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【シンプルDIY】軽トラの収納力を向上!車中泊をもっと快適に! Boo3がさらを使いやすく!
キャンピングカー情報をはじめとして、キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信しているWEBマガジン・DRIMOから、実際に車中泊やキャンピングカーを楽しんでいるライターによる記事をMOBYがご紹介します。※以降の記事内容および記事タイトルはDRIMOからの引用・参照です
Boo3(荷台の箱)を載せたハイゼットジャンボを使用するようになって3カ月ほどたった。
キャラバンは室内をいじりまくって何度も改装を繰り返してきたが、以前別の記事でも書いたけれど、Boo3の中は大袈裟に手を加えないようにしようと思っている。
主な理由は荷台の汎用性を損ないたくないことと、決してパワフルとは言えないクルマを家具のような類いの物で無駄に重くしたくないからだ。
しかし、より使いやすくするために多少は手を加えたい気持ちもあるので、物を置く場所を増やすための棚ではなく、道具を使いやすくするための棚をBoo3の中に設置してみた。
今回の記事では軽トラライフをより快適にするためのそんなちょっとした改装、重量も製作作業も軽めの棚の設置などについてご紹介したいと思う。
長年キャラバンを使ってきての反省点
普通の家でもそうだけど置く場所があるとつい物が増えてしまいがちだ。
長年キャラバンを使っていて一つ反省していることで、ボディが大きいからとついあまり使わない物まで積みっぱなしにしてしまっているということがある。
収納場所が多いと便利なようだが、多過ぎると良くない結果を招いてしまうこともあるのだ。
軽トラの軽く小さくシンプルな取り柄を台無しにしたくはないので、Boo3 + ハイゼットジャンボでは棚などの収納庫の設置には慎重に進めて行こうと思っている。
どこからでも手の届く棚を設置
Boo3の大きな特徴であり非常に優れている点は、パネル3面がフルオープンすることだ。
これのおかげで荷下ろしや荷物の整理など、一旦車内に入らなければしにくいことやできないことを、車外にいながらほぼ全てできてしまう。
これはキャラバンのようなVANと軽トラの両方を使ってみなければ分かりにくいことかもしれないが、屈んで荷室に上がったり降りたりを繰り返す必要がないのは大変便利で楽だ。
そして、この3面開放の利点は荷物の積み下ろしに便利なだけではない。
クルマの外側からも荷台や室内(荷台)に置いた備品を容易に活用することができてしまうのだ。
これだけではどういった意味かピンとこないかもしれないが、移動販売車などを思い浮かべていただきたい。
店内に入るように車内に入り込む形態の大型で大掛かりな移動販売車も中にはあるが、大抵は荷台自体が商品陳列棚であったり、ショーケースが外に向けて荷台に設置されていたりして、車外から荷台を利用する形になっている。
そして、軽トラの荷台は良い意味で程良く小さいため、3面開いていれば荷台のどこも手が届かないところがない。
車中泊でも使うのだから、車内(荷台)で寝られるようにしておくことは当然だが、こういった特徴を上手く利用したいと考えた。
そしてふと考えてみたら、圧倒的に頻度の高い私のクルマの使用方法はデイキャンプのような海岸などでの基地としての利用だ。
車中泊をするより現実的にはこっちの方が多い。
基地としてVANを利用する場合は、通常昼食時も開けたテールゲートの下(海岸付近ではトンビに襲撃されないように屋根や庇が必須)で食べて、室内には入らない。
日中お湯を沸かしたりする際は、やはりポータブル電源と湯沸かしポットをテールゲートかサイドドア近くに置いて自分は車外にいるのが普通で、また、キャンプ場など外で調理をしたり道具を広げたりしても問題ない場所では、基本的に車内に入るのは寝る時だけだ。
室内(車内)に入ってポータブル電源を使ってお湯を沸かしたり簡単な調理をしたりするのは道の駅やSA(サービスエリア)などの駐車場で車中泊する場合に限られる。
それも夜とたまに朝だけだ。私の場合は普通の家にいる時とは違って、運転中以外は日中車内に篭っていることなど殆どないのだ。
晩飯と寝る時くらいしか室内(車内)にいないのだから、私にとっては車外から室内の道具が取り出しやすくなっていたら非常に便利で、それが室内からもそのまま使えたらさらに合理的なのだ。
室内に手を加えない初期の状態
上の写真はBoo3の室内にまだ何も手を加えない状態で車中泊した時の様子だ。
特にこれで何も問題もなければ困ることもなかったのだが、こうして実際にこの中で寝ながらどんな風にしたらより使いやすくなるか色々考えた。
やはり実践しながら考えるのが一番良い。
