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オートライト義務化のメリット・デメリット|いつ点く?どうやって消す?後付けはできる?

「オートライト」は、近年販売されている車で採用されている自動点灯式ライトです。ひと昔前の車に装着されていたライトは、ハンドルの近くに備わったレバースイッチを使って点灯させる仕組みが多く採用されていました。

しかし、国土交通省の保安基準が改正されたため、現在はオートライトの装着が義務化されています。オートライトが装着されていると、運転がしやすくなるのでしょうか。

今回はオートライトを、義務化したメリットやデメリットや非装着の車に後付けができるのか、詳しく解説します。

オートライトとはどんな機能?

メルセデス AMG-GT のヘッドランプ ©長谷川 優人

オートライトは、車の周辺が暗くなるとライトが自動で点灯し、明るくなると自動で消灯する機能です。ハンドルの近くに備わったレバースイッチを使うのは、手動式のライトと共通しています。

ところが、「AUTO」と書かれた箇所にレバースイッチを指定すると、日没時やトンネル進入時に自動でライトが点灯。周囲が暗くなると車に備わったセンサーが感知してくれるため、ライトを点灯させようとドライバーが焦らずに済む便利な機能です。

近年では、レバースイッチでの切り替え機能を廃止して、オートライト機能が自動で働く仕組みを搭載している新車への販売差し替えが行われています。

新車はオートライト装着が義務化されている

スバル WRX S4のヘッドライト。既にオートライトが装着されている ©長谷川 優人

オートライトは、新車販売されている車種への機能装着が義務付けられるようになりました。

かつては、高級セダンを中心に価格帯が高めの車種に採用されていたオートライト。しかし、2016年に国土交通省の保安基準が改正されます。「すれ違い用前照灯」(ロービーム)は、周囲の明るさに応じて、自動で点灯および消灯できる機能を備える規則に変更されました。

オートライト義務化の5つの基準とは

2020年4月以降、オートライトの保安基準に定められたのが以下の5点です。

  • 周囲の照度が「1000ルクス未満」でライトを点灯させる
  • 2秒以内でライトを自動点灯させる
  • 周囲の照度が「7000ルクス以上」でライトを消灯させる
  • 5秒以上から300秒(5分)以内でライトを消灯させる
  • 手動によるオートライトのON・OFF機能を装着しない

ライトが自動で点灯する基準に掲げられたのが「1000ルクス」となります。ルクスとは、明るさを示す基準となり、「lx」の単位が使用され、数値が大きければ明るいのが特徴。

1000ルクスの数値を下回ると自動でライトを点灯させるとしたのは、信号のライトや周囲を走る車のブレーキランプの光加減を基準としています。

日没・夕暮れ時は急激にライトの灯りが目立つようになり、同時に歩行者や周囲を走る車を確認しにくくなるのを経験したドライバーは多いのではないでしょうか。ライトを使うタイミングを判断するのは簡単ではなく、気が付けば点灯していなくて危険に見舞われる可能性もあり得る話です。

オートライトの機能を取り入れたら、運転に慣れていない人でも適切なタイミングでライトを点灯させられます。2秒以内で点灯、周囲が7000ルクス以上の状況が5秒以上続けば消灯と、センサーの反応のお陰でライトを安全に使いこなせるでしょう。

乗用車では新たに登場した車種は2020年4月以降、既存から生産されている車種は2021年10月以降から5つの条件を満たしたオートライト機能の装着が義務付けられています。今現在販売されている車にはオートライト機能が当たり前のように備わっているのです。

オートライトのメリット・デメリット

スバル WRX S4のウインカーレバー ©長谷川 優人

オートライトを装着するメリットとデメリットを両面から解説します。

オートライトが使えることで運転中の負担が減る反面、気を利かせた柔軟な使い方ができない考え方もされているようです。オートライト装着車を運転する際に気を付けたいポイントかもしれません。

