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国際免許証が必要な国はどこ?取得方法や必要書類、有効期限も
目次
国際免許証(国外運転免許証)とは?
国際免許証とは、日本国内で運転免許を取得した人が、外国で車を運転できるように発行される免許証です。
国際免許証という呼び方が広く知られていますが、このように日本で取得した免許を外国で使えるようにする場合、「国外運転免許証」が正式な名称となります(詳しくは後述)。
国際免許証において重要なことは、相手国がジュネーブ条約締約国しているか否かということです。
ジュネーブ条約は1949年に制定された条約で、その中でも「道路交通に関する条約」が国際免許証に大きく関係しています。日本の国外運転免許が有効となるのはジュネーブ条約締約国のみです。
国際免許証の種類や取得にかかる日数および有効期間
国際免許証は3種類
上記で「この場合には正式な名称」と記した理由は、広義の意味では国際免許証にはいくつか種類があるからです。次のように3つの国際免許証に分類されています。
国外運転免許証
日本国内で取得した免許を元に外国でも運転するための国際免許証。日本で運転免許を取得した人が外国で運転するために申請するものです。
国際運転免許証
外国で取得した運転免許を日本国内で有効するために必要な国際免許証です。この時に有効な外国の運転免許証は、ジュネーブ条約締約国によって発行されていること、そして同条約で定められている様式になっていることが条件となります。
外国運転免許証
日本で運転することを許可されている外国の免許証は、外国運転免許証と呼ばれています。ベルギー、エストニア、フランス、ドイツ、モナコ、スイス、台湾で発行されてる運転免許証がこれに該当します。
ただし、ただ持っているだけでは効力を持ちません。政令で定められている機関によって発行された免許証の日本語翻訳文が必須となっています。この機関には、各国の大使館・領事館や、JAFなどが挙げられます。
取得にかかる日数はどれくらい?
運転免許センターや運転免許試験場で申請すれば即日交付されます。しかし警察署(運転免許課)で申請すると最低2週間以上が目安です。
国外運転免許証の有効期間は?
国外運転免許証には発行から1年間の有効期間が認められています。申請から1年以内であれば、国内運転免許証の有効期間が切れない限り有効です。
現地の国(外国)では「上陸から1年間有効」とされています。出国ギリギリで国外運転免許を取得して外国へ行くことで、国外運転免許をより長く有効にできるのです。
国際運転免許で運転できる車種区分は?
ジュネーブ交通条約ではA/B/C/D/Eという車両区分が為されています。これを所有している免許証に照らし合わせて、自分がどういう車両を運転できるのか確かめるましょう。
各ランクは次のようになっています。
A | 側車付きを含む二輪の自動車と身体障害者用車両車体重量が400kgを超えない三輪の自動車 |
B | 8人乗り未満の乗用自動車許容最大重量3,500kg未満の貨物自動車 |
C | 許容最大重量3,500kg以上の貨物自動車 |
D | 8人乗りを超える乗用自動車 |
E | 750kg以上の被牽引車を連結した車両 |
第一種普通自動車免許(準中型5tまで)を所有しているとBに該当する車両を、普通免許のほか普通自動二輪免許・大型自動二輪免許を所有しているとA・Bランクに該当する車両を運転することができます。
期限が切れた国際免許証はどうなる?
道路交通法の「第七節 国際運転免許証及び外国運転免許証並びに国外運転免許証」、具体的には第107条の2〜10に、国外運転免許証・国際運転免許証・外国運転免許証に関する記載があります。量が多いのではここでは全てを取り上げませんが、1つ抑えておきたいのが、第107条の10(国外運転免許証の返納等)の3です。
国外運転免許証の交付を受けた者は、当該国外運転免許証の有効期間が満了し、又は当該国外運転免許証が失効したとき(当該国外運転免許証の有効期間が満了した時又は当該国外運転免許証が失効した時に本邦外の地域にある者については、本邦に帰国したとき。)は、すみやかに、当該国外運転免許証をその住所地を管轄する公安委員会に返納しなければならない。
3 前項の規定により国外運転免許証の提出を受けた公安委員会は、当該国外運転免許証の効力の停止の期間が満了した場合においてその提出者から返還の請求があつたときは、直ちに当該国外運転免許証を返還しなければならない。
道路交通法
これが示すことは、有効期限満了時に国際免許を返納する義務はあるが、記念に保管したい時にはその旨を申請することで受け取ることができるということです。
国際免許証があればどこの国でも運転可能なの?
ジュネーブ交通条約を結んだ国であれば運転可能
国際免許証を持つことで、ジュネーブ条約の締約国での運転が許可されます。ジュネーブ交通条約締約国は現在111カ国で、地域ごとにまとめると次の通りです。
アジア・オセアニア州の締約国
- フィリピン
- インド
- タイ
- バングラデシュ
- マレーシア
- シンガポール
- スリランカ
- カンボジア
- ラオス人民共和国
- 大韓民国
- ブルネイ・ダルサラーム国
- ニュージーランド
- フィジー
- オーストラリア
- パプアニューギニア
ヨーロッパ
- 英国
- ギリシャ
- ノルウェー
- デンマーク
- スウェーデン
- オランダ
- フランス
- イタリア
- ロシア連邦
- セルビア
- モンテネグロ
- スペイン王国
- フィンランド
- ポルトガル
- オーストリア
- ベルギー
- ポーランド
- アイルランド
- ハンガリー
- ルーマニア
- アイスランド
- ブルガリア
- マルタ
- アルバニア
- ルクセンブルク
- モナコ
- サンマリノ
- バチカン
- キルギス
- ジョージア
- チェコ共和国
- スロバキア
- スロベニア
- リトアニア
- クロアチア共和国
- リヒテンシュタイン公国
アフリカ
- 南アフリカ
- 中央アフリカ共和国
- エジプト
- ガーナ
- アルジェリア
- モロッコ
- ボツワナ
- コンゴ民主共和国
- コンゴ
- ベナン
- コートジボワール
- レソト
- マダガスカル
- マラウイ
- マリ
- ニジェール
- ルワンダ
- セネガル
- シエラ・レオネ トーゴ
- チュニジア
- ウガンダ
- ジンバブエ
- ナミビア
- ブルキナファソ
- ナイジェリア
北米・中南米
- アメリカ合衆国
- カナダ
- ペルー
- キューバ
- エクアドル
- アルゼンチン チリ
- パラグアイ
- バルバドス
- ドミニカ共和国
- グアテマラ
- ハイチ
- トリニダード・トバゴ
- ベネズエラ
- ジャマイカ
その他(特別行政自治区や海外領土等)
- 香港
- マカオ
- フランスの海外領土(フランス領ポリネシア等)
- アルバ キュラソー島
- シント・マールテン
- ケイマン諸島
- マン島
- ガーンジー
- ジャージー
- ジブラルタル
- アメリカ合衆国の海外領土(グアム、プエルトリコ等)
それ以外の国ではどうなる?
ジュネーブ交通条約締約国以外の国では、その国の運転免許を取得する場合、日本の免許証でそのまま運転できる場合、国内免許証と国際免許証を持っていると運転できる場合などがあります。
この時、国によって対応が異なる他、滞在期間の長さによっては国内免許証の翻訳書類が必要になる場合も。各国の詳細が気になる場合には、現地の日本大使館へ一度問い合わせることをおすすめします。
行き先がジュネーブ交通条締約国であっても、事前に調べてください。
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