MOBY(モビー)自動車はおもしろい!

アイテム

更新

ペルシードとは?親水性と撥水性は何が違うか?効果はどうなのか?

最終回はガチ洗車

前回は、市販のコーティング剤を塗る場合に、下地処理の有無でコーティングの仕上がりに大きな差になることがわかりました。

車体のフロント部分の施工後比較

前回は、鉄粉落としをしていないとか、コンパウンドを使用して面を仕上げていないなどもあり、輝きとしては、ピカピカでいうと「ピカッ」ぐらいで、表面の拭き心地はまだまだザラついていました。

そこで、今回はザラつきの原因であろう鉄粉も落としていきます。
最後ということで、市販品を買いそろえてみました。

車のお手入れ用品

写真左から、鉄粉落とし、水あか落とし、簡易研磨剤、ペルシード(撥水/親水)の順で、施工順序もこの順番で行いました(ペルシードに関しては、どちらかお好みの1本あれば良いと思います)。

また施行の時は、何度もシャンプー洗車をします。
実際に行った作業順は、
鉄粉→シャンプー→水あか→シャンプー→簡易研磨→シャンプー→ペルシードの順番。

次の溶剤と混ざると溶剤同士が想定外の反応をする可能性を考慮すれば、当然の手順で、プロの施工をまねした手順になります。

プロのまねをどこまでできるか

私の洗車スキルは、一般人がプロの洗車動画を365回ほど見て学習したくらいとなります。
イメージとしては、洗車好き1年生といったところでしょうか。

黄色のスポンジで赤い車を洗う
©pingpao/stock.adobe.com

では早速、作業に移ります(気温が下がりだす16時頃から開始)。
まず、鉄粉落としは、クリーンビューの鉄粉キャッチャーを使いました。

Amazonでの価格は1,000円で、ボディーとホイール両方に使えると記載があるものを選びました。こういった商品は、集めだすと増えがちな洗車グッズをスッキリさせる味方といえるでしょう。

シャンプーで洗った後、シュッシュッと散布し、2~3分乾燥しないように薬剤を反応させます。その後、大量の水とシャンプーで洗い流し、ザラザラの原因のひとつである鉄粉を落とします。

次に、水あか落としを実施します。
大きく分けて、炭素を含まない鉄は無機物、炭素を含む水あかは有機物の汚れとして取り扱われるため、それぞれ別の特徴をもつ汚れ落としが必要になるわけですね。
前回で水あか落としは実施しているので、説明は割愛します。

ここまでで、汚れが残っているとコーティング剤の下に汚れが残って、コーティング剤を落とさないと汚れが落ちなくなります。
超キレイな仕上がりを求める方は、ここまでにしっかり汚れを落とすことが重要です。

3番目の手順は簡易研磨です。
本格的にポリッシャーを使う方法もありますが、裏のテーマはなるべく安く、手軽をコンセプトにしているため、金属磨きで有名なピカールシリーズのグラスターゾルという簡易研磨剤を購入しました。
価格は、Amazonで約500円にて販売されています。

この工程では、鉄粉落としの時にできた小傷や、洗車傷を消す作業になります。
ボディーが色白っぽくボケてくる原因として、小傷に光が乱反射して白ぼけて見えるという要因があります。

キズの角を取り除き、滑らかにすることで乱反射を防ぎ、ハッキリとした発色に期待ができます。

最後に、研磨剤をきれいに洗い流し、コーティング剤を塗り伸ばしました。

車体のフロント部分の施工後比較

水弾きは、コーティング剤の性能で左右される部分があるので、それ以外の部分をしっかり作業することでくすみが少なく、深みのあるつやを演出することができます。

コーティングの維持期間は、保管状況で大きく左右されます。自分の保管状況を加味し、寿命が長いものを選ぶか、こまめに実施するものを選ぶか、価格帯で選ぶか、自身のクルマの接し方と一致した溶剤を選ぶのが良いのではないでしょうか。

コーティング剤を塗ってみたけど、思ったようにきれいにならない理由はここにあったといえるわけです。

車体のフロント部分の施工後比較

費用対効果の考察

ペルシードと水あか落としの総額が3,600円で3回分程度ですので、1回1,200円の洗車をしたことになります。

今回は、鉄粉キャッチャーが1,000円+グラスターゾルが550円、総額1,550円で、BP5レガシーで2回使えるくらいの量です。
したがって1回775円分の溶剤を追加購入した計算になります。

そうすると1回の洗車の溶剤額が、約2,000円となります。
その作業にかかる時間は、30分でシャンプー洗車ができるとして3回で90分程度、鉄粉除去と水あか落としが各70分程度で140分程度、簡易研磨が30分程度として、吹き付けタイプのコーティング剤の施工は手軽なので+5分で概算すると、265分となります。

