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「スポーツしてないスカイライン」80年代にハイソカーとして登場した日産スカイラインセダン【推し車】

スカイラインセダンとは、プリンス店のマークII3兄弟対抗車!

販売面で見れば、なんと言われようと「これぞスカイラインのあるべき姿」と押し通すべきだったか…7代目R31のGTパサージュ ツインカム24Vターボ

1980年代にはハイソカーなるものが流行りまして、トヨタを中心に白くてツルンとして尖ったセダンやハードトップ、クーペが街にあふれた頃ですが、1981年に6代目、1985年に7代目と代を重ねていたスカイラインも例外ではありませんでした。

今では6代目のRSや7代目のGTS-Rが「スポーツしてるスカイライン」として有名ですが、販売してた当時の日産プリンス店としちゃ「トヨタのマークII3兄弟に勝てるハイソカー4ドアセダンとしてのスカイライン」でなきゃ、困ったわけです。

しかしファンは勝手なもので、MOBY編集部がAIに聞いた「30~50代のクルマ好きが気になる名車」で選ばれた6/7代目スカイラインセダンも、どうせRSやGTSのことでしょうが、今回はあえて「80年代ハイソカーとしてのスカイラインセダン」を振り返ります。

最新「スカイライン」中古車情報
本日の在庫数 1533台
平均価格 387万円
支払総額 28~7,532万円

80年代はツルンとしなきゃと一新!6代目R30(1981年)

6代目R30といえばFJ20系を積むRSの2ドアばかり話題になりがちだが、売らねばならないのは4ドアGTだった…しかしトヨタが新設計の直6DOHC「1G-GEU」をマークII3兄弟に積む頃に、旧態依然の直6SOHC「L20E」ではさすがに辛い

いかにも1970年代の日本車でございとカクカク、デコボコしてメッキ加飾もバリバリな5代目C210から一点、フラッシュサーフェス(平坦)、ウェッジシェイプ(クサビ型)の「当時のナウいデザイン」で登場し、型式もCからRへと改まった6代目スカイライン。

後期型RSの愛称「鉄仮面」で有名なように、DOHC16バルブエンジンのFJ系を積んだRSグレードの2ドアモデルが思い出に残る人も多いと思いますが、メインはあくまでL型直6を積む「GT」グレードと、Z型直4を積む「TI」グレード、それも4ドアセダンです。

誰もが忘れがちですが、スカイラインとは高級セダンだった初代はともかく、2代目からはアッパーミドルクラス・サルーンであり、プリンスの、そして日産とプリンスが合併後は日産プリンス店における主力セダンとして、グロリアと並び立つ宿命でした。

つまり「西部警察」や「首都高トライアル」でいかに2ドアRSが活躍しようとも、4ドアセダンが売れなければならず、4気筒のショートノーズもなくなってボディは統一されたので、廉価グレードのTIも立派な風格となって売れ行きを期待してもよかったのですが。

TIには丸4灯テールが与えられないなど、変に安っぽくなったのもよくなかったのか、あるいはスポーツイメージが強すぎたのか、ライバルのトヨタ マークII3兄弟には今ひとつ及ばぬ販売成績で終わりました。

走りの面では、2ドアハードトップより4ドアセダンの方が剛性で勝ってよく走るとも言われましたが…。

プリンス店のローレルでなきゃ…7代目R31(1985年)

結局スポーツ路線を歩んだ7代目R31はアクティブスポイラーなど装着のGTSを4ドアハードトップにも設定するが、スポーツ派からは物足りず、ラグジュアリー派もローレルやマークII3兄弟から振り向かせられない半端なハイソカーで終わった

1985年8月にモデルチェンジした7代目はデザインこそ4代目からのキープコンセプトでしたが、なんと発売時には4ドアセダンと4ドアハードトップのみで2ドアはなし!(翌年1月にワゴンが、同5月に2ドアクーペが追加)

つまり「2ドアのスポーツカーである以前に、4ドアサルーンという原点に立ち返った」わけで、販売チャンネル違いによりローレルを売れない日産プリンス店にとっては、主力車種が本来の姿になって喜ばしい限り。

エンジンは直6がRB系、直4がCA系と新世代になり、居住性は格段に向上、走りの面でも後輪操舵のHICAS(ハイキャス)がつき、4ドアハードトップのトップグレードは2リッター直6DOHCターボのRB20DETを積むGTパサージュツインカム24Vターボです。

流行りのハイソカー路線でもあり、4ドアハードトップでもあり、これでマークII3兄弟に対抗できるぞぉ…と思ったのもつかの間、ファンからは「2ドアがないぞ!」と総スカン、ファン以外からも「スカイラインってスポーツ車だから狭いんでしょ?」という偏見が。

(筆者の父親も当時、出張用の4ドアセダンとしてローレルを頼んだのに、レンタカー屋の都合でスカイラインを回された…とボヤいていました)

日産プリンス店としては「ローレルみたいなクルマ」が必要なはずですが、スカイラインとはこういうクルマ、という世間の波に晒され、期待のRB系直6エンジンもまだ熟成不足で眠たいエンジンと言われ、慌てて追加した2ドアクーペはレースで海外勢に勝てずじまい。

これにはさすがの日産もキレて、グループAレースで勝てば何もかも良くなるはずだとGT-R大前提の8代目R32を生み、レースで勝ちはするもののスカイラインは本来の役割を見失ったまま、さらに泥沼へとハマっていくのでありました…。

※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。

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執筆者プロフィール
兵藤 忠彦
兵藤 忠彦
1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...

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