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車検シール(ステッカー)きちんと貼ってますか?誤った貼り方や罰則について
車検シールとは、車検に通っていることをひと目で確認するためのシールです。
フロントガラスの中央上部に貼り付けられることが多く、警察や整備工場では車検に通った車なのかどうかを確認するために必要となります。
通常、車検に通ればすぐに貼り付ける車検シールですが、車検シールを貼り忘れている方は意外と多く、点検時に車検シールが見当たらないなんてこともよくあります。
車検シールが貼られていなければ、警察に止められる可能性もありますし、道路運送車両法違反となってしまうのです。
今回は、車検シールの説明や貼らなければどうなるのか、無くしてしまった場合の対処法などをご紹介していきます。
車検シールとは?
車検ステッカーとも呼ばれる車検シールですが、この車検シールは貼られている車がきちんと車検に合格しましたよ、と表示する役割があります。
正式名称は「検査標章」といい、普通車であれば数字が書かれている30X30mmサイズの青シールと、40X40mmの透明シールの2種類がありました。
しかし2017年からは車検シールのサイズ変更が行われ、青シール、透明シール共に40X40mmに変更されています。
また、それに合わせ文字も大きく見やすくなりました。
軽自動車の場合は青ではなく黄色となり、色によって区別をしているのです。
国土交通省で定められた車検シールに求められている条件は2つあり、
・使用者への表示・・・使用者に対し自動車の有効期間を示すため
・外部の者への表示・・・街頭検査などの取り締まり時の確認のため
となっています。
つまり「この車は現在車検に通っており、車検の有効期間は〇年の〇月までです」ということを、運転者や警察官などがひと目で分かるシールとなっているのです。
たまに次回の車検がいつなのかを知らない方がいますが、そのような方は車検シールの見方を知らないもしくは、全く見ていないということでしょう。
日本で車を所有するということは、必ず車検を受けなければなりません。
車を所有している方全員が、車に詳しくなれとはいいませんが、せめて車検の有効期間くらいは把握しておきましょう。
車検シールの見方をご紹介!
車検シールの見方は表面と裏面で違います。
表面とは、フロントガラスを車の外から見た場合に表示されている面のことを指します。
表面には2つの数字があり、
・大きい数字:月
・小さい数字:年
を表しているのです。
年の表示は西暦ではなく、年号(平成や令和)で記載されます。
例えば小さい数字が1、大きい数字が5だった場合、令和1年の5月までが車検有効期間ということです。
表面では何日までかの情報を確認することはできず、詳しく確認したければ、裏面を見るか車検証を確認しなければなりません。
裏面は表面よりも簡単で、何年何月何日という細かな情報が記載されているため、見方が分からない方でもすぐに理解できることでしょう。
車検シールの貼り方を間違える人は意外と多い!
車検シールを裏表反対に貼ってしまったり、透明シールをうまく貼り付けられたりしないなど、車検シールの貼り方に苦戦したことがある方は多いのではないでしょうか。
車検シールの裏側には、貼り方が丁寧に書かれていますが、いまいち分からないという方もいると思います。
そこで、車検シールの貼り方を分かりやすくご紹介していきます。
まず車検シールが届いた状態では、シールが2つに分かれています。
裏面の記載と表面の記載の違いによってシールが分かれているため、まずはシールを1つに合体させる必要があります。
ここで失敗する人がいるのです。
先ほどもお伝えしましたが、表面に表示されているのは数字が2種類だけです。
それに対し裏面には、「自動車検査証の有効期間の満了する日」と「〇年〇月〇日」という文言が記載されています。
そして貼り付ける箇所は、フロントガラスの内側であることを覚えておきましょう。
これさえ分かっていれば、後は簡単です。
➀2つのシールの中央部分を谷折りします。
②裏側のシールを半分はがし、表面のシールの角に合わせます。
③もう半分をはがし、1つに合体します。
④シールをフロントガラスの内側に貼り付けます。
たった4つの工程で、車検シールの貼り付けは完了するのです。
車検シールを失敗する理由は、どちらが表面なのかが分かっていなかったり、内側に貼ったりすればいいのか外側に貼ればいいのか迷うからではないでしょうか。
数字だけは表、文字が書かれてあれば裏、そして貼り付けるのは車内であることを知っておけば、初めてでも失敗せずに貼り付けることができると思います。
もし、今現在どのように貼り付ければいいのか迷っているならば、以上のことを頭に入れ車検シールを貼り付けてみましょう。
車検シールを貼る位置は?
