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「ポルシェは成功者の証」って本当?フェラーリやランボより選ばれる理由
「スーパーカー」と呼ばれる超高性能車のなかでも、フェラーリ、ランボルギーニ、ポルシェの3メーカーは古くから憧れの対象となってきました。
圧倒的な性能と派手なデザイン、そして数千万円にも上る車両価格から、「成功者の象徴」として見なされることも多いスーパーカー。しかし、この3メーカーのなかでも特に選ばれているのがポルシェです。
日本自動車輸入組合(JAIA)の発表によれば、2021年度の日本国内におけるポルシェの新車販売台数は7,073台。フェラーリが1,299台、ランボルギーニが461台であることをふまえれば、スーパーカーとして断トツの普及率であるとも考えられます。
生産規模や価格帯の違いもあるとはいえ、なぜこれほどポルシェは選ばれているのでしょうか。実際にポルシェを所有する人たちに、フェラーリやランボルギーニとの違いという面から、ポルシェを選んだ理由を聞いてみました。
ポルシェの「哲学」に対する共感
しばしば聞かれたのが、ポルシェの車づくりにおける哲学への共感です。20年以上にわたり、4台の911を乗り継いでいる50代のAさんは以下のように話します。
「イタリア系のスーパーカーは『官能的』とよく表現されますよね。一方で、ドイツ車は質実剛健のイメージがあり、ポルシェはそのなかでも機械的な信頼性が非常に高いです。私も乗り換えのたび色々な車に試乗していますが、やはりギアとして信頼できるというところで、毎回911を選んでいますね」
さらに、ポルシェを象徴するモデル「911」においては「水平対向6気筒」「リアエンジン・リアドライブ」といった伝統を重んじつつも、常に最先端のテクノロジーを取り入れていく点にポルシェの魅力を感じるオーナーもいるようです。これについても、Aさんは興味深い内容を聞かせてくれました。
「車好きの間では、『最新のポルシェが最良のポルシェ』という言葉があるじゃないですか。これは単純に新しいものの方がいい、というだけではなくて、ポルシェが新しい技術を柔軟に取り入れていく姿勢を示していると思うんです。
たとえば以前だと、空冷エンジンから水冷エンジンに変わった時とか、最近だと4気筒のケイマンが出た時とか、結構ファンの間で物議を醸したと思うんですね。でもやっぱり乗ってみると、変更するだけの実利的なメリットが感じられて、毎回『さすがポルシェだな』と思わされるんですよね」
その他、ピュアEVの「タイカン」をはじめ、ポルシェは新しい動力についても積極的に活用の方途を探っています。先進運転支援システム(ADAS)についても、フェラーリやランボルギーニはスポーツモデルへの導入に対して消極的ですが、ポルシェは現行の911にレベル2相当のADASを採用するなど、対照的な姿勢を見せています。
合理性に対する独自の思想や、走行性能への飽くなき追究心といった企業方針が、成功者と呼ばれる人々から共感される大きな要因になっているのかもしれません。
「気兼ねなく乗れる」点も魅力
さらに、「普段遣いのしやすさ」という点も、共通して聞かれたポイントです。1年前にはじめて現行モデルの911を購入した30代のBさんは次のように話します。
「運転しやすさが大きいですね。スーパーカーは色々気を遣うようなイメージがありますけど、ポルシェは肩肘張らずに乗れる感じがします。普段の買い物にも使えて、走行性能も抜群っていうのが私にとっては魅力でした。
911のサイズ感なんかも含めて、日本の道路での乗りやすさなんかも考えると、実用性の面でポルシェが選ばれやすいんじゃないかなと思います」
ポルシェのラインナップを見てみると、他のスーパーカーメーカーに比べ、デイリーユースを重視した車種を揃えていることがわかります。
ボディタイプにおいても、ポルシェはプレミアムSUVのパイオニアとなった「カイエン」のほか、よりコンパクトなSUV「マカン」を展開。フェラーリやランボルギーニが2ドア以外のボディタイプに消極的なのに対し、4つのドアを備える「パナメーラ」や「タイカン」といった車種を設定し、それぞれにラゲッジルームを広げたワゴンタイプも展開しています。
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乗る場面を選ばない、なじみやすさ
上述の「普段遣い」とも通じるポイントですが、ポルシェの「派手すぎないデザイン」も選ばれる理由になっているようです。ボクスターとカイエンの2台を所有する50代のCさんは次のように語ります。
「フェラーリやランボルギーニはいかにもスーパーカーといった出で立ちですが、ポルシェは911であってもそれほど主張が強くなく、街中で視線を一点に集めるようなことは少ないと思います。なので、近所で目立ったり、嫉妬の対象になったりするリスクは比較的少ないんじゃないかなと思います」
フェラーリやランボルギーニはスタイルからして「非日常の世界」を演出しているのに対して、ポルシェの多くのモデルは街並みに溶け込みやすい印象があるようです。先のAさんも、ポルシェの「なじみやすさ」について同様の見解を示します。
「ポルシェはどちらかというと、ベンツやBMWといったメーカーと近い位置づけで見られることが多いように思います。普通に走っている高級輸入車というか。芸能人とかスポーツ選手とか、そういう世界の人であれば派手な車でもいいかもしれませんが、派手なことが悪目立ちにつながってしまうこともありますので」
圧倒的な性能を誇るスーパーカーのなかでも、普通の車として使える利便性や、最新技術の積極的な採用による先進性といった部分が、ポルシェの魅力となっているようです。
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- 執筆者プロフィール
- 鹿間羊市
- 1986年生まれ。「車好き以外にもわかりやすい記事」をモットーにするWebライター。90年代国産スポーツをこよなく愛し、R33型スカイラインやAE111型レビンを乗り継ぐが、結婚と子どもの誕生を機にCX-8に乗り換える...