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「あのEK9を脅かした唯一の他社テンロクスポーツ」…なのになんとなくマイナー?三菱 ミラージュ【推し車】

4代目/5代目ミラージュって速いのになんとなくマイナー?

4代目ミラージュへ1993年に追加された初代ミラージュアスティなんて、もう珍車のレア車という感じでして…

国産テンロクスポーツ最強…といえば文句なしに名前が上がるのはEK9型の初代シビックタイプR、次いでベースになったEK4型のシビックSiRやその先代、EG6型あたりと、レースで争ったトヨタの歴代カローラレビン/スプリンタートレノがメジャーどころ。

しかしモータースポーツのファンなら忘れてはならないのが、グループAレース終了後はアジムカーナやダートトライアルなどでシビック最大の好敵手だった、三菱 ミラージュのサイボーグ系スポーツグレードや、競技ベースグレードのRSです。

MOBY編集部がAIに聞いた、「30~50台のクルマ好きが気になる名車」にノミネートされたのも当然で、シビックタイプR登場以前はテンロクNA最強エンジンを積むなど魅力満点ですが、どうも一般的には知名度が低くマイナーな気がします。

175馬力のDOHC MIVECが唸る!4代目CA系ミラージュ

デビュー時のCJ4Aミラージュサイボーグ…「DOHC16VALVE」とは言うもののMIVECなしで145馬力では、1991年に通用するものではなかったが、4WDのCC4A型はラリーでテンロクNAの4WDスポーツなんて他になかったので、長らく活躍した

1991年登場の4代目ミラージュといえば、姉妹車のランサーともども4ドアセダンに世界最小(1.6リッター)のV6エンジンを積んだクルマ…としては割と有名です。

ただ、ランサーより若々しくスタイリッシュ、先代より引き締まったデザインに3ドアハッチバック車の設定もあって若者向けという割に、ホットモデルの「CA4A」サイボーグ系が積む1.6リッターDOHCエンジン4G92は145馬力と、インパクト不足。

その頃にはホンダがDOHC VTECのB16Aで170馬力、トヨタも5バルブDOHCにVVTの4A-GEで160馬力に達しており、リッター100馬力いかないテンロクスポーツでは寂しかったものです。

1992年には4G92もDOHC VTEC同様に吸排気バルタイミング&リフト量を可変させる「MIVEC」を採用、ホンダB16Aすら上回る175馬力を発揮する最強エンジンでしたが、デビューと同時発売でなかったためか、一般には影が薄かった気がします。

2ドアクーペ版のミラージュアスティ(1993年追加)ともども、シビックよりお手頃な同クラスコンパクトカーとしてソコソコ人気ではあったものの、何となく「その他大勢」感は拭えず。

しかし、ジムカーナやダートトライアルなどのタイムアタック系競技ではシビックに次ぐ勢力を確保していき、ややマイナーですが1.6リッターDOHCエンジン(非MIVEC)の4WDグレード「CC4A」は、全日本ラリー4WD部門の1.6リッタークラスで活躍しています。

EK9を脅かす唯一の他社テンロクスポーツ!5代目CJ系ミラージュ

MIVEC版4G92積んで全開で走ればカッコイイですし、止まっててもなんかかわいいCJミラージュですが、シビックに比べるとマイナーであり、パルサーと違って5ドアもないなら知名度も低さも致し方なし?レトロ版のモダークなんてのもあった

1995年にモデルチェンジした5代目CJ系ミラージュは、元からお手頃なクルマだった事もあってか、カローラやシビックのようにコストダウンが目立つでもなく、ボディサイズもコンパクトなまま収まっていたので、相対的に車格が増した感じ。

ただ、同クラスでも日産 パルサー(5代目N15)が少々大きすぎた代わり、5ドアハッチバックを設定できたのでRV仕様の「S-RV」を追加してウケたのに対し、3ドアハッチバックしかないミラージュは、シビックともども一般向けコンパクトとしては没落します。

ただしスポーツグレードの「CJ4A」サイボーグ系だけは別で、特に競技ベース車のミラージュRS/ミラージュアスティRSは、軽量化やブレーキ強化がなされつつシビックより格段に安いテンロクホットハッチとして存在感がありました。

タイムアタック系の競技では引き続き活躍、1997年に初代シビックタイプR(EK9)が追加されて以降も、小型軽量ハイパワーを活かして互角の勝負に持ち込む場面が多かったものです。

ただ、CJ4Aでもマイナーだったのはフロントがストラット、リアがマルチリンクの足回りが4輪ダブルウィッシュボーンのシビックより戦闘力で劣った事と、MIVECの信頼性不足(※)という点で及ばなかったからでしょう。

(※「半ベック」と呼ばれる、経年劣化や整備不良でカムが切り替わらない持病があった)

それでもパルサー系のVZ-Rや、トヨタのレビン/トレノに比べればずっと台数が多かったのですが、シビックやCR-Xがあまりにも偉大すぎて一般での知名度は低く、中古車のタマ数は少なく、見かける機会も激減したのは寂しいものです。

CA4AにせよCJ4Aにせよ、全開で走っている姿さえ見れば「カッコイイ!」と思えるのですが…。

※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。

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執筆者プロフィール
兵藤 忠彦
兵藤 忠彦
1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...

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