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報われなかった「挑戦車」たち~孤高の軽GT~ダイハツ ソニカ(2006年)【推し車】

ダイハツ新規格軽第2.5世代の実験的な「GT」誕生

前後シートがどれだけゆったりしているか、そして荷室がいかに犠牲となっているかがわかる

1998年10月、現在まで続く軽自動車の「新規格」は、エンジンの排気量こそ1990年規格改正以来の660ccで変わらなかったものの、普通自動車並の衝突安全性能を持たせるために全長100mm、全幅80mmの拡大が認められて、全体的にサイズアップしました。

衝突安全性能向上はボディ剛性アップや、デザインの自由度も増えるという副次的効果をもたらす反面、重量は増加して「旧規格」時代の後輪駆動スポーツモデルやホットハッチが成立しにくくなり、多くの名車が消えたものの、逆にさまざまな新コンセプトも試されます。

おかげで1990年代末~2000年代までの軽自動車には、ワゴンR以来のハイト系から発展し、現在も軽自動車の主流となっているN-BOXなど「スーパーハイトワゴン」も生み出しましたが、需要があるのか不明な珍車や迷車の類も生まれたものです。

2006年に生まれた「軽GT」というジャンルもそのひとつで、ライバルのスズキ セルボ(5代目)に5ヶ月先立つ2006年6月に発売された史上初の軽GTが、ダイハツ ソニカでした。

当時はスズキ ワゴンRを筆頭に軽トールワゴン全盛期、後に主流となる軽スーパーハイトワゴンもダイハツから初代タントも2003年に発売されており、「小さくても車内が高くて広いほど正義」という、現在でも通用する価値観の真っ只中。

しかし一方で、2001年に初代モデルが発売された三菱 eKワゴンが、タワーパーキングなどでも、その大半で困らない全高1,550mmの「セミトールワゴン」ながらスマッシュヒットを飛ばすなど、「高さが正義とは限らないのでは?」とも思わせた時期です。

そこでダイハツが挑戦したのは、同年後半モデルチェンジのミラやムーブより50mm長く、初代タントと同じ2,440mmのロングホイールベースプラットフォームへ、ミラより低いシンプル・イズ・ベスト軽のエッセと同じ全高1,470mmのロングルーフボディでした。

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執筆者プロフィール
兵藤 忠彦
兵藤 忠彦
1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...

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