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GR86のレーシングEV登場!カスタム界にも広がるEV化…どうなる未来のスポーツカー

GR86を電気自動車にしたレーシングカー『SCR1』登場

Scalar Performance SCP1

アメリカ・ネバダ州ラスベガスで現地時間2022年11月1日から開催された世界最大級の自動車用品見本市『SEMAショー 2022』で、カナダの『Scalar Performance』がレーシングカーにカスタマイズしたトヨタ GR86を展示しました。

『SCR1』と名付けられたこのGR86には、最大出力245kW(328HP)、最大トルク約47.7kgf・mを発揮するHypercraft製の800Vモーターを搭載。Hypercraft製の65kWhバッテリーパックを組み合わせ、45分のレース時間に対応します。

Scalar PerformanceはSCR1について、全米自動車スポーツ協会(NASA)に競技用車両として承認された、全電動車として初のアマチュアツーリングレースカーだとしています。

Scalar PerformanceはSCR1の初回応募を、2022年12月31日まで受け付けていて、当選した10名は5,000ドルをデポジットとして支払う必要があるとしています。車両価格は210,000ドル、日本円で約3,000万円です。

EV化したGR86…Scalar Performance SCR1の全画像を見る

「軽くて安いスポーツEV」登場に期待

ロードスター 990S

2022年11月現在はさまざまな電気自動車が販売されていて、日本メーカーであればSUVのトヨタ bZ4X、日産 アリアや、ハッチバックの日産 リーフ、ホンダ Honda eなどがありますが、スポーツカータイプのEVは各社コンセプトカーの発表までに留まっています。

海外のスポーツカーメーカーに目を向ければスポーツカータイプの電気自動車は登場しているものの、価格は数千万円クラスと、手が届きやすい価格であるとは言えません。レーシングカーではあるものの、前述のSCR1も約3,000万円と高価です。

また、電気自動車の多くは、搭載するバッテリーパックにより車重が大きくなります。マイルドハイブリッド車と電気自動車の2タイプを展開するマツダ MX-30では、車重に約190キログラムの差(2WDで比較)があり、軽自動車の産 サクラもベースとなる日産 デイズに比べ230キログラムの差(2WD・グレード「X」で比較)です。

スポーツカーにおいて車重はその車の性能を示すステータスのひとつともなっていて、マツダ ロードスターは車重が1トン以下のグレード『990S』が登場し話題となったことからも、スポーツカーにとっては軽さが重要な要素のひとつであることがわかります。

前述のSCR1では、Scalar Performanceによると車重が3,040ポンド(約1,380キログラム)とされていて、徹底した軽量化が行われるレーシングカーであっても、重量はベースのGR86に比べ120キログラム増(グレード「RC」と比較)です。

電気自動車は今後、ますます車種が増えていくことが確実で、それに伴いスポーツカータイプの電気自動車も増えていくこともまた確実。しかし、現在のところ、電気自動車はバッテリーパックによる重量増が避けられないといった状況です。

「低い速度域でも楽しめ、タイヤなど消耗品の交換による維持費も抑えられ、手が届く価格」という、現在で言うトヨタ GR86やマツダ ロードスターのような個性を持ったスポーツカータイプの電気自動車を求めている人は、少なくないでしょう。

“ライトウェイトスポーツカー”という言葉が過去の言葉となるのか、未来にも残るのか、その岐路が訪れようとしているのかもしれません。

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