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スクールゾーンとは?標識や時間帯、違反時の罰則から通行許可証申請まで
スクールゾーンとは、小学校を中心に子供たちの通学、下校時の安全を守るための規制のこと。スクールゾーン内で車両通行禁止時間帯が設定された道路では、許可された車以外は通行できません。
この記事では、スクールゾーンの道路標示や標識、違反時の罰則から通行許可証の申請方法までをまとめてお届けします。
目次
スクールゾーンの道路標識・道路標示
場所によって「スクールゾーン」または「通学路」と表示語句が変わります。
「スクールゾーン」「通学路」のそのものの標識はない

スクールゾーン・通学路そのものを示す道交法違反上の道路標識は存在しません。この警戒標識に「スクールゾーン」または「通学路」と書かれた補助標識(補助標識には定められた語句がない)とセットで示すことで、その道路がスクールゾーン、通学路であることを示します。
この道路標識、補助標識の道路はドライバーへ注意喚起するのみで、通行禁止を示すものではありません。
表現が自由な道路標示
路面上に書かれる規制等の線、語句は道路交通法上では「道路標示」と呼ばれます。

自治体によって、道路上に「スクールゾーン」、「通学路」などの語句が書かれる場合が多々あります。子供のイラストも併せて書かれているところもあります。こうした表示は道路交通法で指定されておらず、道路の所有者が自由に標示することができます。
この道路標示のみが示された場合は、車両の通行を規制するものではありません。
「グリーンベルト」路側帯の白線と緑線

スクールゾーンや通学路など、歩行者が多く狭い道路や交通量の多い国道などの路側帯は、白と緑の2色の線が引かれていることがあります。
道路交通法で定められた規制線ではなく、正式名称がありませんが「グリーンベルト」などと呼ばれ、ドライバーに歩行者に特に注意が必要であることを促すとともに、歩行者自身が白線の内側を歩くように注意喚起することを目的としています。
これも道路の所有者の裁量で引かれた線で、2010年頃から多数の自治体が導入をはじめたものです。
時間帯指定の車両通行禁止標識

青い円形に歩く大人と子供が描かれた標識は「歩行者専用」の“規制標識”となります。青い標識ですから、「車は通ってはダメ!」という感が強く持てませんが、「止まれ」の真っ赤な標識と同じ、車両の通行に関する規制を示したものとなります。後述しますが「歩行者専用」規制標識がある道路を走行すると、道交法違反となります。
「歩行者専用」の規制標識は至るところにありますが、スクールゾーン、通学路においては、生活道路が通学路になっていることが多いため通学時などに限定して車両の通行を規制していることが多々あります。この場合は「時間帯指定」の補助標識と併せて道路に設置されます。
混同しやすい「車両進入禁止」と「車両通行止め」の違いや意味はこちらの記事で詳しく解説しています。
スクールゾーンでよくある違反と点数、反則金【勘違い多し】
スクールゾーン、通学路でありがちな交通違反は以下の5つ。それぞれの違反点数と反則金(普通車の場合)も併せて記載しています。勘違いされがちな道路交通法もあります。それぞれの違反の詳細に関しては後述します。
交通違反名 | 点数 | 反則金 |
通行禁止違反 | 2点 | 7,000円 |
歩行者側方安全間隔不保持違反 | 2点 | 7,000円 |
横断歩行者等妨害等 | 2点 | 9,000円 |
徐行場所違反 | 2点 | 7,000円 |
幼児等通行妨害 | 2点 | 7,000円 |
勘違いしやすい・知らなかった道路標識ランキング&間違いやすい標識TOP3はこちらから!
通行禁止違反
スクールゾーン、通学路にある「歩行者専用」の標識があるところを自動車で通行すると「通行禁止違反」となります。
歩行者側方安全間隔不保持違反
歩行者がいるところで車を走行させる場合は、その歩行者と車を十分安全な間隔を空けなければなりません。具体的に○cm以上などとその間隔は明示されていませんが、概ね1.5m以上の間隔とされています。
道路交通法では、安全な間隔が保持できない場合は徐行しなければなりません。
横断歩行者等妨害等
横断歩道で歩行者が止まってくれたからといって、そのまま進んでしまうと交通違反です。
これはよくある勘違いです。横断歩道で横断しようとする歩行者がいたら、必ず停止して歩行者を横断させてあげないといけないのが道路交通法です。
徐行場所違反
前述の「歩行者側方安全間隔不保持違反」で触れた以外に道路交通法では徐行しなければならない場所を多数定めています。そのうち、スクールゾーン、通学路でやってしまいがちな徐行場所違反は「道路の曲がり角付近」、「左右の見通しのがきかない交差点」など。
徐行の定義は「車両がただちに停止できる速度での走行」とされており、具体的な時速は示されていませんが、人が歩く速度=約4km/h=AT車のクリープ走行は「徐行」の範囲となりますので、これを目安にしましょう。
幼児等通行妨害
幼児“等”には、児童も含まれると解釈しましょう。幼児、児童のそばを走行するときは、徐行ないしは一時停止をしなければならないという道路交通法があります。
「通行禁止道路通行許可」申請方法
スクールゾーン、通学路で通行禁止となっているが、どうしても走行しなければならないとき、所轄の警察署長から許可証を交付されれば、走行可能になります。これが「通行禁止道路通行許可証」で、「通行許可」などと略されています。
通行許可がされるケース
いくつかのケースがありますが、スクールゾーン、通学路においては概ね下記の2つとなります。
- スクールゾーン、通学路の通行禁止部分に車庫がある。
- 冠婚葬祭、引っ越しなど
- 歩行困難者
このうち1は、そこに住んでいる限り恒久的な許可が必要となるもの、2は一時的な許可となります。
いずれにせよ、警察が「やむを得ない」と判断しなければ許可がおりないというのがポイントで、申請すれば良いわけではありません。
申請方法、申請先
通行したい道路の警察署の「交通規制係」へ所定の申請書と添付書類を提出(基本、警察署へ持参)となります。なお、申請書、添付書類は2通作成する必要があり、車両が複数あるときは1台毎に2通ずつ作成しなければなりません。
申請書式

「通行禁止道路通行許可申請書 」は所轄の警察署のウェブサイトからダウンロードできます。
添付書類
添付書類は以下の3点または4点。
- 車検証のコピー
- 主たる運転者の運転免許証のコピー
- 通行したい通行禁止区間を示した地図
- 歩行困難者の申請時は、医師の診断書のコピー
【これもよくある勘違い】スクールゾーンの車両通行規制は学校のあるときだけではない!
本記事のまとめの代わりとして、スクールゾーン、通学路の車両通行規制に関するよくある勘違いをお伝えし、締めくくりとします。

スクールゾーン、通学路の「歩行者専用」に車両通行規制は、補助標識に特に書かれていない場合、その規制は365日となります。日曜日や夏休み期間中で学校が休みでも、指定された時間帯は車両通行禁止です。補助標識に「日曜を除く」などの標示があれば、その文字通りの範囲内で車両の通行は可能となります。
それでは、交通ルールを守って楽しいカーライフをお送りください!
(撮影:MOBY編集部)
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- MOBY編集部