排気量は上記のフロンテ・クーペと同じ360cc。現代のコンパクトカーではなかなか見ることのできないRR(リアエンジン・リアドライブ)を採用しています。
年々厳しくなる環境規制と2サイクルエンジンの衰退
今ではほとんど見ることのなくなった2サイクルエンジン車の特徴はご理解いただけましたか?
現代の4サイクルエンジンもさらにエコにするためにハイブリッドだったり、EVだったりと様々な原動機が開発されてきました。年々厳しくなる環境規制に適応していきながらも高性能な車を出し続けていけるかどうかが、メーカーの腕の見せ所とも言えるかもしれません。
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- MOBY編集部 第4グループ