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商売敵から認め合う仲間に?国産車メーカー同士がタッグを組んだ共同開発車たち【推し車】
相手が親会社であれ提携先であれ、同じジャンルの車を発売して市場で評価を問うならライバル関係にあるわけですが、中には「工場が稼働する限り、どちらが売れてもよい」というパターンもあり、自社が開発した車を他社へも供給するOEM車は典型的な例です。
それと似て異なるのが「共同開発車」で、生産工場がどちらかのメーカーへ一本化されているのはOEMと同じですが、開発は共同で行い、型式も別になります。
今回は、国産車メーカー同士でそのような共同開発が行われた例を、3つ紹介しましょう。
トヨタ 86 / スバル BRZ(初代)
スバルしか作れないFRスポーツクーペへ、トヨタの技術を投入
フロントへ縦置きした水平対向エンジンの後ろへ、ミッションとデフを配置するFFというスバル特有のレイアウトは、プロペラシャフトとリヤデフを追加して4WDへ発展しますが、フロントのドライブシャフトを省けばFR化も容易でした。
自動車雑誌の企画で、初代インプレッサをベースにFRスポーツセダン化も試みられていましたが、その頃に提携したトヨタが主導する形で、そのままではパワー不足なスバルの自然吸気エンジンにトヨタの直噴技術を加え、FRスポーツクーペの86/BRZが生まれます。
2代目では製品化段階で違う道を歩みましたが、初代86/BRZはトヨタとスバルが手を取り合って作り上げた、正真正銘の合作だったのです。
- 最新「86」中古車情報
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本日の在庫数 1244台 平均価格 209万円 支払総額 85~866万円
- 最新「BRZ」中古車情報
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本日の在庫数 695台 平均価格 247万円 支払総額 83~496万円
トヨタ パッソ / ダイハツ ブーン(いずれも初代・2代目)
ダイハツのリッターカーをトヨタの企画で共同開発した「プチトヨタ」
スターレットとターセル/コルサ/カローラIIを統合する新世代コンパクトカー「ヴィッツ」を1999年に発売したトヨタですが、傘下のダイハツが同時期に発売した新型リッターカー「ストーリア」のOEM供給を受け、「デュエット」として発売します。
その際、トヨタ基準に合わせ細部まで改良されたものの、後継車はトヨタが1から関わり、ダイハツ版「ブーン」とトヨタ版「パッソ」は両社の共同開発車で、型式も別々でした。
その関係は2代目まで続き、派生車としてダイハツ クー/2代目トヨタ bBや、ブーンルミナス/パッソセッテを生むものの、3代目からは派生車も含めダイハツが開発、トヨタがOEM供給という関係に戻っています。
- 最新「パッソ」中古車情報
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本日の在庫数 2352台 平均価格 82万円 支払総額 15~194万円
- 最新「ブーン」中古車情報
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本日の在庫数 348台 平均価格 97万円 支払総額 19~254万円
日産 デイズ(初代・2代目) / 三菱 eKワゴン(3代目・4代目)
合弁会社NMKVが開発した、軽自動車の新勢力
初期にはスズキ、後には三菱からOEM供給された日産の軽乗用車ですが、三菱との提携関係が深まると、日産のオリジナリティを盛り込むべく2011年に両社の合弁会社NMKVを設立、軽乗用車の共同開発に乗り出します。
日産 オッティとして供給していた三菱 eKワゴンの3代目から共同開発車は形になり、三菱はトールワゴンのeKワゴンとスーパーハイトワゴンのeKスペース、日産はデイズ、デイズルークス(現行ではルークス)となりました。
生産は三菱ですが、現行型は三菱がクロスオーバー版を追加したのに対し、日産はエアロバージョンのハイウェイスターやクラシック調のボレロをラインナップするなど、両社の独自色が強まっています。
- 最新「デイズ」中古車情報
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本日の在庫数 7710台 平均価格 101万円 支払総額 10~225万円
- 最新「eKワゴン」中古車情報
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本日の在庫数 2144台 平均価格 77万円 支払総額 5~180万円
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
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- 執筆者プロフィール
- 兵藤 忠彦
- 1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...