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リトラクタブルヘッドライトが消えた理由!意味と歴史と代表車種をご紹介!
リトラクタブル・ヘッドライトとは?
リトラクタブル・ヘッドライトとは、車体内部にヘッドライトが格納できるヘッドライトのことをいいます。
百聞は一見にしかず、上の動画で一目瞭然かと思います。
リトラクタブルヘッドライトの歴史
世界最古のリトラクタブルヘッドライト搭載車

上の写真は、世界で最も古いリトラクタブルヘッドライト搭載車です。
コード フロントドライブ モデル812
アメリカ 1937年
変わった車の生産を特徴としたコード社が作った、独特な外装デザインに加え、リトラクタブルヘッドライトを世界で初めて採用、さらに当時としては非常に珍しい前輪駆動などを採り入れた車。
【スペック】
全長 5.1m × 全幅1.82m
車両重量1,828kg
水冷V12スーパチャージャー 4,729cc(170HP)
ただ、この車以降にリトラクタブルライトを搭載した車は出てこず、世界的に採用されはじめたきっかけとなったのは、1963年の「ロータス・エラン」でした。

リトラクタブルヘッドライトのブーム
1970年後半のスーパーカーブームからは、リトラクタブルライトがさらに広まりました。1980年代、1990年代の国産車でも多く採用されました。
リトラクタブルライトは、車体前部の高さを下げることができ、空気抵抗を減らせるメリットがありました。また、ヘッドライトは外装デザイン上の制約を課してしまうことから、デザイナーはヘッドライトを隠すことで優れた外見の車をデザインできることからも大きなメリットもありました。
流麗なデザインのスポーツカーの他、スタイリッシュなセダン、コンパクトカーまでにも採用されました。
リトラクタブルヘッドライトの衰退
スーパーカーブームで高価なスポーツカーに憧れた子供が大きくなって車が買えるようになると、その象徴的なリトラクタブルライトを搭載した国産車は、子供の頃の憧れに近づくようなイメージもあったこから、高い人気を誇りました。
しかしながら、実用性、機能性においてはあまり意味がなく、リトラクタブルヘッドライト採用車は現在、ほとんどなくなってしまいました。その理由、背景は次のようなものが有ります。
・ライト点灯時は空気抵抗が増す
・開閉機構は重量増となり、特に車両先端部の重量増はハンドリングに悪影響を及ぼすため、スポーツ走行には向かない。
・ライト点灯時の相手が人の事故の際、危険
・複雑な機構のため故障率の増加
・北米のライト最低地上高規制の緩和
・昼間もヘッドライト点灯を義務つけている国には無意味
・プロジェクターヘッドライト、マルチリフレクターライトの普及
上記のような様々な理由から、国産車では2002年8月に生産終了したマツダ・RX-7が最後のリトラクタブルライト搭載車、世界ではアメリカのシボレー・コルベットが2005年2月のフルモデルチェンジを最期に姿を消しました。
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- MOBY編集部