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ロールケージ(ロールバー)とは?取り付け方法や効果、車検時の注意点を解説

ロールケージとは?ロールバーと何が違う?

競技車両に取り付けられた金属パイプのフレーム

競技車両のコックピット
©burnel11/stock.adobe.com

ロールケージとは、レースやタイムアタック系の競技車両に取り付けられる金属パイプのフレームのことです。

市販車でロールケージが標準装備されていることはほぼありませんが、ロールケージが架装されたワンメイクレース(=車両を1車種に限定して開催されるレースのこと)向け車両は販売されています。

現在ですと、トヨタ ヤリスのカップカーがそれに該当します。

ロールケージに使われる金属パイプには鉄(スチール)やアルミなどがあります。公式競技のレギュレーションでは鉄パイプ製を使うように記されているのがほとんどで、寸法(直径と肉厚)にも指定があります。

ロールケージとロールバーの違い

ロールケージは「ロールバー」と呼ばれることもあります。世間や車界隈ではロールバーと表現されることが多いのでそちらのほうが一般的に馴染んでいると言えるでしょう。

ロールケージ
ロールケージは枠部分と棒(バー)を組み合わせている
©Sista/stock.adobe.com

しかし厳密に言及すれば、ロールケージはケージ(cage : 骨組み、鳥籠)ですし、ロールバーはバー(bar : 棒)なわけですから、「ロールバーを組み合わせたものがロールケージ」とするのが自然です。

ロールケージの効果と役割

車体が潰れるのを防ぎ乗員を守る

©Artur Shevel/stock.adobe.com

重大クラッシュ時に車体が潰れるのを防ぐことで乗員を守るのがロールケージの最大の目的です。

時速200km超えで他の車両やタイヤバリア・看板などにぶつかれば車両には想像を絶する力がかかりますから、その際にドライバーやコ・ドライバーが生存する(潰れない・挟まれない)ための工夫が必要になります。

参加者は、参加する競技の規則書(レギュレーション)や車両規定に従ってロールケージを組み付けます。

ボディ剛性の向上

ボディ剛性向上はロールケージの2つ目の役割です。ボディ剛性を高めると、走行時のボディの歪みを減らすことができます。これはサスペンション本来の性能を出し切るうえで有効な手段となります。

とは言いながらも、ボディ剛性を理論的に理解することは簡単ではありません。そこでティッシュペーパーの箱を題材に説明することにします。

ティッシュペーパーの両端を持ってそれぞれ逆方向に捻った時の抵抗感がボディ剛性で、箱の材質そのものの強さがボディ強度です。

ティッシュペーパーの箱を捻れば簡単にねじまがりますし、鉛筆を箱に刺せば簡単に穴を開けられます。

仮にもしこの箱の内側に、辺に沿って割り箸が固定されていたら、同様に捻った時に箱のねじ曲がり量は少なくなります(感覚的には固いと感じるようになる)。しかし、鉛筆を刺した時に穴が開くのは先ほどと同様です。

つまり、ボディ剛性を高めてもボディ強度は向上しないことになります。

ロールケージの種類と取り付け方法

ボディに固定する場所が多いロールケージの例
©Sista/stock.adobe.com

ボルトオン仕様と溶接仕様

一番簡単な取り付け方が、ボルトオン仕様のロールケージです。この種類のロールケージは、車体側に穴を空けて(あるいは既に用意されているボルト穴を使って)ロールケージを組み付けただけのものになります。

ボディに穴を空ける作業・当て板をボディ外側に貼る作業がありながらも、基本ボルトとナットを締めることで装着できる手軽さ(簡単ではありませんが)が売りです。

ロールケージとしての性能を究極まで求めると、溶接でロールケージを組み上げるようになります。

ボディへの固定する場所の数

ロールケージの形状は点数で表されます。例えば、ボディ4ヶ所で取り付けられていたら4点式、6ヶ所だったら6点式という感じです。

15点式ロールケージになるとまるで迷路のようにロールバーが組み込まれています。

ダッシュ貫通・非貫通

ロールケージの形状は非常に奥が深いので、ここでダッシュ貫通・非貫通の違いだけ紹介します。

ダッシュというのはダッシュボードのこと。ロールケージを組み上げた時にダッシュボードを貫通していれば「ダッシュ貫通」、貫通せずダッシュボード手前でロールバーが曲がっていれば「ダッシュ非貫通」です。

ダッシュ非貫通は「ダッシュ逃げ」とも呼ばれています。ロールケージが組まれている自動車を見つけて、ダッシュ貫通か逃げなのかを見て判断してオーナー様に話しかけると、大変喜ばれることでしょう。

ロールケージのある車で公道を走れる?

