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「日本車なんて安くてよく走る大衆車」から「これ…スゴい」初代レクサスLS400(初代セルシオ)【推し車】

LSこそ世界の最先端という時代が、確かにあった

このカタチだと、日本ではトヨタマークで「セルシオ」の方が馴染み深く違和感がないかもしれない、初代レクサスLS400

現在もトヨタの高級車ブランド「レクサス」のフラッグシップとして君臨する最高級セダン、LS。

日本ではトヨタブランドの「セルシオ」として販売された初代モデルは、古い権威主義的なデザインの高級車を嫌う新世代富裕層をターゲットに開発、当時としてはずば抜けた静粛性や品質の高さという「性能」で大ヒット、世界中の高級車づくりに影響を与えました。

それから30年以上たって高級車ミニバンや高級SUVがもてはやされる中、LSのような高級セダン自体がやたらと高価なだけの古めかしい権威主義的な高級車となっているのは皮肉なものです。

最新「LS」中古車情報
本日の在庫数 1127台
平均価格 351万円
本体価格 40~1,545万円

トヨタと一線を画す新ブランドのフラッグシップを開発せよ

今見るとあまりオーラを感じない「普通の古いセダン」だが、それだけ国産車が進歩したとも言える

1970年代のオイルショックと厳しい排ガス規制を契機に、飛び抜けた経済性と環境性能によって北米で急成長を遂げた日本車ですが、「安くてよく走る大衆車」というブランドイメージが根本的に変わらない限り、安い車しか売れないという問題がありました。

トヨタでもクレシーダ(マークIIの海外版)より高級なクルマが欲しいユーザーは、結局メルセデス・ベンツやBMWに流れてしまう悩みがあり、1984年にフラッグシップのFを表す「マルFプロジェクト」を開始、まずは徹底したマーケティングを行います。

当初は単にトヨタのフラッグシップモデルを開発する計画だったようですが、いつしか最高級ブランド「レクサス」の設立と、そのための高度な販売戦略、「トヨタ」ではなく新ブランド「レクサス」に見合ったフラッグシップ開発へと発展。

主に自力で富を築き、現実的な価値観、すなわち古臭いブランドへしがみつく事なく、高いレベルでのコストパフォーマンスを実現するなら新しいブランドへも飛びつく、「ヤッピー」と呼ばれていた新時代の富裕層をターゲットとしました。

完全への飽くなき追求

発売当時、クラウンやセド/グロはもとより、シーマすら相手にしない「本物の高級セダン」だった

開発に当たっては、矛盾した要素であろうと妥協せず両立に挑む「Yetの思想」と、問題の根本までさかのぼって解決する「源流対策」を徹底。

たとえば静粛性と動力性能を両立でも、極めて精度が高い4リッターV8エンジン1UZ-FEの開発にとどまらず、制振鋼板や高精度なプロペラシャフトで振動と騒音を局限し、窓ガラスやドアハンドルとボディの隙間をなくしてトップレベルの空力性能を実現します。

性能だけでなく内外装も徹底した高品質化、それも欧米のライバル車より安価で実現するために生産技術も徹底して見直し、6年もの開発期間をかけて約50台のクレイモデル、約450台もの試作車、そして350万km以上の走行テストを経て、ついに1989年、初代LSを発表。

募集に応じた中から厳選された販売店による、群を抜くホスピタリティ(おもてなしの心)を徹底するための「レクサス憲章」も制定し、アメリカでのキャッチコピーとして「完全への飽くなき追求」を掲げました。

当初LS400とES250(カムリプロミネントのレクサス版)でスタートしたレクサスは、特にLSの「メルセデス・ベンツやBMWの同クラス車に高性能で、品質で劣らず、それでいて安い」というポイントを見事に抑え、目論見通りの大ヒットとなります。

厳格な階級社会でブランドが絶対的価値を持ち、アメリカ式のレクサス販売網も構築できないヨーロッパでは苦戦したものの、主要市場の北米で成功した事により、トヨタは高級車ビジネスへの自信を深めていきました。

日本でセルシオを待てないユーザーは逆輸入のLSを買った

特殊なセンチュリーを除けば高額な最高級セダンだったのに、バブル時代の勢いで普通に日本中をバンバン走っていたものです

初代LSは日本でも話題となり、トヨタ店とトヨペット店で「トヨタ セルシオ」として販売が決まりましたが、危機感を感じたクラウンの開発陣が、セルシオ用1UZ-FEエンジンを先にクラウンへ積んでしまう一幕もありました(4000ロイヤルサルーンG)。

当時、バブル時代で未曾有の好景気真っ只中の日本では、3リッターV6ターボの豪快なパワーで加速する日産 シーマ(初代)が高級パーソナルカーとして大人気になる「シーマ現象」で高級セダン需要が旺盛で、LS改めセルシオが1989年10月の発売と同時に大ヒット。

シーマを瞬く間に蹴散らし、当時の国産セダンとしては高額なのに、1年以上のバックオーダーを抱える人気モデルとなりました(455万円からなので今ならシビックタイプRも買えませんが、そこは物価の違いです)。

待ちきれないけど金はやたらとあるユーザーの中には、アメリカからレクサスLS400を逆輸入して「いち早く乗れるうえに、本場物のレクサス車」に満足しますが、トヨタディーラーで整備を依頼しても国内仕様と異なるので断られてしまうオチがついたほど。

後に2代目へモデルチェンジした頃にはバブルが崩壊しており、あからさまなコストダウンで人気を落とした事はあったものの、RVブームに押された国産セダンが軒並み不振にあえぐ中、「数少ない本物の高級セダン」として、長らく不動の人気を誇りました。

今では日本でもレクサス車として売っており、ブランド力ではメルセデス・ベンツやBMWにやっぱり及ばず、コストパフォーマンスやリセールバリューに優れるアルファードにも押され気味ですが、「あの頃は良かった」で終わらぬよう、再び奮起してほしいものです。

※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。

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執筆者プロフィール
兵藤 忠彦
兵藤 忠彦
1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...

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