【メリット】ヘッドライトの点け忘れを予防できる

オートライトのメリットは、「ヘッドライトの点け忘れを予防できる」という点が挙げられます。

夕暮れ時に車を運転していると、歩行者や対向車線を走る車を確認しにくくなるのは、車の運転経験があれば誰もが体感しているかもしれません。同時に、交通事故が発生しやすい時間帯ともされています。

オートライトなら、点けるべきか点けないべきか判断が難しい状況で役立ちます。周囲の明るさで判断する自動検知システムであれば、ドライバーが迷うことなくライトを点灯して、安全運転に貢献してくれるでしょう。

【デメリット】暗所にいるとライトが点いたままの状態になる

一方、オートライトにはデメリットも存在します。「暗所にいるとライトが点いたままの状態になる」点です。

過去のヘッドライトはレバースイッチに「OFF」切り替えができる仕組みとなっているため、エンジンをかけたままでも消灯可能。

しかし、オートライト装着車でキャンプ場にて車中泊をするケースでは、エンジンをアイドリングさせたままでいるとヘッドライトが点いたままの状態となります。

エンジンをかけている状態のため、バッテリー上がりで車が動かなくなる心配はありません。反面、暗所でオートライトは点滅する仕組みとなっていることから、一晩中ライトの明かりが点いた状態で周囲に迷惑をかける可能性があります。

オートライトは後付けで取り付けできる?

@Kadmy/stock.adobe.com

オートライトは、旧車や過去に販売されていた車に後付けで取り付けられるのでしょうか?

長い間乗り続けてきて、大切にしてきた車でオートライトが装着されていなかったら、追加する必要があるか気になっている人もいるかもしれません。

オートライトの後付けは可能で、必ず行わなければならないのか、疑問点をピックアップしてみました。

現状、オートライトの追加装着が必須ではない

新型および既存から生産されている乗用車には、2020年以降続々とオートライトの装着義務付けが行われています。しかし、いまだに街を走っている多くの車は新しい保安基準が決定する前で、オートライトが備わっていない状態です。

現状、2020年4月以前に生産され、オートライトが装着されていない車への罰則や追加装着の義務付けがされていません。引き続き愛車を乗り続けられるため、急いでオートライトを追加装着したり、車を買い替えなければならなかったりする不安を持たずに済むでしょう。

車種によってはオートライトを追加装着できる

長年大切にしていた車の安全性を高めるためにも、可能であればオートライトを追加するのが得策でしょう。

一部の自動車用パーツの製造メーカーでは、日本の自動車メーカーで過去に販売されていたモデルにも対応できるオートライトの商品を市販しています。

トヨタや日産、ホンダをはじめとした対応しているメーカーや車種、年式が指定がされている商品もあるようです。

ディーラーやカー用品店に相談し、作業を依頼するのがおすすめ

愛車のオートライト後付けを進めるなら、普段お世話になっているディーラーやカー用品店に相談し、取り付け作業を依頼するのがよいでしょう。

社外品のパーツを使って、愛車のオートライト化をするには多彩な方法が存在します。

ディーラーやカー用品店に依頼するのに加え、腕に自信があれば車の持ち主がDIYで取り付けるのも可能です。

ただし、DIYで取り付けるにはコード配線を間違えずに作業を行わなければならず、取り付けの難易度が高いです。電気の仕組みに精通した人でないと難しいでしょう。

以上から、ディーラーや社外品パーツを扱っているカー用品店に相談し、作業を依頼してみてください。効率よくオートライトを取り付けて、安全運転に役立てましょう。

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執筆者プロフィール
長谷川 優人
長谷川 優人
1990年生まれ。30代突入と同時期にライター業を開始。日常系アニメと車好き。現在所有はワゴンR(MH95S)。アニメ作品の聖地巡礼などで、各地へドライブに出かける。
監修者プロフィール
鈴木 ケンイチ
鈴木 ケンイチ
1966年9月15日生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレー...

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