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エンジンマウントの交換時期と交換費用は?劣化するとどうなる?

エンジンマウントとは?

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エンジンマウントはエンジンを車両のボディに固定するために使われるパーツです。

上記の通りエンジンのボディへの固定に加えて、エンジン始動時の振動を吸収することや、エンジンそのものの動きを抑えることなどの役割も果たしています。

一般的には次の4つの役割にまとめることができます。

  • エンジンを所定の位置へ固定する
  • エンジンの振動を軽減する
  • エンジンの動きを制限する
  • 部品同士の接触を防ぐ

エンジンマウントの種類

エンジンマウントはその内部構造の違いでいくつかの種類に分類することができます。

従来のエンジンマウント

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従来型(昔から使われている)エンジンマウントは金属部品とゴムブッシュで構成されています。金属部品はハウジングと呼ばれることが多いです。

ハウジングやゴムブッシュの形状も様々で、角型、円筒などがあります。

トルクロッド

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トルクロッドはエンジンマウントの一種です。ロッドの両端にボルトの差込口があり、それらがねじれの関係になっているものや、並行な関係になっているものがあります。

車体は搭載されているエンジン回転によって前後に動こうとしますので、トルクロッドを使ってその動きを押さえる・軽減するという仕組みです。

液体封入式エンジンマウント

液体封入式エンジンマウントは、エンジンマウント内部にオリフィスが設置され、その中に封入されたオイルが振動の減衰効果を発揮します。

電子制御式エンジンマウント

液体封入式エンジンマウントに電子制御を加えたものは電子制御式エンジンマウントと呼ばれています。

ACM(アクティブ・コントロール・マウント)がその代表例で、搭載されたアクチュエーターがエンジン回転数とリンクした電気信号によって作動します。

磁性流体式エンジンマウント

磁性流体式エンジンマウントはオイル内部に磁性体が混ぜられたエンジンマウントです。オイルに磁性体が混ぜられていることを利用し、電磁場を使ってオイル粘土を変化させる仕組みになっています。

磁性流体式エンジンマウントは電子制御式と比べてより細かな制御や優れた反応速度を持つ一方、その性能に比例して価格はかなり高額です。

エンジンマウントが劣化するとどうなる?

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エンジンの騒音や振動が増える

エンジンマウントのゴムの硬化、亀裂やひび割れなどは、エンジンマウントの劣化を判断する基準です。

エンジンマウントが劣化すると、エンジンマウントが本来受け止めるはずの振動を受けきれなくなり、車内の振動や音(騒音)、ステアリングへ伝わる振動が大きくなります。

エンジンを支えるために強度はある程度高く作られているとはいえど、ゴム部品は消耗品ですので、劣化することは致し方ないでしょう。

エンジンマウントのゴムが千切れることがあります。そうなった場合、加速・減速時にエンジンが暴れ回り、異音が発生する可能性が高いです。 なお構造上、エンジンマウントのゴムが切れてもエンジンが脱落する可能性は低いです。

エンジンマウントの破損による二次災害に注意

エンジンマウントの破損でエンジンやミッションが脱落する可能性は低いですが、エンジンが前後に動く量が増えることによる二次災害に要注意です。

例えば、エンジンの動く範囲が増えることで、ラジエーターとエンジン周りの配管などが接触して破損する可能性が懸念されます。

エンジンマウントの交換時期は?

10年・10万kmが交換目安の1つ

エンジンマウントの交換時期は10年または走行距離10万kmと言われています。しかし、これはあくまでも目安と考えるのが良いでしょう。

新車購入して数年であったり、エンジンマウントを最近交換したばかりであれば気にする必要はほとんどありません、中古車を購入する際には他のゴム部品と合わせて確認したいポイントの1つです。

エンジンマウントの交換時期の見きわめ方

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新車当時の車両の状態(アクセルレスポンスやギアの入り具合、車内の振動具合など)を比較することで見分けられますが、中古で購入した車両の場合には判断の難しいところがあります。

例えばAT車の場合、ブレーキを踏んで停止した状態でニュートラルレンジの時とドライブレンジの時で振動具合が大きく異なれば、劣化が進んでいる可能性が高いので点検してみましょう。

MT車の場合にはシフトフィーリングが悪化する(シフトが入りにくくなる)ので、そこが渋いと感じたらチェックしてみても良さそうです。

ジャッキアップできる環境があったり、何かしらのメンテナンスで自動車整備工場に持って行く際に、ついでにエンジンマウントの状態をチェックするのもお勧めです。ひび割れや亀裂などがあれば、交換時期かもしれません。

エンジンマウントの脱着・交換にはなにが必要?

