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【キャデラック CT6 試乗レポート】ファビュラスなアメリカン・セダン

今回のロングドライブ試乗車

今回の試乗車は、こちらです。

キャデラック CT6
背景の湖は、赤城山頂にあるカルデラ湖、大沼。
キャデラック CT6
キャデラック CT6

こちらのエンブレムは「キャデラック」

キャデラック CT6

The アメリカン・ラグジュアリーセダンの「CT6」です。「Cadillac Touring 6」の略です。

デカく、イカつく、カッコいい

キャデラック・CT6を20代、30代の男女数人に見せたところ、カッコいいとの声が。いかつい、という声もありましたが、黒い大きなボディのセダンでこの顔つきなら、まぁ、仕方ないでしょう。そこがこのクルマのカッコ良さ。

キャデラック CT6
キャデラック CT6
キャデラック CT6
キャデラック CT6

地方のコンビニに立ち寄ったとき、駐車場にマイルドではないガチめのヤンキーが10人くらい駐車場にたむろしていたが、キャデラック CT6がゆっくりと近づいてくるなりそこを立ち去っていったのでした。また、ゆっくり走っていても前を走る地元ナンバーが道を譲ってくれたのが数回。

ファビュラスな内装とはこのこと?

キャデラック CT6
ドライバー視点で撮影
キャデラック CT6
ドライバー視点で助手席側を撮影

もう、豪華。お金持ちの邸宅のリビングありそうなソファーがシートになりました。装備はこれでもか、と言うほどついてます。ファビュラスな内装とはこのことか??

キャデラック CT6
ヘッドレストにはステレオスピーカーが埋め込みされている。フロントシートの調整部、アジャスターは全部で20通りも。
キャデラック CT6
後席アームレスト内の収納に純正ヘッドフォンが格納されている。
キャデラック CT6
フロントシートの背面には一人一面ずつのディスプレイを備える。ONにするとディスプレイが上昇。使わないときは下がって格納される。
キャデラック CT6
リアウィンドウ下にも大径スピーカー。
キャデラック CT6 メーターパネル ナイトビジョン
人がいたらマーキング表示して注意を促してくれる。

安全・先進性もバッチリひととおり全部ついてます。自動運転はありませんが、夜間に歩行者をメーターパネル内のディスプレイに映し出すナイトビジョンという先進的な予防安全技術が採用されています。

乗り心地良し、居住性高し。

キャデラック CT6
リアサスペンションはマルチリンク式。フロントサスペンションはダブルウィッシュボーン式。

往年のアメ車は大味で、ふわふわした乗り心地が定番でした。今はそんなことはありません。ゆったり感はありますが、カーブを曲がるのときのロールは抑えられ、ソフトながらしっかり感のある乗り心地。高速道路の継ぎ目を超えるは得意。峠の連続カーブもきちんと駆け抜けてくれます。

キャデラック CT6
ダブル・サンルーフは快適性を高めてくれるアイテム。

1950~60年代のアメリカでは、キャデラックは富の象徴となっていました。その名残は今もありますね。乗り心地、居住性はとことん追求してつくられたクルマ。大柄なアメリカ人が4人乗ってもだいじょうぶ。乗り心地、居住性は最高ですが、国産車、ドイツ車のそれとは違う雰囲気を感じる居住性です。

キャデラック CT6
エンジンスイッチをONにすると、下からにゅーぅっと生えてくるセンタースピーカー。

居住性の高さに大きく貢献していたのが、オーディオ。高級オーディオメーカーのBOSEのラインナップで最上級の「Panaray(パナレイ)」の名がつく贅沢なシステムを搭載しています。スピーカーは全部で32個。ヘッドレストにも埋め込まれていました。

クラシック、ジャズもいいですが、キャデラックといえば、聴くのはHipHopとなるのは私だけでしょうか。HiphopのMVに金髪で水着を来た出るとこ思いっきり出てます系ウィメンズ多数とキャデラック…はありがち、と思っておりまして。試乗中にヘビロテしたのはこの曲。

V6 340馬力の余裕の走り

キャデラック CT6 エンジン
キャデラック CT6

3.6LのV型6気筒、最高出力は360ps。大柄ボディに豪華絢爛な装備を満載して2トンの車重を軽々と加速させます。3.6Lの排気量はエコな今では大きい部類。昔のアメ車は5.0Lあたりは当たり前。5.0Lクラスでも「スモールブロック」と呼ばれたエンジンがキャデラックと同じGM傘下のブランド、シボレーにあったのでした。7.0Lエンジンも普通に搭載されていました。

キャデラック CT6

余裕のある走りを支えるのは、四輪駆動システム。FRじゃないんですよ。常時四輪駆動。CT6で峠を走ると、結構身のこなしは軽くて早いです。まぁ、車重が重たいと慣性の法則とやらは多分に感じてしまうものですが、よく制御されたしつけの良いAWDできちんとカバーしてくれています。

