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最強のワゴンRフォロワーから、ちょっと高級な軽パーソナルカー路線へ…クルマ好きの通が選びそうな歴代ダイハツ ムーヴの変化【推し車】

5ドアとアメリカンな「カスタム」による新境地で挑んだ初代

初代ムーヴ(左上)と、発売されるや大ヒットで、ムーヴの人気をワゴンR並に押し上げた功労者、初代ムーヴカスタム(右下)

1993年に登場するや、軽自動車のみならず全ての日本車に大きな影響を与え、背の高いハッチバック車「トールワゴン」というジャンルを一気に売れ筋ジャンルへと成長させたスズキ ワゴンR。

随所にスペース効率を最大限活用する工夫を凝らし、ただ背が高いだけではなくさまざまな付加価値を与えた同車は革命的な傑作車だったものの、基本コンセプト自体は1970年代の市販車(ホンダ ライフステップワゴン)から存在し、そう目新しいものではありません。

しかしそれだけに、明確な対抗馬となるワゴンRフォロワーをすぐに開発・市販するのは容易ではなく、先行していたミニカトッポ(初代1990年)のように、一歩間違えればかえって古臭い、用途の限定されるクルマになってしまう可能性すらありました。

1995年にダイハツが発売した初代「ムーヴ」は、そういう意味で真のワゴンRフォロワー第1弾というべきクルマで、最大の特徴はミニトッポやワゴンRになかった「右側後席ドア」。

つまり当時のFFベース軽トールワゴンは後席ドアを持たない3ドア、あるいは右側後席ドアのない3+1の変速4ドア車だったのが、初代ムーヴは初の「5ドアトールワゴン」であり、リアシートスライド機構と合わせ、実用性の面で大きく差別化していました。

さらに1997年にはメッキのビレットグリルに大型の角目ヘッドライトを装備した、アメリカン・フロントマスクの「ムーヴカスタム」を発売、シボレー アストロや日産 エルグランドなどによるアメリカンミニバン人気に便乗して人気を得ます。

特に通常のムーヴに対し「裏ムーヴ」と称したムーヴカスタムは、その後の国産車で多くが採用した、「通常デザインとカスタムデザインの2本立て」において、初のヒットとなる元祖的存在だったと言えるでしょう。

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執筆者プロフィール
兵藤 忠彦
兵藤 忠彦
1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...

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