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大型免許とは?取得にかかる費用や教習所の期間など
大型免許とは?

大型免許・中型免許・普通免許の条件一覧表
免許区分 | 大型免許 | 中型免許 | 準中型免許 | 普通免許(※) |
---|---|---|---|---|
運転資格年齢 | 21歳以上 普通免許経歴3年以上 | 20歳以上 普通免許経歴2年以上 | 18歳以上 | 18歳以上 |
車両総重量 | 11トン以上 | 11トン未満 | 7.5トン未満 | 3.5トン未満 |
最大積載量 | 6.5トン以上 | 6.5トン未満 | 4.5トン未満 | 2トン未満 |
乗車定員 | 30人以上 | 29人以下 | 10人以下 | 10人以下 |
※ 2007年の法改正前に普通自動車免許を取得していた人は「8トン限定中型免許」となり、中型車は車両総重量8トンまでの貨物車に限り運転することができます。
準中型免許は2017年3月から追加された新しい免許区分で、普通免許と中型免許の中間に位置します。
大型免許で運転できる車の種類は?
大型自動車免許(大型免許)には、運賃が発生しない業務において車を運転できる「第一種運転免許」と、人を運搬し運賃が発生するバスなどの車を運転する際に必要な「第二種運転免許」があります。
大型免許を取得した場合に運転できる車の種類は以下の4種類です。
- 中型自動車
- 普通自動車
- 小型特殊自動車
- 原動機付自転車
免許に関する役立つ知識はこちらから
大型免許取得方法と費用の目安

出典:wikipedia.org Author:駿遠線 CC 表示-継承 4.0
一発試験で取得した場合の費用
大型免許を取得するには「教習所・合宿を利用する場合」が一般的ですが、試験場・運転免許センターで「一発試験」により取得することも可能です。しかし、一発試験の場合、試験に使用する車は4トン車ではなく「10トン車」となっているため、かなりハードルは高いと言えるでしょう。
一発試験の場合の費用は地域によって違いがありますが、東京都の場合を例にすると、おおむね以下のとおりです。
- 受験料:4,100円
- 試験車使用料:2,500円
- 免許証交付料:2,050円
- 講習受講料:22,000円
一発試験に関する情報はこちらから
教習所で取得した場合の費用
大型免許教習所所要日数と費用の目安一覧表
取得済み免許 | 教習所最短日数 | 免許取得費用 |
---|---|---|
中型免許(MT車) (2007年法改正以前取得の普通免許) | 10日 | 20万~25万円 |
普通免許(MT車) | 13日 | 30万~35万円 |
中型免許 | 7日 | 18万~23万円 |
合宿免許で取得した場合の費用
取得済み免許 | 合宿最短日数 | 免許取得費用 |
---|---|---|
中型免許(MT車) (2007年法改正以前取得の普通免許) | 9日 | 19万~24万円 |
普通免許(MT車) | 12日 | 26万~36万円 |
中型免許 | 7日 | 15万~21万円 |
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大型免許取得の教習内容とは
大型免許取得に必要な「深視力」

大型免許を取得する際にはその適性としてとくに「視力」が重視され、一般的な視力検査に加え、「深視力検査」を受ける必要があります。深視力とは、「物の奥行・遠近・立体感を正しく捉えられる力」をいい、その検査は「三桿(さんかん)法」と呼ばれる「奥行知覚検査器」を使い行います。
具体的には、検査器内に並んだ3本線のうち真ん中1本が奥や手前に動き、3本線が横一列に並んだと感じたときスイッチを押すといった検査を3回実施し、その平均誤差が2センチ以下でなければならないというものです。適性検査の内容は以下のとおりです。
- 視力(両眼0.8以上、一眼ずつが0.5以上)
- 深視力(奥行知覚検査器を使い3回検査)
- 色彩力(信号機を判別できる)
- 聴力(両耳が10mの距離で90デシベル音を聞き分ける)
- 運動能力(運転操作に支障がない体幹であるかどうか)
第一段階の教習内容
大型免許を取得する場合、その教習は「第一段階」と「第二段階」に分かれます。第一段階は「場内コース」を使用して運転技術を身につけ、第二段階は「路上」においての教習となっています。第一段階の教習内容は下記のとおりです。
- 車の乗降りと正しい運転姿勢
- 車の運転装置や日々の点検整備取り扱いかた
- 大型車特有の運転死角と車両感覚を理解した運転操作
- 発進・停止をはじめとする運転の基本操作
- 目標に合わせた停止や時期に見合った発進・加速
- 曲がり角・カーブの通行方法
- 坂道の発進方法
- 後退(バック)
- 狭い道の通行方法
- スムーズな隘路(あいろ)侵入(狭い場所での方向転換と停車)
- 正しい通行位置選択と進路変更や障害物対応
- 直進・右折・左折といった交差点通行、標識・信号に合った通行
- 見通しの悪い交差点の通行
- 踏切の通過
- 急ブレーキ
- みきわめとなる教習効果確認
第二段階の教習内容
場内での教習「第一段階」をクリアした後、技能終了検定を受けて合格すると、路上教習となる「第二段階」へ進むこととなり、状況を踏まえた応用的な走行を学んでいきます。第二段階の教習内容は下記のとおりです。
- 適切な通行位置や進路変更を含めた流れに沿った車の走行
- 実際の直進・右折・左折といった交差点通行、標識・信号に合った通行
- 歩行者を始めとした保護
- 交通状況や道路状況に見合った運転
- 適切な縦列・駐停車や方向変換
- 経路の組み立て
- 急ブレーキ
- 危険を予測した適切な運転
- みきわめとなる教習効果の確認
運転適性試験についてはこちらから
「教育訓練給付金制度」を使えば最大10万円キャッシュバック
大型免許を取得する際にかかる教習費用は、「教育訓練給付制度」を利用すれば、教習費の最大20%(上限10万円)が教習終了後にハローワークを通じてキャッシュバックされます。
教育訓練給付制度とは、仕事に必要となる資格や技術を習得するために学校や講習・講座に通う場合、その費用の一部を支援する雇用保険の給付制度で、大型免許取得のための教習費用一部支援は制度のなかの「一般教育訓練給付金」にあたります。
なお、給付を受ける対象者は以下の条件を満たす必要があります。
- 在職者である場合、雇用保険の被保険者期間が3年以上であること(初めて制度を利用する方は1年以上)
- 離職者である場合、大型免許の教習開始日が離職日翌日~1年以内で、雇用保険の被保険者期間が1年~3年以上あること
- 過去に給付制度を利用したことがある場合、以前の給付から3年以上経過していること
大型免許の取得を考えている場合、条件を満たすかや詳細についてハローワークのサイトでチェックしてみることもおすすめです。
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- この記事の執筆者
- 石黒 真理