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【ダットサン フェアレディ SPL213型】個体数500の可愛いレトロモービル
目次
ダットサン フェアレディ SPL213型に特別試乗!
今年の初夏に日産自動車がメディア向けに開催したヘリテージコレクションの取材会にて、ダットサン・フェアレディ SPL213型に特別に試乗することができました。試乗といってもメカニックの運転での同乗試乗、試乗コースは敷地内を数分走行するといったもので、悪天候のなかの一瞬の晴れ間に急いで敢行。このため、なんと大の大人4人が乗車しての試乗!
いかにも旧車なエンジン音を聞きながらの走行は格別。もはや、乗り心地いいとか悪いとか、そんな次元のお話ではない貴重な体験でした。
取材は、日産自動車・座間事業所にある「日産ヘリテージコレクション」にて。ここは一般の方も無料で見学できます。(見学の案内はこちらの公式HPをご覧ください。)
ヘリテージの元祖フェアレディ1200( SPL212/213型)はどんな車?
現在でも日産のスポーツカーとしてGT-Rとともに双璧をなすフェアレディZ。そのヘリテージモデルの名を冠した元祖となるのが、ダットサン フェアレディ1200です。フェアレディ1200の誕生は1960年1月、型式番号はSPL212型とし、同年に設立された米国日産(現:北米日産)の専売モデルであったため個体は全てが左ハンドル。ダットサンブランドとして販売されました。
SPL212型は戦後型となるダットサンセダン 210型をベースとし、ボディのアイコニックカラーは北米を意識したポップな赤と白を曲線モールで分割したツートンで、軽量ながら4シーターを持つおしゃれなコンバーチブルとしています。車名に選ばれた「フェアレディ」とは当時のアメリカ・ブロードウェイでロングラン公演記録を更新中であった「Oh my fairlady(日本名:マイ フェア レディ)」にあやかり、誰からも長く愛されてほしいとして名付けられました。
同年10月にはパワーアップ・リファインが施されたSPL213型が早くも登場。カラーには赤・白ツートンのほかにも、白・ペパーミントグリーンのツートン、赤一色などもラインナップ。北米での確実な手応えをつかみ、のちのダットサン フェアレディ 2代目SP310型、さらに初代フェアレディZ S30型へと進化していくのです。ダットサン フェアレディ 1200は、SPL212・213型両モデル合わせても個体数は500台程度となる稀少スポーツとなっています。
ポップだがれっきとしたスポーツ!フェアレディ SPL213型のスペック
ダットサン フェアレディ SPL213型は、大人4人を乗車可能とした4シーター・コンバーチブルですが、ボディサイズは全長4,025㎜・全幅は1,475mm・ホイールベースは2,220mm、車両重量は890kgの非常に軽量でコンパクトなスポーツカー。同時期に販売されアメリカではコンパクトだとされた初代シボレー・コルベットは、2シーター2人乗りでありながら全長4,249mm・全幅1,773mm・車両重量は1,309kgとなり、フェアレディがいかに小さかったかがわかります。
エンジンはブルーバード 310型に搭載されたE型を改良しE1型に。排気量1.2L 直列4気筒OHVエンジンの圧縮比を8.2に変更し、ツインキャブ化することで55PSにパワーアップ。最高速度は132km/hを達成しました。高回転型エンジンへとセッティングがなされたダットサン フェアレディ SPL213型は、見た目のポップさとは対照的に北米での日本産スポーツの礎を築いたモデルだと言えるでしょう。
フェアレディ1200( SPL212/213型)は個体数少なく価格は高め
ダットサン フェアレディ 1200は生産台数も500台と稀少で、北米専売モデルであるため国内での流通は殆どないため現時点では流通しておらず、出回った場合には高額となることは間違いないようです。また、全てのパーツの供給体制が整っているわけではないため、アフターケア・パーツ供給をどうするかまで考慮しておく必要があるでしょう。(2019年7月時点)