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軽クロカンの雄・ジムニーは女子にも人気!一体ナゼ?現行型の魅力と美学とは

日本ではギア込みでの「道具」感が人気要因か

©Maria/stock.adobe.com

昨今ブームとなっているアウトドアレジャーですが、そのユーザーに絶大な人気を誇っているのが、スズキ「ジムニー」です。2018年7月の登場以来、受注台数が爆発的に増加。あれよあれよという間に、納期が1年を超えるという状態になりました。2021年1月からは、海外向けをインド工場で生産するようになりましたが、現在も1年近くの納期は変わっていない状況です。

おそらくスズキさえも予想できなかったジムニー人気ですが、その理由は一体どこにあるのでしょうか。ここ数年、何人ものジムニーオーナーと話をしてきましたが、そのほとんどが「ジムニーでキャンプをしたいから」と言っています。

しかし、本格オフロード4WDとしての性能を持っていますが、実はキャンプカーとしてはそれほど向いていないジムニー。なかでもネックとなっているのは、積載能力です。

昨今は軽自動車でも室内ユーティリティが高く、人はゆったり乗れて、荷物をたくさん積んで走ることができます。しかしジムニーは、軽自動車規格のサイズの中で造られているのに、その多くの空間をメカニズムやロードクリアランスに費やしています。後席空間はお世辞に広いとは言えません。

つまり、ジムニーで本格的にキャンプを楽しむには、ルーフラックなどの装着が必要となるのですが、幸運にも昨今のアウトドアグッズは機能美をたたえたものが多いうえ、ジムニーも全身に”ギアらしさ”が滲み出ています。

思うように”積めない”ジムニーにギアを搭載してキャンプに行く、という行為を楽しむ彼らはこう語ります。「ジムニーは自分たちのライフスタイルをアピールできる“ギア”の香りを持っている」と。

「ジムニー女子」を着実に増やしている現行型

現行型でジムニーの市場動向でスズキを驚かせたのが、女性からの人気です。ジムニー女子と言われるユーザーはどんどん増加中で、InstagramなどのSNSでジムニーライフを発信する人が少なくなくありません。

そんな彼女たちにも話を聞いてみると、口を揃えて「カワイイから」と言います。昨今では珍しい丸形ヘッドライトやスクエアなボディ、つまりクラシカルな雰囲気な彼女たちの心を捉えているのです。

これは男性にも同じで、購入後に初代ジムニーLJ10型やランドクルーザー40系といった昭和のクルマに似せたカスタムを施す人が多くいます。カスタム市場が成熟しているというのも、ユーザーには魅力のひとつと言えます。

海外人気の要因は「タフで信頼性が高いから」

海外で販売されている「ジムニー」は普通車。つまり、日本でいうジムニーシエラ。

もちろん海外でもジムニーの人気は非常に高く、東南アジアだけでなく、欧州でも好調な売れ行きを見せています。しかし、海外人気の要因が「ギア感」や「かわいさ」にあるわけではありません。

海外では、日本以上にヘビーユースされるケースが多く、林業などのプロフェッショナルが使用していることに加えて、レジャーでは本格オフロードを走って長距離移動するような「オーバーランド」に使われていたりします。

そうした実態を垣間見ていると、そこにはユーザーたちのジムニーに対する「絶対的な信頼」が見えてくるでしょう。しかし、なぜユーザーはそこまでジムニーに信頼を寄せるのでしょうか。それは、初代からずっと変わっていないコンサバティブな構造です。

昨今のSUVは、その多くがモノコックボディ構造(鋼板をティッシュボックスのように折り畳んで強度を保持する)を採用しています。その一方でジムニーは、四輪駆動車の伝統的なボディ構造とも言える「ラダーフレーム構造」を採用。強靱な鋼鉄製のハシゴ形フレームの上に、別途製造したアッパーボディを載せています。

