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「日本だってこんな素晴らしいクルマを作ってたんだ」リメイク希望!1960年代国産クーペの至宝たち【推し車】

まだリメイクされてない国産クーペの至宝たち

突然ですが、アルピーヌA110のセルフリメイク版とかいいですよね…かつてラリーで鳴らし、WRC初代王者だったマシンが現代の技術で蘇り…歴史の長い国、自動車文化が成熟した国に羨ましさを感じる瞬間で、たとえ自分が買えなくとも、誇りを感じます。

それに比べて我が国は…と振り返ると、さすがにWRCや名だたるレースでの勝者といった実績は少ないものの、「日本だってこんな素晴らしいクルマを作ってたんだ!」と誇りに思えるクルマはちゃんとあるのでした。

今回は1960年代の国産スポーツクーペから、ロッキー3000GT(トヨタ 2000GT)、S2000やS660(ホンダSシリーズ)などとは違い、今までコンセプトカーでも明確なリメイク版がなく、今からでもいいからぜひリメイクしてほしいクルマを、3台厳選してみました!

トヨタ スポーツ800(1965年)

赤もいいのですが、グレーやシルバーなどで往年のクラブマンレーサーを気取ったリメイクも良さそうです。

トヨタが2015年にS-FRを発表した時、86/BRZより小さなFRスポーツで、これ絶対乗ったら楽しいやつだ!と思ったものですが、結局しばらくしてお蔵入り、今さら期待していませんが、実現していればヨタハチ(トヨタ スポーツ800)の再来になりえたと思います。

そもそも筆者は初代86/BRZですら重すぎ高すぎ、むしろ狙うべきはAE86じゃなくAE85の再来だろう!速くしたい人は勝手にチューニングするし!と思っていた人でしたし、軽量で小排気量、代わりに空気抵抗を極言したヨタハチの再来なら、なお喜ばしいです。

ヨタハチときたら、航空機の開発に携わったエンジニアの知見を活かした軽量モノコック構造に、滑らかなボディが魅力的ですし、あの鋭い突起物がほとんどないフロント形状なら、現代の「衝突時歩行者保護」にも十分対応できる余地があります(※)。

(※衝突時に歩行者の頭部を受け止めるポップアップフードなどを活用すれば、ボンネットも低くできるでしょう)

ダイハツやスズキと絡んで、リッターカー級のエントリースポーツ開発なんて噂も聞こえてきますが、マツダ ロードスターと競合しない車格ならパイの食い合いにもなりませんし、現代版ヨタハチ、BEVになってもいいですから、是非とも作ってほしいものです。

筆者ならゼッケン20…はさすがに畏れ多いものの、若くして世を去った伝説のレーサー、故・浮谷 東次郎仕様にモディファイして乗りたいですね。

日産 シルビア(初代・1965年)

ガレージに収まったこのクルマの前にテーブルと椅子を置き、眺めながら飲むウイスキー(決してキンミヤの焼酎で作ったお茶割りとかではナイ)は美味しそう…リメイクで何もかもそのままじゃなくて構わないものの、往時の雰囲気をリメイクできるかどうかが、一番大事

日本にこんな美しいクルマがあったのか…とため息をつきたくなる意味では次に紹介するいすゞ 117クーペと同様ですが、ギア時代のジウジアーロがデザインしたわけでもなく、ベルトーネっぽい雰囲気はあるものの、デザイナーはあくまで日本人というのもポイント。

手作業で継ぎ目を消したクリスプ・カットはまさに走る宝石、モーターショー出展時は「ダットサンスポーツ1500」だったものの、車格が違うだろうと当時は高級車向けブランドだった「ニッサン シルビア」を名乗ったエピソードも魅力的です。

中身はあくまでSP310フェアレディ、つまりトラックベースのシャシーにチューニングした1.6リッターOHVエンジンを載せたジャジャ馬的な乗り味になるはずですが、そんな雰囲気は全く感じさせません。

ニッサンが東京モーターショー2013に出展したコンセプトカー、「IDx」シリーズを見たメディアは「ケンメリの再来」と書きたてましたが、個人的にはむしろ初代シルビアの現代的解釈にも見えました。

何しろスポーツカーに使えそうなFRのプラットフォームは、現行のRZ34フェアレディZとV37スカイラインが日産の内燃機関では最後になりそうですが、BEVの時代になればいろいろと融通は効くようになりますし、e-POWERでも構いません。

この「走る宝石」をイメージリーダーとして復刻してくれたら、初公開となる東京モーターショーなり東京オートサロンに絶対見に行きます。

いすゞ 117クーペ初期型(1968年)

規格型ヘッドライトになってしまった後期はもちろん、丸目の中期もハンドメイドの初期型とは雰囲気が全くちがって不思議だが、そのミステリアスなところが最大の魅力とも言えて、リメイクもやはり職人の仕事が必要かも

イタリアンデザインを採用した国産車の傑作ですね…しかも、ギア時代のジウジアーロがデザインしたボディを生産ラインで作る技術が当時のいすゞにはなかったものの、かつてプリンス スカイラインスポーツも作ったイタリアの職人の指導を受け、手作業で作りました。

初期型が「ハンドメイド」と呼ばれる所以ですが、中期型以降は機械生産するついでにデザインもだいぶ変わり、リアは別なクルマのような?フロントもだいぶ雰囲気が変わったものの、現代の技術を駆使すれば、ハンドメイドの初期型もだいぶ再現できないでしょうか。

もちろん、この先も乗用車生産に復帰しないであろういすゞに、117クーペのセルフリメイクなど期待するのは無理筋と承知ですが、それならいっそFRならベースは何でもいいですから、光岡やロッキーオートあたりで何とかならないかなと思います。

初代シルビアと117クーペ初期型は、乗って注目を浴びるのもいいですが相応のドレスコードを求められそうですし、間違ってもFRだからといって、ドリフトなんかさせちゃいけません。

本物でもリメイク版でも、そのクルマを置いてもサマになるガレージが1階にある家にでも住めたら、眺めながら優雅にコーヒーかウイスキーでも飲んだら美味そうです。

あるいは、どこか絵になる場所で写真を撮るべく出かけたり、本物の117クーペとランデブー走行する機会があれば、ドローンでも並走させてかっこいい動画を作りたくなりますね。

もちろん、滑らかにうねるアウトライン(輪郭)や、前後の透過類は117クーペ初期型に準拠してほしいと思います。

今回は3台紹介しましたが、全て現代でも通用しそうなデザインであり、こんな素晴らしいクルマを60年ほど前に作った先人たちへの敬意を、忘れてはいけません。

※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。

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執筆者プロフィール
兵藤 忠彦
兵藤 忠彦
1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...

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