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【ユーノス コスモ】加速は最高で燃費は最低!20Bエンジン搭載の中古車価格も
目次
ユーノス コスモは3つの「初」を携え登場!
ユーノス コスモは、マツダが1967年に製造・販売を開始した2ドアスポーツクーペ マツダ コスモスポーツの4代目モデルのことを指し、1990年4月に登場しました。
ユーノス コスモは登場した当時、以下3つの「初」を達成しています。
・3ローターのロータリーエンジンを量産車において「初」搭載
・CCSと呼ばれる三菱電機と共同開発したGPSカーナビを世界「初」採用
・低速域と中高速域で2つのターボチャージャーを使い分ける「シーケンシャルツインターボ」構成を日本車において「初」採用
CCSについては、後述する20Bエンジン搭載車限定の採用となりますが、ユーノス コスモの代名詞とも言えるのがその20B エンジンこと「20B-REW型」エンジンです。
ここからは、20Bエンジンについてたっぷり紹介していこうと思います。
なぜ4代目から「ユーノス」という名に?
ユーノスとは、マツダが1989年から1996年まで展開していた自動車ブランドのことです。
ユーノス コスモは1990年の車なので、新たなマツダの挑戦の渦中にいたということになります。
コスモはユーノスのフラグシップ車でしたが、現在のマツダ ロードスターであるユーノス ロードスターも有名です。
ユーノス ロードスターとマツダ ロードスターについては以下の記事を参考にして下さい。
ユーノス コスモの20Bエンジンは超高加速・超高燃費!
ユーノス コスモのエンジンには2ローターの13B-REW型と、先程紹介した3ローターの20B-REW型の2種が設定されました。
2種を区別する一番の方法は、マフラーが何本かどうかを見ることです。
13Bエンジンは2本出しマフラーですが、20Bエンジンはインパクトの強い4本出しマフラーとなっています。
20Bエンジンについてですが、唯一搭載されたのがユーノス コスモなのです。
20Bエンジンは、ランボルギーニやフェラーリなどの高級スポーツカーに搭載されることの多いV型12気筒エンジンに匹敵する滑らかさを持ち、パワーも超高出力です。
製造前は333馬力の設計でしたが、当時の運輸省は280馬力の枠内に自主規制するよう行政指導していたため、デチューンした上での販売となりました。
以下に20Bエンジン搭載のユーノス コスモのパワートレーンを表にまとめます。
エンジン種類 | 直列3ローターツインターボ |
---|---|
排気量 | 2.0L |
最高出力 | 206[280]/6500 |
最大トルク | 402.[41.0]/3000 |
トランスミッション | 4速AT |
駆動方式 | FR |
使用燃料 | ハイオク |
[単位]最高出力:kW[PS]/rpm 最大トルク:N・m[kgf・m]/rpm |
ユーノス コスモの燃費
ここまで20Bエンジンのパワーばかり取り上げましたが、それ以上に目立ったのが超高出力の代償となる超高燃費です。
早速、ユーノス コスモの燃費について以下の表を見てみましょう。
※実燃費は編集部調べ
13Bエンジン | 20Bエンジン | |
---|---|---|
カタログ燃費 | 6.9 | 6.1 |
実燃費 | – | 1~4 |
[単位]km/L |
カタログ燃費でリッター6km台というのは今ではあり得ない数値です。
実燃費ではアクセルを踏み込んで走ると1km/L台となってしまいます。
20Bエンジンのロータリーサウンド
スポーツカーでは異例!ユーノス コスモにMT車はない?
当時のスポーツカーと言えば、トランスミッションはMTであることが一般的だと思いますが、ユーノス コスモにはMT車がありません。
これには切実な理由があり、当時3ローターエンジンに耐えられるクラッチシステムがなかったのです。
2代目であるコスモAPには、2ローターエンジンの低回転時に生じる車両の振動(カーバッキング)を抑えるため、流体継手というクラッチシステムを使用していましたが、3ローターエンジンの振動には効き目がなかったということでしょう。
多くのコスモユーザーはMTでの運転を望んでいたようですが、中にはマツダ RX-7のFDもしくはFCのMTをコスモに載せ替え、MT仕様に改造する人もいました。
ユーノス コスモのスペック
今のマツダからは想像もできないカチッとしたボディデザインのユーノス ロードスターですが、ボディスペックをチェックしてみましょう。
フロントの迫力は全長の長さに表れています。
全長 | 全幅 | 全高 |
---|---|---|
4,815 | 1,795 | 1,305 |
ホイールベース | 車両重量 | 乗車定員 |
2,750 | 1,490-1,640 | 4 |
[単位]全長・全幅・全高・ホイールベース:mm 車両重量:kg 乗車定員:人 |
ユーノス コスモの中古車価格の相場は?
ユーノス コスモは1996年に販売を終了していますので、今年で21年落ちということになります。
それにも関わらず、現在のコスモの中古車相場は100万を超えています。
この平均値を高くしているのが、やはり20B エンジン搭載モデルで、130~200万円の価格帯となっています。
一方、13Bエンジンは60~130万円の価格帯となっています。
- 最新「ユーノスコスモ」中古車情報
-
本日の在庫数 10台 平均価格 314万円 支払総額 199~465万円
ユーノス コスモのカスタム例を紹介
ユーノス コスモの改造車例はなかなか実際に確認することができませんが、カスタム例としてはエンジンやエアロ系カスタムはもちろん、車高を下げるダウンサスやタイヤのインチアップ・ダウン(14~20インチ)が主流だったようです。
先程紹介した、市販ではAT車のみであったものに、MTを載せ替えるカスタムもありました。
中古車市場を見ると、元オーナーのカスタム済みのコスモを見ることもありますので、気になる方は中古車情報の方もチェックしてみて下さい。
ダウンサス、インチアップとは
ユーノス コスモの内装の評価は?
ユーノス コスモは、スポーツクーペとして内装にもかなり拘っていたそうです。
インパネが見やすいステアリングのデザインや、ウッド調のインパネなど、造形や使いやすさが当時は高いレベルで評価されました。
では、実際にユーノス コスモに試乗した人の内装の評価はどうでしょうか?
僕はもともと高級クーペとして生まれたから、内装にもイタリアから持ってきたウッドパネルを使ったりしてたんだよ。— マツダ ユーノスコスモ (@EUNOSCOSMO_bot) 2017年9月21日
内装の手入れは素材が故に困難なようです。
革製の部品を交換するとなると、燃料の維持費に加えて費用がかなり掛かりそうです。
夢のパワーを載せたユーノスのフラグシップ ユーノス コスモ
ここまで、かつてのマツダブランドの一種、ユーノスのフラグシップ コスモについて、高出力の20Bエンジンをメインに、燃費やスペック、中古車・カスタム情報などを紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
現在でも通用するレベルのエンジン性能を20年以上前に実現したユーノス コスモは、「クーペ・ダイナミズム」というキャッチコピーで紹介されました。
当時はバブル景気であったため、実用性とは程遠くも夢のようなパワーを実現することができたのです。
高価格に高燃費のコスモは、現在からするととても市場性は感じられませんが、その思い切った豪華さは、現在の感覚から見ても色褪せていません。
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- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...