サスペンションは、ラダーフレームに取り付けられます。極論を言えば、アッパーボディがなくても、ラダーフレームだけで走ることができるのです。

この構造のメリットは、なんと言っても堅牢性。激しいオフロードを走った時の衝撃、障害物にぶつけた時の衝撃の大部分を、ラダーフレームが吸収してくれます。仮にアッパーボディをぶつけて歪めてしまった場合でも、ラダーフレームが大きく歪んでいなければ自走が可能です。

今や珍しいリジッドアクスル&パートタイム4WDの採用

リジッドアクスル式サスペンションもまた、信頼度をアップする構造のひとつです。ほとんどのクルマは操縦性や乗り心地を考えて、独立懸架式サスペンション(インディペンデンス式とも)を採用しています。ですがジムニーは、これも四輪駆動車で伝統的な「リジッドアクスル式」を未だに前後輪に使っているのです。

ちなみに、四輪駆動車の王者と言われるランドクルーザー300系でさえも、前輪は独立懸架式です。独立懸架式が悪いというわけではありませんが、仮に岩などの障害物にサスペンションアームやドライブシャフトをぶつけて歪めてしまった場合、操縦が困難になります。

リジッドアクスル式は、「ホーシング」という鋼鉄製のケースの中にドライブシャフトが入っているため、ぶつけても容易に破損や変形する可能性が低いのです。さらに、左右輪が1本の軸でつながるため、凹凸路面で1輪が押し上げると、もう片輪は地面に押しつけられます。こうした力が働くことから、独立懸架式よりも接地性能の面で有利となるのです。

加えて、サブトランスファーを備えたパートタイム式4WDシステムも、信頼性の高い構造のひとつです。SUVはフルタイム4WDシステムがスタンダードですが、ほとんどが電子制御であるシステムは、電気系統にトラブルが発生した場合は十分に機能することができません。ジムニーの4WDシステムは、ほぼアナログ。

先代では2WD↔4WDの切り替えが電気式だったのも、レバー式に戻したほどです。つまり、前輪のハブ(ドライブシャフトとタイヤ&ホイールを断切する機構)を電磁式から機械式に変えさえすれば、完全なアナログメカになるのです。これは、メカトラブルの恐れが極めて少ないことを意味しています。

さらにサブトランスファーは、悪路で必要な強力な駆動力をジムニーに提供してくれるだけでなく、プロペラシャフト(エンジン駆動力を前後輪に伝える車軸)の一部が折れた場合に、その部分を外してFFで走行を続けるという裏ワザも可能です。

「道具」として突き詰められたジムニーの美学

© yo camon/stock.adobe.com

こうした前時代的とも言えるメカニズムを備えたクルマは絶滅危惧種であり、他にはJeepラングラーしか見当たりません。ランドクルーザー300系やGクラスはフルタイム4WDで、しかもいまや電子制御の塊となっているので、もし電気系トラブルが発生した場合は為す術がなくなるかもしれません。

それを考えると、エンジンやブレーキ系などに電子デバイスを使っているジムニーですが、基本的なメカニズムは極めてシンプルです。

それは道具としての信頼性が高いことを意味し、また自動車メカニズムへの造詣があれば、セルフレスキューも可能だということです。加えて、狭いオフロードでも臆せず入っていけるコンパクトなサイズは唯一無比。筆者も年間1万km近くジムニーで走っていますが、林道などに入る機会が多く、ジムニーでなければ無理だったというシーンが多々あります。

ジムニーは単なるファッションアイテムではなく、「道具」として突き詰められた本物だから持っているステイタスが世界中のファンを魅了しているのではないでしょうか。

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SUVというカテゴリは今や自動車のボディタイプの主流になっています。しかし、初めから現在のような特徴を持っていたわけでは...

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執筆者プロフィール
山崎 友貴
山崎 友貴
1966年生まれ。四輪駆動車専門誌やRV雑誌編集部を経て、編集ブロダクションを設立。現在はSUV生活研究家として、SUVやキャンピングカーを使った新たなアウトドアライフや車中泊ライフなどを探求中。現在の愛車は...

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