それで思い浮かんだのが、設備と言う程の大袈裟なものではないけど水回りの設備のようなものを外にいても中にいても使える仕組みと、食材や調理器具、食器やカトラリー(食卓用のナイフ・フォーク・スプーンなど)類などを外からも中からも手の届きやすいように配置するレイアウトだ。
もちろん最小限の片付けですぐに寝られるようにもなっていなければならない。
そこで、なるべく手を加えないようにと言いつつも、まずはこんな棚を設置してみた。
付けたのはこんな棚
棚がこの位置にある理由はいくつかある。
まず、荷台の上に直に横長の棚や台を設置しなかった理由は、荷台の使い方の汎用性を保つために、3面全てのアオリが塞がれない状態にしておきたかったからだ。
しかし、前面に横幅のある棚を置いてしまうと寝ることができなくなってしまう。
そこで吊り棚のような形態にして前面に棚を設置することにした。
そしてこれが収まるべき物が棚に収まった様子だ。
棚の真ん中に鎮座している狭い室内には不釣り合いにも見える物体は、娘に「えっ、プリンター積んでるの!?」と言われたけどそうではない。
確かにそう見えなくもないがプリンターを積んでおく理由はない。
電気冷蔵庫だ。
プリンターどころか電気冷蔵庫など必要ないという意見も多いし、実は私も常時通電して使用しているわけでもない。
しかし、旅が数日間に及ぶとやはり便利であることを実感している。
また、電気冷蔵庫は氷や保冷剤を必要しないことが便利なだけでなく、機械の部分がスペースを食っているようでありながら、氷や保冷剤の分だけ庫内を広く使えるため、実は案外合理的でもあるのだ。
といった理由で冷蔵庫専用の置き場を作ってしまったのだが、ポータブルなのでもちろん必要のないときは降ろしておくことも簡単だし、他のクルマへの積み替えも簡単だ。
そして、冷蔵庫の載った棚がこの位置にある理由と利点は他にもある。
室内にいるときに使いやすいのはもちろんだが、ここなら外にいても左右両サイドどちら側からも無理なく手が届くのだ。
しかし、それだけでもない。
キャビンの背面はオプションの開く窓になっているため、キャビン内からも手を伸ばして冷蔵庫の中の飲み物などを取り出せてしまう位置でもあるのだ。
ポリタンク置き場も作った
冷蔵庫の左隣は10Lのポリタンク置き場になっている。
走行中もここに置いたままで問題ない作りにはしてあるが、普段ポリタンクは棚の下に置いておき、使うときはこの棚の上に載せて使う仕組みだ。
使用するときは蛇口の下に100均の小さな折り畳みバケツをシンク代わりに一応置くようにしている。
こうすれば間違って床を水浸しにすることもない。
外にいても中にいてもサッと無理なく使える配置で、これが一番したかったことだ。
そして、ポリタンクに水を補充する際も積み下ろしが楽で良い。
もっと水をジャバジャバ使いたい時は、開いたアオリの上に蛇口を外に向けて置くこともできる。
テーブルも自作
冷蔵庫の右側は小さなテーブルになっているのだが、このテーブルは板を置いただけで、簡単に外せるようになっている。
板のずれ止めはこれまた100均で入手したテーブルなどに挟んで留めるカップホルダーだけだが、これだけで走行中も全く問題ない。
カップホルダーがあれば狭いテーブルがその分広くなり、一石二鳥でもある。
この小さなテーブル板を簡単に外せるようにしている理由は、アオリをカウンターテーブルとして使用する際のテーブル板と兼用できるようにするためだ。
しかし、テーブル板を外せるようにした理由は他にもある。
下の写真は妻のママチャリを修理するために自転車屋さんへ運んだときの様子なのだが、こんな小さなテーブル板でも大きい物を積むときには微妙に邪魔になってしまう。
これを外せるから大きめのママチャリが荷台に収まっているのだ。
室内をあまり作り込んでしまいたくなかった理由の一つだ。
これで「軽トラなのに自転車も積めないの?」と妻から咎められずに済んだわけだ。
棚の設置方法と作業工程
話が前後するようだが、棚をどのように設置したのか簡単に説明しよう。
まず、シンプルを心掛ける以上、この棚に限らず全ての工作は車両本体にもBoo3にもビスなどを打ったりしない工法で行くことを原則(単なるマイルールでそうしなければということではない)としている。
それで、荷台の前の縁を利用することを考えた。
最初に近所のカインズ(ホームセンター)でこんな金具を見つけてきたのだが、これを荷台の縁に引っ掛けてどうにかしようという算段だ。
あれやこれやと考えて、この金具を使ってまずは下の写真のT T Tみたいなのを荷台の縁に引っ掛けた。
そして次にこのT T Tに板を打ち付け、そこにL字金具を取り付けて棚板を固定した。
金具はTの部分に重なるように取り付けている。
Tの部分と重ならない箇所の裏にはもちろん当て板をして厚くしている。
なんだか回りくどいことをしているようにも思えるかもしれないが、色々事情があってこれが最善の方法と思ってこうなったのだけど、その理由などを全部説明するのも面倒臭いし、説明したところであまり意味もないので、理由の説明は省く。