車検シールの貼り付け位置は、フロントガラス上部1/5のスペースのみです。
フロントガラスの保安基準では、上部1/5のスペースに国が定めるシールを貼り付けることと、運転時に視界を妨げないことが定められています。
フロントガラスの保安基準に違反してしまうと、車検は通りません。
このことから、車検シールはフロントガラスの中央もしくは、助手席側に貼り付けることが多くあるのです。
また、間違っても運転席ドアの窓などに貼り付けてはいけません。
これは車検シールだけでなく、例外はありますがどんなシールでもNGです。
また、上部は目立つからと下の方に貼るのも違反となります。
あくまでもフロントガラスの上部1/5のスペースだけであり、運転席の前など視界の妨げにならない場所にしましょう。
よくフロントガラスに安全祈願のお守りなどを吸盤で貼り付けている車がありますが、厳密にいえばこの行為も保安基準違反となってしまうのです。
また、運転席周りのインパネ(インストルメントパネル)部分に大きなフィギュアを置いている方もいますが、これも視界の妨げとなるため違反となってしまいます。
そのため車検の際は置かれているフィギュアを取り除いたり、吸盤を外したりするのです。
フロントガラスの上部にしか貼り付けることのできない車検シールですが、現在の車には衝突軽減ブレーキセンサーやドライブレコーダーが取り付けられていることが多くあります。
そのため、フロントガラスの中央に車検シールが貼れない車も存在するのです。
そのようなときには助手席側の上部に貼っておくことをオススメします。
運転席側では視界の妨げとなる可能性がありますが、助手席側であれば視界の妨げになることはありません。
このように車検シールを貼ることのできる位置は、意外と細かな決まりがあるのです。
車検シールをキレイにはがすコツ!
ディーラーなどで車検を受けている方は、自分で車検シールをはがすことはないと思います。
しかし、ユーザー車検を受けている方ならば、新しい車検シールを貼る際、古いシールをはがさなければなりません。
車検シールの粘着は強く、簡単にはがすことができず苦戦したことがある方もいるのではないでしょうか。
もし今現在、車検シールがはがれずに困っているのであれば、スクレーパーという工具を使うと便利です。
スクレーパーは、整備士も使っている工具であり主に車検シールやダイヤルステッカーをはがす際使用します。
そのままはがすこともできますが、水などをつけすべりをよくすることで、キレイにはがすことができます。
工具店などに行けば1,000円以下で購入できますし、ステッカーをはがす際とても便利なので、1つ持っておいて損はないでしょう。
スクレーパーの刃はカッターの刃のように鋭いので、使用する際は指を切らないように注意が必要です。
使用後は水などを拭き取り、刃がさびないようにしておくことをオススメします。
車検シールを貼っていなければ法律違反!
車検シールを貼っていない車をよく見かけますが、車検シールを貼らずに公道を走行するのは違反となります。
車に適応される法律に、道路運送車両法がありますが第六十六条では
「自動車は、自動車検査証を備え付け、かつ、国土交通省令で定めるところにより検査標章を表示しなければ、運行の用に供してはならない。」
このように明記されています。
つまり車検証を常に車の中に入れておき、車検シールをフロントガラスに貼り付けておいてくださいね、ということです。
厳密にいえば違反すると罰金などの罰があるようですが、車検シールを貼っていないために罰金を払わなければならなくなったという話を聞いたことはないので、実際のところはそこまで厳しくはないのかもしれません。
しかし取り締まりなどで引き留められ、車検シールを貼っていなければ、車検を受けたのかどうかを疑われてしまいます。
悪いことをしていなくても、警察に止められると不安な気持ちになってしまうと思います。
また、取り締まりで引き留められ車検を通っている車だということを開示できなければ、さらに詳しく聞き取りが始まり、気持ちの面でつらい思いをするかもしれません。
警察官の余計な手間を増やさないためにも、法律で決められているように車検証はしっかりと車に乗せ、車検シールはすぐ分かる場所に貼り付けておきましょう。
車検シールを無くした場合は速やかに再交付を
ディーラー車検を受けている方は、後日、車検シールが届くと思います。
車検シールが届けば速やかに保安基準適合標章をはがし、車検シールを貼り付ける必要があります。
しかし後でやろうと思い、ついつい車検シールの貼り付けを後回しにしてしまう方も多く、気づいたときには無くしてしまっていたなんてこともあるのです。
そのような場合は陸運局または軽自動車検査協会に出向き、車検シールを再交付してもらうことで対処できます。
再交付してもらうために必要な書類は、
・申請書
・手数料納付書(検査登録印紙300円貼り付け)
・使用者の印鑑または委任状
・理由書
などとなっています。
つまり車検シールを無くしてしまうと、再交付するのはかなりめんどくさいということです。
ディーラーなどに依頼することもできますが、結局は陸運局もしくは軽自動車検査協会に向かわなければならず、代行料金が発生してしまいます。
車検シールがない状態で公道を走行すると違反ですし、警察に止められ事情を説明しないといけない状況になる可能性もあるので、車検シールが家に届いたらすぐに貼るようにしましょう。
- 執筆者プロフィール
- 山北吏(つかさ)
- 1989年生まれ。現役整備士(整備士3級)webライター。webライター歴は1年半。愛車はインプレッサ(GH8)。車に乗るなら絶対MT!実家が田舎だったこともあり山道は得意!整備士として働き始め3年目。前職は輸入業...