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ホンダDOHC VTECに対抗!“リッター100馬力”バランス重視のVVTを搭載したトヨタ車たち【推し車】

ホンダVTECに負けじとVVTでリッター100馬力に達したトヨタ

吸気側のバルブタイミングが機械的に2段切り替えという可変バルブ機構VVTを採用した20バルブ版4A-GE

1990年代にその最盛期を迎えた国産スポーツですが、中でも手頃な価格で高性能をゲットできるテンロク(1.6リッター)自然吸気エンジンのスポーツモデルが非常に盛んだった時期であり、可変バルブ機構を備えたリッター100馬力オーバーエンジンが続出しました。

その筆頭がシビックやCR-Xに積まれたB16A型などのホンダVTECでしたが、グループAレースでホンダ勢と激しく争ったトヨタも名機4A-GEへ5バルブ化とともに可変バルブ機構「VVT」を採用、160馬力でリッター100馬力時代への名乗りを上げ、後に2リッターの3S-GEもリッター100馬力オーバーを達成しました。

ホンダDOHC VTECへ対抗した5バルブ&VVT仕様の4A-GE

20バルブ版4A-GEを初採用したAE101カローラ/スプリンターシリーズの1台、カローラレビン

1989年にインテグラ、シビック、CR-Xへ相次ぎ搭載されたホンダVTECは1.6リッターで160馬力を発揮、カタログ馬力がグロス値時代の軽自動車用エンジンならともかく、ネット値になって以降の自然吸気エンジンでは、初めてリッター100馬力を達成しました。

そうなるとアンバイが悪いのはライバル他社の1.6リッターDOHC自然吸気エンジン搭載車で、ギリギリ実用性とのバランスが取れていた130〜140馬力程度の最高出力では、もはやスポーツモデルとして面目が立ちません。

それはトヨタが誇ったテンロク級スポーツエンジンの名機「4A-GE」でも同様で、低回転トルクがスカスカでピーキーな仕様ながら、ハイオク仕様で140馬力へ達したとはいえ、160馬力のB16Aに20馬力も差をつけられました。

あくまで公道限定なら低回転トルクを補うスーパーチャージャー装着、最高出力も165馬力(最終的には170馬力)へ達する4A-GZE型もありましたが、高回転までリニアに吹け上がる自然吸気エンジンのフィーリングを好むユーザーには受け入れられず、何より高価。

ならばヤマハの5バルブヘッド技術を投入し、さらに可変バルブ機構も組み込んでみせましょう!と1991年のAE101カローラ/スプリンターシリーズへ搭載されたのが、160馬力を発揮する1.6リッター直4DOHC20バルブ版の新世代4A-GEです。

可変バルブ機構としては簡素ながら、合わせ技で攻めたVVT

VVTだけではなく、5バルブ化や4連スロットル化といったヤマハチューンで160馬力に達した4A-GE

ホンダのB16Aに続きリッター100馬力に達したテンロクスポーツエンジンながら、新世代4A-GEに採用された可変バルブ機構VVTは、「走行状況に応じ、吸気側バルブの開閉時期を機械的に2段階制御する」という、割りと簡素なものでした。

VVT(Variable Valve Timing)を名乗る割に、ホンダDOHC VTECや三菱MIVECのように吸排気双方のバルブタイミング/リフト量の制御まで行わなかったものの、吸気側を3バルブとした5バルブ化や4連スロットルなどのヤマハチューンで、実用性とリッター100馬力を両立しています。

このエンジンはAE101型カローラ/スプリンターシリーズの全車、すなわちカローラ/スプリンターGT、カローラレビン/スプリンタートレノ、その4ドアHT版といえるカローラセレス/スプリンターマリノ、カローラワゴンへ順次搭載。

さらに次のAE111型では165馬力へ出力向上するとともにスプリンターカリブへも搭載されたほか、カリーナGTへも採用され、6速MTとの組み合わせはトヨタのテンロクスポーツでは標準になっています。

カタログスペックの追求よりバランスを重視したトヨタ

ホンダDOHC VTEC並の吸排気バルブタイミンウ/リフト量を電子制御するエンジンは、7代目セリカから搭載した2ZZ-GEがデビューする1999年と、かなり後の話
flickr.com Author:crash71100 CC BY-SA 2.0

ただ、その恩恵をもっとも受けるはずの2ドアスポーツクーペであるレビン/トレノは、バブル時代の影響を受けた大きく重いデートカー的なラグジュアリーカーになってしまっており、ホンダや三菱ほどリッター100馬力オーバーを活用したとは言えません。

後にVVTは電子制御化した「VVT-i」、排気側も制御する「DUAL VVT-i」へ発展、2リッタースポーツエンジンの3S-GEへ採用したモデルだと、前者はT200系セリカ/SW20型MR2の最終型で200馬力、後者はアルテッツァで210馬力を発揮。

VTECやMIVECのようにリフト量まで可変するVVTL-iを採用した、1.8リッターの2ZZ-GEも190馬力を発揮しますが、7代目セリカなどに積まれて登場したのは1999年でした。

2リッター4WDターボ(3S-GTE)でも280馬力への馬力競争に参加しなかったトヨタですが、自然吸気エンジンでもことさら尖った仕様にするより、実用性と必要十分な最高出力のバランスを重視したスペックにするのを好んでいます。

※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。

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執筆者プロフィール
兵藤 忠彦
兵藤 忠彦
1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...

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