ロールケージが取り付けられた車両でも公道走行可能

©dreamnikon/stock.adobe.com

時折一般道で見かけることや、全日本ラリーに参加しているラリーカーを見てわかるように、ロールケージが組まれた自動車でも車検を取得することはできます。公道走行も可能です。

ただし、道路運送車両法に違反しないことが前提のため注意が必要です。以下では基本的な注意事項をいくつか紹介します。

ロールケージ付き車両で公道を走る場合の注意点

乗員の周りにあるロールバーにはパッドを巻く

まず、乗員の周りにあるロールバーは剥き出し状態ではなく、ロールバーパッドを巻いておかなければなりません。この根拠は「道路運送車両の保安基準」の第18条2項に記されています。

自動車(次の各号に掲げるものを除く。)の車枠及び車体は、当該自動車の前面が衝突等による衝撃を受けた場合において、運転者席及びこれと並列の座席のうち自動車の側面に隣接するものの乗車人員に過度の傷害を与えるおそれの少ないものとして、乗車人員の保護に係る性能に関し告示で定める基準に適合するものでなければならない。

道路運送車両の保安基準より抜粋

上述した通りロールケージは金属パイプの集合体ですから、交通事故時で頭をロールバーにぶつけたら危険です。その対策として専用のパッドを巻いて緩衝するようにしておく必要があります。

運転者の視界を妨げないようにする

平成28年11月1日以降の新型車及び平成30年11月1日以降の継続生産車にロールケージを装着する場合、「自動車の運転に必要な直接視界に係る協定規則(第 125 号)」に違反しないよう注意する必要があります。

運転席から前方の一定範囲に視界を妨げる遮断物を置くことを禁止するというものです。上記期間に該当する自動車にロールケージを取り付ける際には注意しましょう。

ロールケージのメリット・デメリット

メリット

ボディ剛性が上がる

先に紹介した通りボディ剛性が上がります。サスペンション本来の性能を発揮するために効果的です。

ボディそのものが経年劣化や度重なる修理・金属疲労などで劣化した車両にロールケージを取り付けて、ボディ剛性を高める方法もあります。

競技中の大きなクラッシュでもボディが比較的つぶれなくなる

©Clarence Alford/stock.adobe.com

ロールケージの無い車両よりもボディがつぶれにくくなります。モータースポーツにクラッシュはつきものですから、クラッシュ時に乗員を守るためのマストアイテムといえるでしょう。

見た目がかっこよくなる

レーシングカーやラリーカーのような見た目となり、モータースポーツらしさ全開のデザインでかっこよさ倍増です。組み上げるのに一手間かかりますから、手間をかけた分だけ達成感も味わえます。

デメリット

乗り降りが不便になる

ロールケージが邪魔して乗り降りが不便になります。パイプの数が増えればふえるほど車内空間も狭くなります。

ボディ剛性を高めるためにロールケージをたくさん取り付ければ取り付けるほど、日常生活における快適性・利便性からかけ離れていきます。

ロールケージに頭をぶつける可能性がある

ロールケージを入れた分だけ頭とのクリアランスが少なくなり、立ち上がった時や、交通事故の際に頭をぶつける可能性が高くなります。

座面位置の低いシートを導入したり、座面の高さを調整できるシートで対処しますが、大体の人は運転席側にフルバケットシートを採用します。

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車両重量が重たくなる

外径40mmの金属パイプを何本も使うため車両重量増加は免れません。

CUSCOでお馴染み株式会社キャロッセが展開するSAFETY21ロールケージの一部車種向けを見ると、シンプルな4点式ロールケージで13.0kg、8点式になると17.0kg増の30.0kgとなっているのがわかります。

この重量増加対策として後部座席を取っ払うのがお決まりコースです。ただし、後部座席を取り除く場合には乗車定員を変更する(構造変更して車検を通す)必要があります。

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ボルトオンでもフロアへの加工が必須

溶接よりも難易度の低いボルトオンタイプですら、車体フロア部分への穴あけ加工が必須となります。これをすると中古車としての査定価格は、していないものより安くなるのです。ただし、競技車両として販売されればまた事情が変わってきます。

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メリット・デメリットを理解した上でロールケージの導入を

©Grafvision/stock.adobe.com

ボディ剛性の強化、乗員の保護、サスペンション本来の性能を出し切るなど、ロールケージの役割はモータースポーツのためであるのは明らかです。

それらのメリットや見た目のかっこよさに魅了されて取り付けるのも良いですが、利便性・快適性の問題や査定額の低下といったデメリットを理解した上で取り組むようにしましょう。

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中華鍋振る人
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自動車とバイクに関連する記事を書いています。モータースポーツは観戦よりも参戦派。道交法や違反に関する情報を、法律に詳しくない人にもわかりやすく解説しています。
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