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車を「シャコタン」にするとカッコいい?そのメリットや方法を解説

シャコタンとは?

©Dmitry Dven/stock.adobe.com

「シャコタン」とは自動車のカスタム手法のひとつで、最低地上高を低くする改造を施したことを指します。

漢字では「車高短」と書き、「低い」「下げる」といった漢字ではなく「短い」が使われているのは、諸説あるものの「部品を短く加工することで最低地上高を下げる」ことから来ていると言われています。

「ローダウン」とは違う?

同じ意味を持つ言葉に「ローダウン」がありますが、「シャコタン」と「ローダウン」では車高がどれくらい下がっているのかで呼び方が区別されることが多いです。

「ローダウン」は節度がある車高の低さなのに対して、「シャコタン」は節度がないことがほとんど。しかし、ローダウンでは満足できず、シャコタンにしたい!という人は多くいます。

シャコタンはデメリットが多く存在するものの、そのデメリットを補って余りある魅力があると信じている人も多いようですね。

シャコタンのはじまりはいつ?

©Паша Проценко/stock.adobe.com

1970年代に暴走族の間でこのシャコタンによるカスタムが流行し、その後1980年代には暴走族ではない若者にも広まります。

車高を低くするにはサスペンションに使われるスプリングを交換するなどの方法がありますが、当時、スプリングは「重要保安部品」に指定されていたため、交換には陸運支局などの届け出と認可、いわゆる「公認」を得ることが必要でした。

公認を得ないまま公道を走行することは違法行為でしたが、公認を得るのはハードルが高いため、違法であることを知りながらスプリングを交換し公道を走行する人は多かったのです。

しかし、その後1995年に規制緩和が実施されます。これにより、自己責任においてスプリング等の交換が可能になりました。

とは言え、「シャコタン」にあたる車のほとんどは車検不適合となるような最低地上高となっていることが多いため、こんにちにおいても「シャコタン=違法」というイメージを抱く方は少なくありません。

車をシャコタンにするとどうなる?

前述の通り、シャコタンは車の最低地上高を下げた改造です。

車高が低くなるという見た目の変化だけでなく、走行性能などにも大きな影響があります。

見た目以外では基本的にデメリットばかりなのですが、できるだけメリットとデメリットが公平になるよう紹介しましょう。

シャコタンのメリット

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見た目がカッコよくなる?

車は低いほうがカッコいいと思っている方にとって、全高を低く構えたシャコタンの車は非常にカッコよく見えるものです。

車高が下がったことで、タイヤとフェンダーの隙間がなくなるだけでなく、ホイールが前から見たときにハの字に傾くなどの変化もあるため、純正とは違うスタイルを得ることができます。

ホイールやエアロパーツなども一緒に変更すれば、そのシャコタンぶりをより強調できるでしょう。

走行性能が向上する?

基本的には、車は車高を低くしたほうが走行性能が有利になります。

実際にレーシングカーなどは市販車よりも車高が低く抑えられていて、スポーツカーも車高が低くなっていることがほとんどです。

重心を低くし安定性を向上させることが可能なほか、空気抵抗を抑えられるといったメリットがあります。

ただし、車高を低くするのにあわせたチューニングをおこなわなければ、それらのメリットを活かすことはできません。

低い速度でも体感速度がアップ?

シャコタンの車は道路と目線が近くなるため、同じ速度でも車高が高い車に比べて体感速度を速く感じられます。

また、スプリングが硬くなる傾向にあることから、ちょっとした段差などでも車体がぴょんぴょんと跳ね、まるですごいスピードで走っているようなスリリングな体験が可能です。