ちなみに、最近のキャデラックの高級セダンはFF(前輪駆動)が主流。対してユーザーやファンからは後輪駆動のニーズが高かったという背景があります。

キャデラック CT6
ルームミラーはリアカメラの映像を映し出す。

アメリカンな使い勝手。荷室空間も。

キャデラック CT6

でかいボディで小回りは苦手です。この点はアメリカ生まれの高級車ですから、目をつむるところ。リッチな装備の数々の使い勝手は申し分なし。

キャデラック CT6
キャデラック CT6
シフトレバーの横のフタを開けるとドリンクホルダー
キャデラック CT6
キャデラック CT6 インパネ

アメリカ生まれのCT6ですが、なんとナビにはゼンリンの地図データが!ことに輸入車の標準ナビがプアになりがちな件、キャデラック CT6には無関係でした。コネクテッドをしっかり搭載、地図更新も自動でやってくれます。世界初の「完全通信型自律航法マップマッチング対応クラウドなストリーミングナビ」とカタログに記載があります。

こういったソフトな部分の使い勝手をきちんと対応しているところはなかなか。

キャデラック CT6
キャデラック CT6
キャデラック CT6

トランクでかし。今のアメ車はトランクが内側から開けられる機構を必ず備えています。映画のワンシーンによくあるトランクの中に善人が悪役により押し込めれている光景は、悲しいかなUSAでは珍しくはないのです。

キャデラック CT6
背景の湖は、赤城山頂にあるカルデラ湖、大沼。

アメ車の燃費が悪い、というのは過去の話。

赤城山 峠 カーブNo.49

キャデラック CT6は信号と渋滞の多い都心部の走行では5~6km/L、市街地で6~8km/L、高速道路で12~14km/Lという実燃費。燃費が悪いというアメ車の特徴ではありますが、高級大型セダンとしては合格点。排気量も往年のアメ車のような自動車税年10万を超すようなものではありません。燃費も税金も高級大型セダンの平均点は下回らないと言えるでしょう。

個性的で愉しいクルマ、キャデラック・CT6

赤城山 峠 カーブ_No.34

もう、キャデラックに乗っているということだけで、その人の個性を主張します。デザインも個性的です。しかし、黒色のキャデラックなら、冠婚葬祭、全部これ1台でこなせる懐の深さもあります。

キャデラックはもともと、ショーファードリブン(運転手付き)ではなく、ドライバーズカー。広大なアメリカを悠々と走るリッチでビッグなクルマがキャデラック。それは現行モデルでも伝統的。ドイツ車、国産車にはない乗り味がお嫌いでないなら、とても愉しいクルマです。かつてアメ車に乗っていた筆者にしてみれば、なかなかアリな乗り味でした。

1000万円の車両価格をどう捉えるか?

キャデラック CT6

試乗したキャデラック CT6の新車車両価格は税込1,045万円。コスパが良い、悪いという次元で語る価格帯ではございません。キャデラック CT6のデザインやクルマの性格が気に入ったのであれば、この金額は高くはないでしょう。このボディサイズとエンジンと装備、ラグジュアリーな内装、装備、車格をメルセデス・ベンツに置き換えるなら、Sクラス。Sクラスの一番安いグレードは税込1,260万円から。全く同じ土俵で戦わせるべきではない2モデルだという声が聞こえそうですが、ざっくり2割、キャデラック CT6の方がお安いですね。

キャデラック CT6の総合評価

キャデラック CT6 総合評価

10項目各5点満点、総合100点満点にして、キャデラック CT6は82点となりました。豪華な内装、充実の装備、乗り心地と居住性、個性が突出、高速道路ハンドル操作支援の自動運転がついていれば、安全・先進性が満点になったところです。ボディの大きさが日本の道路事情で使い勝手をマイナスさせる要因ではありますが、この大きさを好む方も多いので、ネガティブな要素としてではなく、個性として捉えてみました。

主要諸元(スペック一覧)

車名:キャデラック CT6
グレード:プラチナム
全長:5,230mm
全幅:1,885mm
全高:1,495mm
ホイールベース:3,110mm
車両重量:1,950kg
乗車定員:5人
エンジン:V型6気筒DOHC
排気量:3,649cc
最高出力:250kW[340ps]/6,900rpm
最大トルク:386N・m[39.4kgf・m]/5,300rpm
トランスミッション:10速AT
駆動方式:AWD(常時四輪駆動)
使用燃料:無縁プレミアムガソリン
燃料タンク:72L
新車車両価格:1,045万円(税込)

最新「キャデラックCT6」中古車情報
本日の在庫数 17台
平均価格 553万円
支払総額 322~758万円
執筆者プロフィール
宇野智
宇野 智
モーター・エヴァンジェリスト/ライター/フォトグラファー/ビデオグラファー/エディター エヴァンジェリストとは「伝道者」のこと。クルマ好きでない人にもクルマ楽しさを伝えたい、がコンセプト。元MOBY編...

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