水素エンジンカローラが火災でレース欠場へ…トヨタは「安全対策正常に機能」と前向き

水素エンジンカローラ、車両火災により出走を断念

2023年3月15日にトヨタは、トヨタのモータースポーツ部門であるTOYOTA GAZOO Racingから参戦を予定していた、2023年3月18日、19日に開催される「ENEOS スーパー耐久シリーズ 2023 Powered by Hankook 第1戦 SUZUKA S耐 5時間レース」において、水素エンジンを搭載するカローラ「#32 ORC ROOKIE GR Corolla H2 Concept」での出走を断念したことを発表しました。

トヨタは、2023年3月8日に行なっていた富士スピードウェイでの専有テスト走行において、水素エンジンカローラの車両火災が発生したことを報告。車両の復旧が間に合わないため、3月18日、19日のレースへの出場を断念したとしています。

代替車両として、ガソリンエンジンを搭載する「ORC ROOKIE GR Yaris」での走行を予定していると発表しました。

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原因は液体水素ではなく配管結合部の緩み、「フェールセーフ正常に機能した」と前向き

水素エンジンカローラの出火原因についてトヨタは、エンジンルームの気体水素配管からの水素漏れであったとし、車両の振動による配管結合部に緩みが生じ、水素が漏出。配管結合部がエンジン近辺にあり、漏れた水素が熱せられたことで引火したと報告しています。

いっぽう、延焼がキャビンにまで至らず、乗員の安全対策について確認することができたとし、これは水素リークセンサーによるフェールセーフが正常に機能し水素の供給が停止されたためと、当初設定した狙い通りであることを説明。水素漏れの原因となった配管設計を見直し、より安全な車両開発を行なうとしました。

なお、水素エンジンカローラは、従来は気体の水素を使用していましたが、2023年からは気体水素に比べエネルギー密度が約1.7倍高く、給水素の補給にかかる時間短縮やシステム設置の省スペース化につながる液体水素へスイッチしています。

しかし、今回の車両火災については気体水素から液体水素へ切り替えたことが直接の原因ではないと、液体水素を使ったレース走行の取り組みを続ける意向を明かしました。

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