休憩時間はそれぞれあるかと思うので、休憩なしの最短で265分前後というイメージで良いのではないでしょうか。

洗車する女の子
©Irina Schmidt/stock.adobe.com

この内容が、お店で8,000円から15,000円前後で販売される価格帯のコーティングと同じような工程で、プロの仕上げと比較して価格を高く感じるか安く感じるかは千差万別あるでしょう。
また、価格云々というよりも仕上がりの達成感に快感を覚え、クセになり、趣味としている人も多いと思いますので、価格を重視する感覚と同一視できない部分が大きいことも事実です。

仕上げの状態としては、元が40点程度のボディーで、コーティングの水弾きに+10点であるならば、水あか落としの効果は非常に高く、鉄粉落としを一緒に実施することで、ボディーを拭いた時のチクチク感が無くなり、つるりとした拭き心地は高加点の+20点といった感覚です。

ボディーの表面を整える簡易研磨は、下地をしっかり作ったうえで行えば高い効果を発揮しますので、コーティングと同じ+10くらいの効果を感じます。

点数評価をしていますが、これらの下地処理を全てすると、100%ではなく150%点数が増しになるように感じます。
しかし、道具が欠けている状態ではその効果が高まらないようにも感じます。

テストに使用したBP5は、中古で購入したクルマで、今まで気づかなかったキズやへこみが気になるようになりましたが、結果として80点の仕上がりになったように感じます(回数をこなせばもっと上手になるかも)。

まとめ

コーティング剤を使う時のポイントを3つに絞れば、以下の通りです。

1.どのくらいきれいにしたいかイメージすること
2.コーティング前に、クルマの汚れをしっかり落とすこと
3.溶剤の注意事項や使い方は熟読し、意味を理解すること

つまり、2と3に関しては、適格な道具を選び、道具を正しく利用し完成を目指すことになります。

例えば、最初からピカピカな新車ボディーにコーティング剤を塗るのは、シャトーブリアンのように、何もしなくてもおいしいお肉に手を加えるようなものです。

中古車のボディーでもきれいなもの、それなりのものはそれなりですし、新車でも時間がたてば状態もかわります。

これらは、スーパーの食肉コーナーに並ぶお肉のようなもので、元がそれなりのものをコーティング剤だけできれいにしようというのは、下味や隠し切りをしないで、何の工夫もなくステーキを焼くようなものなのです。

なので、時間がたったものもトリミングをしたりする必要があります。これがないと、結局のところそれなりのものになってしまうわけです。

逆をいえば、おいしいシャトーブリアンもめちゃくちゃな処理を行えば、味が損なわれるし、塩をかけすぎて塩の味しかしないとか、大失敗をする可能性があります。

いっぽう、安いスーパーのお肉もシャングリアステーキにしたり、スジに隠し切りを入れて食べやすくしたりといった工夫をすることで、スーパーの激安ステーキ肉も化ける可能性があるのです。

シャトーブリアン
©naka/stock.adobe.com

最後に、最も重要な1ですが、完成系をイメージといわれても、汚れを浮かすとか汚れを溶かすなどを商品のウリにする、「This is 化学」である洗車グッズに、科学的なことは苦手だからよくわからないと苦手意識が強い人が多いと思います。

しかし、身の回りに化学的な要素はたくさん隠れていて、無意識のうちに関わりの深いものも多くあります。

例として言うと、料理をおいしく感じるのはThis is 化学でもあり、アミノ酸やグルタミン酸といった成分の影響によるものだという話があり、うま味調味料に含まれる成分でもあります。

この話を洗車に落とし込むと、自分でクルマを洗車する時に触れ知ることになる化学と、小さい頃から触れ知っているうま味の化学は、経験で圧倒的な差があり、カー用品店やホームセンターの洗車グッズ売り場で悩む大人も多いということになります。

それはお気に入りの組み合わせが見つかっていない人はみんながやる行為ですし、お気に入りがあっても新商品とか書いてあると「どれどれ?何が違うの?」と見てしまう行為につながっています。

例えば、おいしいものが食べたいのに、妥協をしても満足できないという部分に非常によく似た行動だし、新しいメニューがあるといわれた時に興味をそそられうっかり飲みに行ってしまうようなものなのです。

笑顔の男の子
©yamasan/stock.adobe.com

もっと気軽に、楽しみながら洗車グッズ選びからはじめて、今使っている洗車グッズの使い方を再確認してみても良いかもしれません。

コーティング剤を実際にレビューして徹底比較!

執筆者プロフィール
渡辺 喬俊
渡辺 喬俊
1986年生まれ、元システムエンジニアからクルマ業界へ転身、社外品サスペンションの試作や、ドライビングサポートのセンサー部品テストドライバーの仕事を経験。愛車はSW20 MR2とBP5 レガシィ。壊れない車が欲し...

\ この記事が役に立ったらシェアしよう /

MOBYをフォローして最新記事を受け取ろう

すべての画像を見る

コメント

利用規約

関連する記事