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燃費優先の時代だからこそ「クルマを操る楽しさ」を味わいたい!新世代FR車たち【推し車】
RVブームの1990年代、ミニバンとSUVが大手を振って主力となった2000年代を通し、国産スポーツモデルはまさに死に体となりました。
特に2002年、強化された排ガス規制で1990年代の国産スポーツ黄金期を支えたハイパワーターボ車のほとんどが一斉に廃止された影響は大きく、環境とスポーツ性を両立した高回転ハイパワーの自然吸気エンジン車も、環境優先の時代に次々と消えてゆきます。
しかし2010年代に入り、クルマを操る楽しさを思い出そうと呼びかけてスポーツモデルを再評価する機運が高まり、忘れられかけていたFRスポーツが復活していきました。
トヨタ 86 / スバル BRZ(初代・2012年)
国産FRスポーツの再始動
日本で新型が出なくなり、マツダ ロードスター(4代目NC)くらいとなっていた2L級FRスポーツを復活させたもので、衝突安全性能や予防安全性能が不可欠な時代において、排気量やボディサイズの拡大による現実的解釈で名車AE86の復活を狙ったモデル。
スバルとの提携でFFから4WDへの転換が容易だった水平対向エンジン縦置きレイアウトをFR化、ターボによるパワーの追求より、自然吸気エンジンを搭載する安価でコントローラブルなスポーツカーを目指し、トヨタの直噴エンジンで必要最低限のパワーと環境を両立。
トヨタ版「86」とスバル版「BRZ」を作り、もっとも安い86の競技ベース車はギリギリ200万円を切る199万円、上級グレードも頑張れば買える300万台前半の超特価!
両車によるワンメイクレースも開催し、14R-60やGRMNなど限定の高性能メーカーチューンドも発売、国産FRスポーツは新たな歴史を刻み始めました。
- 最新「86」中古車情報
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本日の在庫数 1244台 平均価格 209万円 支払総額 85~866万円
マツダ ロードスター(4代目ND・2015年)
古くて新しい元祖ライトウェイト・オープンスポーツの原点回帰
1989年の初代NAロードスターは、忘れかけていたライトウェイト・オープンスポーツに再び日を当て、世界中から同種のモデルが生まれるほどの影響を与えましたが、そのほとんどは一過性のブーム。
しかし、深刻な経営危機にあっても、ミニバンやSUVが主力となってロータリースポーツが終わっても、ロードスターだけはしぶとく改良を続けたマツダは、日本で唯一、ひたすら2シーターFRオープンスポーツを作り続けるメーカーとなっていました。
そんなロードスターも3代目NCでは2L車になっていましたが、SKYACTIVテクノロジーを全面投入した4代目NDでは小型で軽快な1.5L級オープンスポーツへと原点回帰、電動ハードトップの2L車ロードスターRFも加え、新世代スポーツ時代にも存在感を示します。
GR86/2代目BRZの2.4L化で、ソフトトップ版にも海外仕様の2L車が追加されるという噂もあり、まだまだ目が離せません。
- 最新「ロードスター」中古車情報
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本日の在庫数 1176台 平均価格 211万円 支払総額 40~543万円
トヨタ GRスープラ(5代目スープラ・2019年)
BMWのパーツを使ってもトヨタの魂を持つ、トヨタ最強のFRスポーツ
2011年にトヨタとBMWが提携した時から、両社の関係者が否定しても消えない「BMWの直6を積んでスープラ復活」の噂へ応えるかのように、開発がスタート。
よく誤解されるように、BMW Z4へトヨタ式のガワをかぶせただけの姉妹車や共同開発車ではなく、BMWのプラットフォームやパワートレーンなどを使ってトヨタが独自に開発したFRスポーツです。
エコカーを多数ラインナップし、CAFE(企業別平均燃費基準)に余裕のあるトヨタゆえに性能や装備面でも余裕があり、予想されていたハイブリッド車を設定することもなく、BMW製2L直4ターボと3L直6ターボだけで勝負。
MT車やレース向けのGT4を追加するなど進化し続けていますが、オーストリアのマグナ・シュタイアで生産して世界へ配分し、日本本国でも輸入割当台数が少ないため見かける機会が少なく、かつての70/80スープラのように身近な存在ではないのが惜しまれます。
- 最新「スープラ」中古車情報
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本日の在庫数 195台 平均価格 644万円 支払総額 110~1,457万円
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- 執筆者プロフィール
- 兵藤 忠彦
- 1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...