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クーラント(LLC)とは?単なる冷却水?色や交換時期は?エア抜きと漏れに注意!

クーラント(LLC)補充・交換の注意点

クーラントまたは水の選択を示す手
©Cautivante.co/stock.adobe.com

クーラント(LLC)の濃度は適切に

クーラントの成分のひとつであるエチレングリコールは、酸化が進むと錆びを防ぐ効果が薄まってしまいます。したがって、程よい濃さに調整することと、定期的な交換が大切です。

通常、クーラントは30%程度の濃度に調整されています。30%の濃度であれば-15℃前後まで、60%程度の濃度では-54℃といった目安があります。60%以上から濃くしてもそれ以下の低温に対応できるわけではなく、あまり効果に変化がみられないとされています。

お住まいの地域や、旅行先の気候に合わせた濃さにクーラントを調整することも、エンジンを効率よく使うため、トラブルを避けるために有効です。

クーラント(LLC)は車検ごとに必ず交換しよう

LLCはおよそ1年から2年、長いもので3年で交換が必要です。補充して量を調節している場合でも、 車検ごとにクーラントは交換した方が良いでしょう。

LLCに含まれる成分は、長期間使用していると酸化して錆びの原因になります。錆びはウォーターポンプや、ラジエーターの詰まりを引き起こし、最悪の場合は錆びがエンジン内の水路に詰まり、オーバーヒートによるエンジンブローまで考えられます。

クーラント(LLC)は飲用NG。誤飲に注意

LLCは水や他の液体との誤飲を防ぐために、赤や緑などに着色されたものがあります。LLCに含まれるエチルグリコーゲンなどの成分は、誤飲してしまうと死に至る可能性がある毒物だからです。

また、数種類のLLCを混ぜてしまうと、色が変化し錆びの発見の遅れといった弊害もあるので、できるかぎり混ぜない方がよいでしょう。

クーラント(LLC)の交換方法

膨張タンクを見ている整備士
©Yakobchuk Olena/stock.adobe.com

クーラントの交換作業自体は難しい工程も少なく、比較的簡単に行えるメンテナンスのひとつです。ラジエーター下部にドレインコックが付いており、特別な工具も必要なく取り外しができます。

ラジエーターキャップも高圧タイプや、純正同等のタイプなどがあります。配管の劣化が見受けられるものでは、負荷が集中し破損する可能性もあるので、高圧タイプを取り付ける時は特に注意が必要です。

作業手順を簡潔に紹介すると、大きく分けて8つほどの工程となります。

  1. ラジエーターのキャップを外す
  2. ドレインコックの下にバケツなどを用意する
  3. クーラントを抜く
  4. ドレインコックのパッキンを交換し戻す
  5. ラジエーターキャップを外したところからクーラントを注ぐ
  6. リザーブタンクにクーラントを入れる(入れすぎないように注意)
  7. キャップを開けたまま30分ほどエンジンをかけ、サーモスタットが開き配管全てにクーラントが循環し、気泡が抜けきるまで待つ(=エア抜き
  8. ラジエーターキャップを戻す

エア抜きが難しい車はDIYしない

リザーブタンクにクーラントを入れたあと、30分程度アイドリングをする工程は「エア抜き」という最も重要な工程です。エアが抜けた分のクーラントを足しながら作業する必要があるので、エンジンをかけたまま車を放置せず、常時クーラント量を確認する必要があります。

サーモスタットが開き配管全てにクーラントが循環したかどうかは、ラジエーターの電動ファンが回ったかどうかでも判断できます。

ハイブリッド車及びアイドリングストップ車では、エンジンが動作をしたり止まったりするため、なかなかエア抜きができません。そのため、車種ごとに設定される操作を行い、エンジンがかかったままの整備モードにするアイドリングストップをカットするスイッチを押しておくなどの必要があります。

また、エンジンルーム内には多くのカバーなどの化粧板が付いている最近の車は、DIYをするハードルが高くなりがち。エア抜きが難しい車種は無理してDIYせず、ディーラーや整備工場に依頼しましょう。

クーラントを廃棄する際は環境への配慮を

クーラントの処分には、PRTR(Pollutant Release and Transfer Register:環境汚染物質排出移動登録)正式名称「特定化学物質の環境への排出量の把握および管理の改善の促進に関する法律」が関わります。

そのため、ガソリンスタンドや専門店などで引き取ってもらったほうがよいでしょう。

急なオーバーヒートは日々のメンテナンスで予防

昨今の夏季の暑さは年々その威力を増し、熱中症患者が頻発しています。そんな人間につらい環境は、機械である車にとっても比較的つらい状態といえます。

つまり、突然車の水温が上がった、突然エンジンが壊れたという状況は、人間が熱中症で倒れるようなもの。炎天下でのオーバーヒートは、エンジンもかけられないのでエアコンも使えず、高速道路の渋滞でオーバーヒートは、ドライバーをも危険に晒します。

車だけに限らず、機械は日々のメンテナンスがトラブルの予防に直結します。たまにしか車に乗らない人ほど注意が必要ですので、予定がある方は定期点検以外でも、事前に点検してもらってはいかがでしょうか。

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MOBY編集部 カー用品チーム
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