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「いすゞ」って読める?今ではトラックメーカー日本代表の危機を救った車たち【推し車】

創業以来、何度も危機に追い込まれるメーカーの中には、最終的に救世主が現れずに廃業や合併で消滅する例もありますが、乗用車メーカーとしては撤退を余儀なくされ、日本ではSUVやピックアップトラックの販売からも撤退したいすゞもそんなメーカーのひとつ。

そもそも初期のベレットやベレルを除き、自力開発能力に乏しく発展性のなかったいすゞですが、それでも乗用車の独自生産は1993年まで、国内向けSUV販売を2002年まで延命できた功労者として、「当面の危機を救った」3台のいすゞ車を紹介します。

ファスター(初代・1972年)

海外への足がかりを作って低迷を脱したGMとの提携第1弾

シボレー SUV(初代・いすゞ 初代ファスターの北米仕様)

戦後、英国ルーツ・グループのヒルマンミンクスをノックダウン生産するところから始まり、独自に大型高級せダンのベレル、ミドルクラスのフローリアン、小型車ベレットを開発したいすゞですが、1970年頃には既に将来を予感させる行き詰まった状況でした。

特にライバル各社のように北米など大市場への進出は急務だったので、1971年に米GMと提携、国内市場で苦戦していた「ワスプ」後継の小型ボンネットトラック、「ファスター」(初代)を、GMのシボレー部門から「LUV」として販売します。

スポーティな中期型フローリアンとフロントマスクやキャビンに共通性を持たせた初代ファスター/LUVの販売は成功、GMからの信頼も得て、現在まで世界中でいすゞの小型トラックが販売される礎となりました。

ジェミニ(初代・1974年)

GMの「Tカー」構想へねじ込み、ベレットからの脱却に成功した名車

いすゞ ジェミニ 4ドアセダン 1600LD(初代前期型1977年改良後モデル)

日本初の「GT」を名乗るスポーティグレードを擁するなど名車として知られるベレットですが、1963年デビューですから1970年代に販売する車としてはあまりに古く、いくら改良を重ねても、他の国産車メーカーに比べ旧態依然なのはどうしようもありません。

そこで、「海外生産も含めまだ売れている」と新型車への更新を渋る当時の親玉、GMを何とか説き伏せ、ドイツのGM傘下、オペルでカデットCを中心に進めていた世界戦略車構想「Tカー」にいすゞも加わる事を認めさせました。

こうして生まれたのが初代ジェミニで、DOHCエンジンのZZ系や、ディーゼルターボの搭載で特色を出し、何度か大幅な内外装の変更を経て10年以上のロングセラーとなります。

初代ジェミニでなんとか乗用車市場へ踏みとどまったいすゞでしたが、GM頼みの体質で1993年の乗用車生産撤退につながるキッカケにもなった、両刃の剣でした。

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平均価格 177万円
支払総額 60~659万円

ビッグホーン(初代・1981年)

後にRVブームへ乗り、いすゞの国内SUV部門を延命させた功労者

いすゞ ビッグホーン(初代初期型・画像は海外版トゥルーパー) ©art_zzz/stock.adobe.com

戦前から4WDトラックを開発するなど4輪駆動の経験が深そうないすゞですが、意外にも個人や小規模事業者向け小型車の4WD化は遅く、ジープ型のユニキャブ(1967年)もただの後輪駆動車でした。

ようやく初代ファスターの4WD版「ファスターロデオ4WD」(1978年)が登場、そのシャシーとパワートレーンをベースにいすゞ初の4WD SUVとして1981年に登場したのが初代ビッグホーンで、国産他社に比べだいぶ出遅れた形です。

しかもイギリスの高級SUVレンジローバー風のボディとは裏腹にチープで快適性の低い内装、容量不足の駆動系やパワー不足にも悩まされましたが、次第に改良を重ねて国産SUVの定番車種へと成長しました。

もし初代ビッグホーンがなければ、いすゞは1993年の乗用車生産撤退とともに、バス・トラック以外の国内市場から撤退していたかもしれません。

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平均価格 149万円
支払総額 75~274万円

※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。

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執筆者プロフィール
兵藤 忠彦
兵藤 忠彦
1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...

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