いや、むしろ企業秘密のような部分(秘密にする理由もないけど)でもある。
また、他人のしていることを参考にするのはもちろん全く悪くないが、概要やポイントを抑えておくのは良いことだけど、自分なりに工夫する方が楽しいのではないかと私は思う。
私が他人のアイディアを拝借する場合も1から10までコピーするのではなく、ポイントだけ参考にさせていただいている。
ともかく、この板が10Lのポリタンクとポータブル冷蔵庫を載せられる棚板を取り付けるためのベースとなっていて、これを車両本体にもBoo3にも全くビスを打たずに、しかも全く動いてしまわないように取り付けられていることが重要な部分、要なのである。
棚板には丈夫で反りにくい軽めの集成材(複数の小さな板を結合させた木材)を使用。
原木をそのまま使用する無垢材の方がカッコよく見えるけど、集成材や合板は丈夫で狂いにくい。
材料は見た目ばかり優先するより、適材適所の選択が重要だ。
板の縁にはポリタンクと冷蔵庫の大きさに合わせてズレ止めの角材を取り付けてあるが、これが板の補強も兼ねている。
マニアックな人の中にはホゾを組むなど木工に凝ったり、裏側になる部分のビスの頭まで見えないように拘ったりする人もいるが、商品ではないのだから私は丈夫で簡単なこと重視で、あまりそういったことは気にしない。
わりとなんでもビスをバシバシ打ってしまう。
インパクトドライバーは私にとって神器の一つだ。
とはいえ、ポリタンクの蛇口部分にノミで切り欠きを入れるくらいのことはした。
ここまでの工程で、材料は一気にそろえたわけではなく、何度か家とホームセンターを往復している。
ホームセンターを探検していると、思わぬ発見があったり色々とアイディアが湧いてきたりするからだ。
頭で考えているだけより行動している方が良いことがあるように思う。
また、私が工作する際の設計図は大抵頭の中だけかスケッチ程度だ。
仕事ではこんな方法は通用しないのだろうけど、私は商品や作品を作っているわけではない。
あくまで自分のための物を作っているだけだ。
こんな方法も素人工作の仕方の一種類ではないかと思っている。
そして、私の家は幸い渋滞など無縁の道を車で5分走るとカインズがあり、反対方向に10分走るとコメリもあって、本当に助かっている。
以前住んでいた神奈川県南東部だったら同じ距離を走るのに3倍は時間がかかってしまう。
カインズやコメリといったホームセンターにストレスなく短時間で行けるのは、ほどほどの田舎に住んでいる大きなメリットの一つだ。
棚板はL字金具で下から支えているのだけど、それだけでは揺れに弱そうなので、上の写真のようにロープで補強もしてある。
これで全く揺れることもなく、場合によっては20kgを軽く超えてしまうこともある荷物(10Lの水とポータブル冷蔵庫とその内容物とその他諸々)の重さにも耐えられる頑丈な棚板が完成した。
メッシュパネルとメッシュかご、フックも活用
軽トラは鉄が剥き出しのところが多い。
キャビン内も荷室内も100均で入手できる強力なイリジウム磁石の付いたフックをあちこちに付けられるところがあって便利なので、これを多用している。
しかし、フックだけでは物足りないこともあり、これまでキャラバンやバモスでも使ってきたメッシュパネルを室内に剥き出しになっている鳥居に取り付けた。
この取り付けもビスなどは使わず結束バンドで何箇所か固定しただけなのだが、全くもってそれで十分だ。
メッシュパネルを付けると、こんなバスケット類(メッシュかご)を付けることができる。
そして、こういったバスケット・棚・フックなどは位置決めが案外難しかったりするが、この方法なら位置も自由に変えられるため、試行錯誤ができて大変便利だ。
バスケット類や短いフックだけでなく、こんな長いフックを掛けられるのもメッシュパネルのおかげだ。
これが使えると奥行きを有効活用できて良い。
細かな改装はまだまだ続く
冷蔵庫とポリタンクの棚を設置して大変便利になり、俄然車中泊仕様車らしくもなったが、思惑通り汎用性はスポイルせずに済んでいる。
メッシュパネルもキャラバンで使っていた時以上に活躍している感じだ。
しかし、その後もまだちょこちょこ手を加えているし、「これで完成!」ということもないと思う。快適化計画は終わることがない。
また、メッシュパネルにバスケットやフックを付けることは紹介したが、ただ付けただけでは掛けたり入れたりした物が落ちてしまったり、走行中ガチャガチャとうるさかったりする。
そうならないように工夫は必要なのだが、今回はそういったところまでは説明しなかった。
その他の荷物の固定も重要だ。
次回の記事ではそういった地味だけど誰にも共通する現実的な話題でもと思っている。
乞うご期待。
ライター:笠原 サタン
キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信!
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