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【BMW M4クーペのMは速さの称号】エンジンスペックと相場価格や評価まで
目次
BMW・Mモデルとは?
BMW・M4(エムフォー)クーペ(2014年07月モデル)

BMWの数あるシリーズの中で、M4(エムフォー)クーペが該当する「M」モデルは、いったいどのようなモデルなのでしょうか?
BMWのMモデルとは、そのシリーズに設けられた「スポーツモデル」にだけ許された称号となっています。
Mモデルの開発は、BMWのモータースポーツ開発の多くを手掛ける「BMW M GmbH(ビーエムダブリュー エム)(旧BMWモータースポーツ)」が担っています。
BMW M社が手掛けるMモデルの開発は、車のエンジンだけにとどまらず、ボディの剛性(ねじれや曲げに抵抗する力の度合い)などにいたるまで、細部にまで及んでいて、まるでベース車両とは違う車といっていいほどの改良がなされます。
また、Mモデルでの開発技術は、BMW車の次モデル開発にフィードバックされるというシステムがとられているのです。
BMW・M4クーペは「M3(エムスリー)」がルーツ
(BMW・M3 E30型)

BMW・M4クーペは、1985年に初代が発表されたM3(エムスリー)がルーツとなっています。
M3はBMWがレースに勝つために開発・製造された車といっても過言ではなく、実際に当時の「ドイツツーリングカー選手権(DTM)」などに使われたBMWのレースカーは、M3をベース車両に使用したものだったのです。
1980年代後半から1990年代前半のレースで、M3がベンツ190Eと繰り広げた激闘や、M3の色濃く残るレースカーとしての香りは、当時の日本でも人気を博しました。
2007年には、4代目となるM3はクーペに加え、セダンもラインナップに加えられることとなりますが、その後のシリーズ改変により、2013年クーペ系を新しく4シリーズとして独立させることとなりました。
「BMW・M4クーペ」は、レースカーで培われたM3の系譜を受け継ぐ、特別な存在なのですね。
BMW・M4クーペのエンジンスペック
BMW M新開発のターボを搭載

BMW・M4クーペ エンジンスペック | |
---|---|
エンジン | 直列6気筒DOHC・Mツインパワーターボ |
排気量 | 2,979cc |
最高出力 | 431ps/7,300rpm |
最大トルク | 56.1kgm/1,850~5,500rpm |
BMW・M3が自然吸気(ターボ搭載なし)だったのに対し、上記の表からもわかるように、M4クーペには「BMW M社」が新開発した「Mツインパワーターボエンジン」が搭載されています。
Mツインパワーターボエンジンとは、2基のターボが搭載されているのに加え、6気筒のうち3気筒ごとにターボと排気管を一体化して配置させることで、排気の少ない低回転時の場合も、排気を充分に取り入れることができます。
その結果、BMW・M4クーペは、最大トルク56.1kgmを1,850から5,500rpmの幅広い範囲で発生可能とすると同時に、最高出力は431psを7,300rpmで実現させているのです。
ハイパワーエンジンと形状の美しさ

まさに、低速からまたたく間に、一気に立ち上がることができるハイパワーエンジンを搭載した「BMW・M4クーペ」。
加速において0-100km/hは、わずか4.1秒(7速M DCT Drivelogic)を実現しています。
街乗りでは、5秒台でもアクセルを踏み込む必要がないほど加速力があるといわれることもあるなか、4.1秒は本当にすごいですよね。
さらに、M4クーペのエンジンルームを開けてみると、そのエンジンや装置の形状の美しさにも目を奪われます。
エンジンを抱え込むようにU字型に配置された「CFRP(炭素繊維強化樹脂)製ストラッド・ブレース」は特に目を引き、フロントの両サスペンション・タワーをつなぐことで、車体前方部の剛性を高くするだけでなく、ステアリング性能向上にも役立っているのです。
BMW・M4クーペのトランスミッション

BMW・M4クーペのトランスミッションには「6速MT」と「7速M DCT Drivelogic」が用意されています。
7速M DCT Drivelogicの「DCT」とは、「Double Clutch Transmission(ダブル クラッチ トランスミッション」の略で、構造的には1・3・5・7速で1系統のクラッチを構成し、2・4・6速で1系統のクラッチを構成するという2系統に分かれたクラッチとなっているのです。
クラッチ操作は、車の電子制御で自動的に行われ、簡単にいうと「2系統に分かれたクラッチを交互につなぎながら変速を行う」方法で行われます。
このため、変速に要する時間を短くすることができ、非常にスムーズで素早い変速操作が可能となるという特性があるのです。
状況や好みに応じて走行モードを選択
BMW・M4(エムフォー)クーペ(2014年07月モデル)

BMW・M4クーペには、車が走る際の状況や好みに応じて走りが最適となるよう「走行モード」の選択が可能となります。
走行モードには、「エンジン+トランスミッション」「サスペンション」「ステアリング」に分けられた3種類を、その状況によって「コンフォートモード」「スポーツモード」「スポーツプラスモード」に切り替える形で行います。
コンフォートモードとは、長時間走行や市街地を走行する際などに、最適でスムーズな走りを実現してくれる走行モードです。
一方、スポーツモード・スポーツプラスモードは、高速走行やより加速感を味わいたい際には、全くストレスを感じることがないほど、充実した走りを実現してくれる走行モードとなっています。
BMW・M4クーペ の外装
フロントまわりの特徴は?
BMW・M4クーペ(2014年07月モデル)