マウントの脱着に加え、エンジンを支えるものが必要

エンジンマウントはボディやエンジン、ミッションにボルトで固定されていますので、交換する際にはエンジンマウントを固定するボルトやナットを締める・緩める必要があります。

エンジンマウントを緩めたり外したりすると、エンジンを固定していたものが緩む・外れることになるので、エンジンの位置が動きます。そのため、下からフロアジャッキ(ガレージジャッキ)を使って支えたり、エンジンハンガーを使うなどして位置が下がらないよう工夫するのが定番です。

車種ごとに多少違いがあると思いますので、もし自分で交換する際には一度サービスマニュアルを読む、あるいは経験者に教えてもらうなどすると良いでしょう。

交換に必要な工具

エンジンマウントの交換に必要な(必要であろう)工具をまとめました。

  • フロアジャッキ(車体を持ち上げる。エンジンを下から支える)
  • ジャッキスタンド(持ち上げた車体を固定する)
  • エクステンションバー(狭いところにあるボルトやナットの整備にしよう)
  • ラチェットハンドル(楽に締める・締める)
  • メガネレンチ(ナットやボルトを緩める・締める)
  • ソケット(ラチェットハンドルやスピンナーハンドルなどと組み合わせる)
  • スピンナーハンドル(強いトルクをかけられる)

エンジンマウントの交換費用

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エンジンマウントの部品代

当然ですが、車種によってエンジンマウントの価格はまちまちです。1個あたり約3,000円のものがあれば、10,000円を超えるものもあります。国産車の純正エンジンマウントなら大体この価格帯になるでしょう。

チューニングパーツメーカーがチューニングパーツとして販売する強化エンジンマウントの場合、価格帯は純正品よりも高いこともあります。

新車価格が高い車種や高性能な車種であるほどエンジンマウントの価格は高く、それはエンジンマウント以外のパーツでも同様です。ポルシェ 911に採用されている磁性流体式エンジンマウントは1個あたり約10万円とも言われています。

脱着にかかる工賃

部品代同様に工賃も車種によってまちまちですが、国産車なら1.5万円から2万円あたりが相場と考えて良いでしょう。

先のポルシェのエンジンマウントの例にあるように、整備が複雑な(=手間のかかる)車種となれば整備により時間がかかりますので、より高い工賃になる可能性もあります。

部品代+工賃は安く見積もっても約2.5万円

以上をまとめると、エンジンマウント3箇所の交換を依頼した場合、安く見積もっても24,000円ほどかかることになりそうです。

工具を揃えて自分でやってみるのもアリですが、自信がない人や、整備の経験を積みたいというわけでもない人は、信頼のおける整備士に依頼してやってもらうのをおすすめめします。

チューニング向けのエンジンマウントの特徴

新車購入時に装着されている純正エンジンマウントと比べて、チューニング(モータースポーツ)向けのエンジンマウントはどういった特徴を備えているのでしょうか。

純正品と比べてゴムが硬い(ゴム硬度が高い)

チューニング向けのエンジンマウントは純正品と比べてゴムが硬くなっています(=ゴム硬度が高い)。ゴムが硬くなれば振動が伝わった時の変形が少なくなり、その分アクセルレスポンスが向上する仕組みです。

単純に硬度の高いブッシュを採用するだけでなく、エンジンマウントのゴムの量を増やして硬くする方法もあります。これはつまり、純正のエンジンマウントを強化することも不可能ではないということです。

強化エンジンマウント装着によるメリット

強化エンジンマウントが装着されることで、次のような効果が期待されます。

まず1つは先にも説明した通りアクセルレスポンスの向上です。アクセルペダルを踏んでエンジンマウントがたわんでから加速する仕組みのため、そのたわみ(遊び)がなくなった分だけ反応が良くなります。

2つ目はシフトフィーリングの向上です。加速・減速時のエンジンやミッションの動きが抑制されると、シフトアップやシフトダウンがやりやすくなります。スカンスカンとギアが入る感じです。

3つ目は車体の安定化です。走行中のエンジンの動きが強化エンジンマウントを装着することで純正品より抑制されれば、無駄な荷重移動量が削減され、より安定した加速や減速、そして旋回などが実現されます。

強化エンジンマウント装着によるデメリット

メリットがある一方で、強化エンジンマウントを装着することによる弊害もあります。

デメリットの1つがなんと言っても車内に伝わる振動が大きくなることです。これは実際にエンジンマウントが強化された車両に乗ってみるとわかります。純正品と比べると圧倒的に振動が多く、走行中のエンジン音も大きくなります。

2つ目はボディへの負担が増えることです。強化した分だけエンジンへ振動が伝わるということは、それだけボディに負荷がかかることでもあります。短期的には問題がないとしても負荷は蓄積するので、念頭に置いておきましょう。

チューニングパーツメーカーが販売している強化エンジンマウントの注意書きを見ると、「競技車両専用部品」と記載されていることもあることから、一般車両への装着はあまり推奨されていないと推測できます。

もちろん実際にはナンバー付き車両に強化エンジンマウントを装着して街乗りからサーキット走行まで使っているユーザーはいるのですが、快適性を損ねる可能性が高い点は理解しておきましょう。

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中華鍋振る人
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自動車とバイクに関連する記事を書いています。モータースポーツは観戦よりも参戦派。道交法や違反に関する情報を、法律に詳しくない人にもわかりやすく解説しています。
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