シャコタンにするとスピードを抑えた運転ができるようになるという見方ができるかもしれません。

シャコタンのデメリット

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走行性能が劣化する

前述の通り、車は低くしたほうが走行性能は向上します。しかし、それは適正な範囲内での話。

度を過ぎたシャコタンは、車高を下げすぎたことによりサスペンションが正しく動作しません。

タイヤのグリップ力が失われスリップしやすくなったり、地面の凹凸を吸収できず車体が上下に暴れてしまったり、さまざま部品が本来の性能を発揮できなくなってしまいます。

部品ひとつひとつがしっかりと機能するようにチューニングをおこない、適正な車高に設定しなければ走行性能向上は望めません。

ただ、シャコタンが好きな方は、走行性能よりも見た目を優先したいという方が多いようです。

乗り心地が悪くなる

スプリングが硬くなる傾向にあることから、乗り心地も固くなりやすいのがシャコタンです。

道路の凹凸を踏んだとき、通常の車であれば気づかないこともありますが、シャコタンの場合はゴトン!と大きな音と衝撃が来ることがあります。

また、道路のワダチなどにハンドルを取られやすくなり、まっすぐな道でもフラフラとしてしまうことも。

上下左右に忙しい、落ち着かない乗り心地となります。

ただ、シャコタン好きの中には「それがいい!」と思う方もいるようです。世界は広いですね。

車体へのダメージが大きくなる

最低地上高が低くなることで、道路に車体下部をこすってしまうケースが増えます。

傷が入るだけで済めばマシなほうで、部品に穴が空いてしまったり脱落してしまったりといったトラブルに見舞われるリスクが高いです。

また、サスペンションには車体への衝撃を抑える役割も担っています。シャコタンの場合はこの衝撃が蓄積しやすくなるため、車の寿命を短くしてしまうのです。

ただ、車を犠牲にしてでも、道路から火花を散らしながら走る姿に憧れを持つシャコタン好きの方はいるようです。危険なのでやめましょう。

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駐車場などが使えなくなる

車高が下がったことで、段差を乗り越えることができずスタックしてしまう可能性も高くなります。

入り口の段差の高さによっては駐車場などへ入る際にスロープが必要になる場合がありますが、わざわざシャコタンの車のためにスロープを用意している駐車場などはほとんどありません。

段差に対して斜めに入るなどの工夫が必要ですが、混み合っている道で車を左右に振っていると周囲の迷惑になってしまうことも。

ただ、シャコタン好きの間では、車体を左右に振って段差を乗り越えることが一種のステータスとなっているようです。

「入店お断り」をされる

新車にもオプションパーツで車高を下げる部品が用意されていることもありますが、それは合法の範囲内で低くできるもの。

ディーラーでは違法な車を扱ってしまうと営業停止処分を受けてしまう場合があるため、明らかな違法改造車はもちろん「ちょっと怪しい」レベルでも入店を断られることがあります。

見るからに車高が法令違反となるようなシャコタンの車でディーラーに行った場合、門前払いを食らってしまっても仕方がありません。

ただ、シャコタン好きの方にはディーラーではなく自分でカスタムする方が多いため、特に問題にならないと考えられているようです。

車をシャコタンにするための方法

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ここまで暗に「シャコタンにしても見た目だけでいいことはない」とお伝えしてきたのですが、それでも「シャコタンにしたい!」という方はいるでしょう。

その気持ちは分かります。「タイヤとフェンダーの隙間に拳が入る」ということがなぜかものすごくカッコ悪く思えてしまったり、シートに座ったままドアを開けたときに地面に手がつくのがなぜかカッコいいと思えてしまったり、車には自己満足を求めてしまうものです。

車高を下げるために必要なことや、車高を下げるときにやってはいけないことをご紹介します。

「ダウンサス」を使う

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「ダウンサス」は車高を下げるために作られたスプリングです。

通常のスプリングよりも短くなるため、その分車高が下がります。

純正のサスペンションに装着されているスプリングと交換することで使用可能です。

車種ごとに専用のダウンサスが用意されていることが多く、またどれくらい車高が低くできるのかも目安が示されているため、「◯cmだけ車高を落としたい」という方に人気のカスタムとなっています。

安く車高を下げられる

ダウンサスはスプリング単体なため、後述の「車高調」と比べると部品代は安価です。

ただし、取り付けにはサスペンションの分解が必要で、工賃はそれなりに高め。また、車高が変わった際は「アライメント」の調整も重要です。

乗り心地や走行性能は悪くなる

スプリングが短くなるため、乗り心地は固くなります。

「足は固いほうが走行性能が上がる」というイメージを持っている方もいますが、実際にスポーツカーなどは足回りが固めに設定されているものの、ダウンサスの導入だけでは走行性能向上はあまり期待できません。

走行性能を重視するのなら、スプリングの動きを制御する「ダンパー」にも手を入れることを検討しましょう。

「車高調(車高調整式サスペンション)」を使う

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「車高調」は「車高調整式サスペンション」の略で、「しゃこうちょう」ではなく「しゃこちょう」と読みます。