BMW・M4クーペの外装の大きな特徴として、まずあげられるのはフロントマスクに設けられているエア・インテーク(空気の取り入れ口)と、サイドに配置されたエア・ブリーザー(空気の排出口)です。
見た目のインパクトと同時に、ホイール付近で生じる乱気流などをおさえ、空気抵抗を減少させる役目をになっています。
また、キドニーグリルには、M専用となるブラックペイント仕様のMダブルバーが採用されていて、より精悍な印象を与えています。
さらに、ルーフにはM3でも採用された「CFRP(炭素繊維強化樹脂)製ルーフ」を継承し、車体上部の軽量化により低重心を図っているのです。
それに加え、サイドから見たラインは、これぞまさしく「クーペ」という洗練された流れるような美しいラインとなっています。
リアの特徴は?
BMW・M4クーペ(2014年07月モデル)

リアで大きな特徴となるのは、M4クーペの車体各所に採用されているCFRP(炭素繊維強化樹脂)を内部に使用した「リアスポイラー一体型のトランクリッド(トランクの蓋)」です。
ボリューム感あるリアフェンダーの下部には、双方に特徴的なエグゾースト・テールパイプが配置され、スポーティな走りとともに独特のエンジン音が感じられる演出が施(ほどこ)されているのです。
BMW・M4クーペ の内装

BMW・M4クーペの内装は、非常にシックかつスポーティな仕上がりとなっています。
まず目につくのは、シートに刻まれるMモデル専用の「Mロゴ」です。
また、シートは人間工学に基づいたシェル形状となっていて、ドライバーの体をしっかりとホールドしてくれ、シートポジションのメモリー機能も搭載されています。
さらに、Mロゴが刻印されたステアリング・ホイール、シンプルな丸型メーターパネルとともに、どれもが走りの実感と、居住性の高さを両立する造りとなっています。
BMW・M4クーペの相場価格
BMW・M4クーペ(2014年07月モデル)

BMW・M4クーペは「ハイパフォーマンスモデル」といわれ、一般のBMWのシリーズと比べ、希少価値が高いとされます。
現在の相場価格はいったいどのようになっているのでしょうか?
新車価格と中古車価格を一覧にしてみたいと思います。
(2017年3月時点の相場)
BMW・M4クーペ | |
---|---|
新車価格 | 11,540,000円 |
中古車相場価格 | 6,780,000円~9,650,000円 |
上記の表でもわかるように、新車価格1,154万円に対し、中古車価格は670万円からとなっています。
また、市場に出回る台数としても50件と、比較的多くあります。(2017年3月時点の相場です)
一方、同じくハイパフォーマンスモデルとされる「ベンツ・AMG・C63クーペ」などは、価格もさることながら、希少車ゆえ中古車市場に出まわる台数も少ないようです。
新車は高価すぎてという方には、中古車にターゲットを合わせるのもいいかもしれませんね。
BMW・M4の現在の中古車価格はこちら
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BMW・M4クーペのスペック詳細
BMW・M4クーペのスペック詳細 | |
---|---|
エンジン | 直列6気筒DOHC・Mツインパワーターボ |
排気量 | 2,979cc |
全長×全幅×全高 | 4,685×1,870×1,385mm |
ホイールベース | 2,810mm |
トランスミッション | 6速MT/7速M DCT Drivelogic |
最高出力 | 431ps/7,300rpm |
最大トルク | 56.1kgm/1,850~5,500rpm |
燃費(JC08モード) | 6速MT:11.6km/L /7速M DCT Drivelogic:12.2km/L |
BMW・M4クーペ 試乗時の評価
BMW・M4クーペ(2014年07月モデル)

それでは、この章ではBMW・M4クーペの試乗時におけるリアルな評価をいくつかご紹介しましょう。
BMW・M4クーペ 試乗時の評価その1
もう説明はいらないでしょう。先代で言うM3クーペで、BMWの走りの気持ちよさを具現化した1台です。たくさんのハイテクが盛り込まれていますが、走らせるとそんなことはどうでもいいんです。とにかく気持ちいい。爽快なコーナリング、力強い加速、そして頼れるブレーキ。クルマを運転させることに喜びを感じられる人なら、病み付きになります。ターボエンジンですが、回すほど元気になる味付けはさすがですね。
BMW・M4クーペ 試乗時の評価その2
オプションの19インチタイヤ装着車はとくに顕著だが、さらにコーナーが速くなった。フットワークはターンインからシャープで、姿勢のコントロールも思いのままといった印象。アダプティブMサスペンション装着車(オプション)の場合は、凹凸やうねりの処理にも長けていて、どんな場面でも痛快なコーナリングを可能にしている。そうした高度な能力を考えれば、コンフォートモードにおける日常の乗り心地は「驚くほど快適」と表現することができる。
BMW・M4クーペ 試乗時の評価その3
普段の足で使っているが、仕立ての良いスーツを着ている感じ。 派手過ぎないので冠婚葬祭等、どこにでも乗って行けるが、ぱっと見でも他と違いが分かる。 Mだと思えばたいてい許せる(笑)
BMW・M4クーペ マイナーチェンジ車は販売間近?
BMW・M4クーペ DTM チャンピョンエディション(2016年11月モデル)

BMW・M4クーペの押さえておきたい要点、相場価格、エンジンスペック、試乗評価などについて解説してきましたが、いかがでしたか?
マイナーチェンジ後のM4クーペ販売も間近だとささやかれるなか、早くその日が来ないか待ち遠しくなってしまいます。
BMWで特別となる「M」の称号が与えられた「M4クーペ」。
今後の動向にも注目したいと思います。
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