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スリックタイヤとは?公道を走行できる?メリットとデメリットを解説!
スリックタイヤとは?
スリックタイヤとは、排水用の溝がない競技用のタイヤのことをいいます。
通常のタイヤは「サイピング」と呼ばれる溝があり、水はけをよくしタイヤが滑らないようにしてくれる機能がありますが、スリックタイヤはサイピングがありません。
また、スリックタイヤは公道で使用することができないレース専用のタイヤとなっています。
スリックタイヤの特徴と仕組み
一般的なタイヤはゴムと路面の摩擦力のみでグリップを得ています。
スリックタイヤは、その摩擦力を最大限に引き出すため、路面との摩擦で発生する熱によってタイヤの表面を溶かし路面とタイヤを粘着させます。
この仕組みはタイヤにガムテープの粘着面を外側に巻きつけて走るのと似ています。
また、スリックタイヤや冷えているとグリップ力が発揮できないため、タイヤウォーマーと呼ばれるタイヤを加熱、保温するものを走行前に付けています。
公道で使用できないスリックタイヤ
前述の通り、スリックタイヤは公道では使用することが出来ません。
道路運送車両法によって溝のないタイヤは公道で使用不可と定められているからです。
スリックタイヤで公道走行を禁止する法律
道路運送車両の保安基準の細目を定める告示 第619号 第60条
接地部は、滑り止めを施したものであり、滑り止めの溝(最高速度40km/h未満の自動車、最高速度40km/h未満の自動車に牽引される被牽引自動車、大型特殊自動車及び大型特殊自動車に牽引される被牽引自動車に備えるものを除く。)は、タイヤの接地部の全幅(ラグ型タイヤにあっては、タイヤの接地部の中心線にそれぞれ全幅の4分の1)にわたり滑り止めのために施されている凹部(サイピング、プラットフォーム及びウエア・インジケータの部分を除く。)のいずれの部分においても1.6mm(二輪自動車及び側車付二輪自動車に備えるものにあっては、0.8mm)以上の深さを有すること。この場合において、滑り止めの溝の深さについての判定は、ウエア・インジケータにより判定しても差し支えない。
スリックタイヤのメリットとは?
スリックタイヤの最大のメリットは、グリップ力が強いこととなります。
冒頭で説明しましたが、タイヤがガムテームのように路面に粘着するようなグリップ力があります。
これにより、カーブで強力なGがかかってもタイヤが滑りにくくなり、ブレーキ時にはタイヤがロックする限界が高まり、走行タイムを縮めることができます。
速い速度でカーブを駆け抜けること、強力なブレーキングはカーレースにおいて勝つために大切な要素です。
スリックタイヤのメリットは、競技で勝つためだけのものとなります。
スリックタイヤのデメリットは?
スリックタイヤの最大のデメリットは、濡れた路面では滑りやすいことです。タイヤと路面の間の水を逃がす溝がないためハイドロプレーニング現象が起きやすく、雨天での使用は非常に危険です。
雨天時のカーレースで使用するタイヤ「カット・スリックタイヤ」
雨天時の競技の際に使用するタイヤは、スリックタイヤに溝を加工した「カット・スリック」と呼ばれるタイヤが使用されます。
単に「レインタイヤ」とも呼ばれています。カットスリックタイヤの溝は、一般的なタイヤと同じようになっています。
スリックタイヤの価格はどれくらい?
スリックタイヤの価格はいくらくらいするのでしょうか?
一般の人でもちょっと頑張れば参加できるジムカーナなどの競技に出た方はご存知かと思いますが、市販されているもので、1本あたり5万円程度が最低の価格となっています。
当然、上を見ればキリがありません。
くれぐれもスリックタイヤで公道を走らないように
これからジムカーナなどの自動車競技へ参加してみようなどとお考えの方には役に立ったのではないでしょうか?
また、競技への参加に興味はない方でも、スリックタイヤのグリップ力の仕組みは興味深かったのではないでしょうか。
重ねて申し上げますが、いくらグリップ力が強いからといって、公道でスリックタイヤで走らないようにお願いします。
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- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...