文字通り、車高を調整する機能がついたサスペンションで、車高を下げるだけで調整が利かないダウンサスとは違い、細かい調整が可能です。

スプリングを伸縮させて車高を調整する「ネジ式」と、スプリングの状態はそのままに車高を調整できる「全長式」の2種類があり、全長式のほうが乗り心地や走行性能に優れています。

性能を確保しながら車高を調整できる

スプリングと、スプリングの動きを制御するダンパーがセットになっているため、ダウンサスよりも走行性能の向上が期待できるパーツとなります。

ダウンサスよりも低くすることや、逆に車高を高くすることも可能なので、自由度は高いです。

また、一度取り付けてしまえば部品を交換しなくても車高を調整できるようになるというメリットもあります。

ダウンサスよりも費用がかかる

スプリングのみのダウンサスと違い、ダンパーがセットとなるため部品代はダウンサスよりも高額です。また、純正のサスペンションと比較すると寿命が短いため、2万キロごとに1回などのペースでオーバーホールが推奨されているなど、維持費もかかります。

「バネカット」や「ノーサス」にするのはNG

お金をかけずに車高を下げる方法としては、純正サスペンションのスプリングを短くカットする「バネカット」や、そもそもスプリングを外してしまう「ノーサス」というカスタム方法があります。

しかし、これらは違法な改造。法令で定められた最低地上高を確保していたとしても、これらがおこなわれていれば違法となるため、しないようにしましょう。

もしこれでシャコタンにした場合、車体は低くなるかもしれませんが、車が壊れるリスクは跳ね上がり、乗り心地も著しく悪化、走行性能も大きく低下するなどを、良いことはありません。車高はものすごく下がりますけどね。

ちなみに軽トラやハイエースなどのリーフ・スプリング式(通称:板バネ)を採用している車種の場合、リーフ・スプリングは社外品への交換は原則NG。通常と逆向きに組むと車高を落とすことができますが、これも車高に関わらず、車検不適合となります。

シャコタンにすると捕まる?

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前述の「バネカット」や「ノーサス」といった違法な改造はもちろんですが、ダウンサスや車高調でも場合によっては車検不適合となる違法な改造となります。

昔よりも緩和されたとは言え、安全性などの問題から一定以上の最低地上高は確保する必要がありますので、注意しましょう。

最低地上高9cm以下は車検不適合

車検のときには、目視または器具を使用して最低地上高が測定されます。そこで9cm以下となる場合は車検不適合です。

そのため、ダウンサスや車高調を使って正しく車高を落としたとしても、最低地上高は9cm以上を確保する必要があります。

ただし、ブレーキやサスペンションアームなど、タイヤと連動して上下する部品は測定の対象からは除外されるため、9cmを下回っても問題ありません。その他、バンパーなど樹脂製のエアロパーツも地上高5cm以上を確保していれば大丈夫です。

全高が4cm以上変わったら届け出が必要

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車検証には車の全高が記載されていて、車検時にはこの全高を基準に検査官が確認をおこないます。

元の全高から4cm以上変更されている場合は、構造変更の申請が必要です。申請後、審査を受けて問題がなければ車検を受けることができます。

車検を受けたあとに構造変更申請が必要になる改造をおこなった場合、申請をおこなわないまま公道を走行すると違反となってしまいます。改造後は構造変更申請をおこない、あらためて車検を受けなければなりません。

構造変更の申請は全高以外にも、全長、全幅、車両重量など、車検証に記載されている情報を変更する必要がある場合に必要となります。

安心・快適・合法にシャコタンを楽しもう

どうしてもデメリットのほうが目につくシャコタン。適切であれば走行性能が向上するというメリットもありますが、日常の走行ではなかなかそのメリットを活かすことは難しいですよね。

「わざわざお金を払って乗り心地を悪くしたの?」と思われてしまうかもしれません。

しかし、車はただ移動するだけの道具ではありません。どうせ乗るなら、自分にとって最高の一台に乗りたいものです。

安全かつ合法の範囲内でシャコタンを楽しんでみるのも、車の楽しみ方のひとつ。低く、カッコよくなった愛車を眺めながら一息つく瞬間は、最高の癒やしになるかもしれません。

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執筆者プロフィール
MOBY編集部 高山 志郎
MOBY編集部 高山 志郎
平成元年生まれのサウナー。90年代から00年代はじめの国産車が好きで、バブルの残り香がする車に目がない。運転はもちろん、メンテナンス、チューニング、カスタムなど車と関わることならなんでも好き。モーター...
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