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【ランボルギーニ イオタは幻の一台】歴史や価格から謎のレプリカSVRについても

ランボルギーニ イオタは、世の中の人々にその存在が知られる前に焼失してしてしまいました。その後、イオタを求める人々はそのレプリカSVJの製作をランボルギーニに依頼するようになりました。日本には長い間これが本物のイオタと思わせたSVRと呼ばれるモデルが存在します。そのイオタに関するあらゆるデータをまとめました。

ランボルギーニ イオタとは?

ランボルギーニ イオタは、ランボルギーニの製品として正式なプロジェクトで開発された車ではなく、カタログにラインナップされた車でもありません。
当時ランボルギーニの開発メカニックであったボブ・ウォレスの指揮のもと、FIAの国際競技コードのJ条に則った実験車として、1969~70年における約11ヶ月という短期間で制作された一台でした。
社内では「ボブのおもちゃ」「ボブの車」と呼ばれていました。
その後、3万kmほどの走行実験後に売却されました。
上記のJ条からイオタ ( JOTA )と命名されました。

見た目は、スーパーカーの「祖先」や「始まり」と言われている「ランボルギーニ ミウラ」によく似ています。
ミウラの最大の特徴と言ってもいい、ポップアップ式のヘッドライトではなく、固定式のヘッドライトが採用されました。
パワートレインであるV12気筒エンジンは、ミウラと同じくミッドシップ横置きのレイアウトでした。

イオタ誕生の秘話!

イオタの誕生には、諸説あります。
ひとつは、ボブがミウラのテスト走行中に事故にて全損してしまったそのミウラをベースとして製作したという説です。
もうひとつは、最初からJ条に則った実験車の制作のために一から製作という説です。

前者の方がドラマチックで、伝説の始まりを予感させるストーリーではありますが、後にボブが確かに事故はあったが、それは他の車(350GT)であり、ミウラではなかったと語っています。
オリジナル イオタの(製造)No.は、イオタと命名され出荷される際に付けられています。
またイオタのシャシーはミウラのそれとは異なりオリジナルですので、事故とは全く関係のないものです。

イオタの名称

イオタの名称には何種類かあります。
ランボルギーニ イオタの正式名称は「ランボルギーニ ミウラ コンペティシオーネト」です。
ですが一般的には「ミウラ・イオタ」もしくは「ミウラSVJ」という言い方の方が通っています。
SVJとは、ミウラのオーナーがイオタに改造して欲しいという要望に応えるために付けられた名前です。
ミウラは P400 → S → SVと進化してきました。
イオタに改造するには最終型であるSVにアップデートし、SVをベースにしてJOTAに改造することからミウラSVJと呼ばれます。

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幻の一台!それが本物のイオタ

クローン イオタ

オリジナル イオタもしくはリアル・イオタと呼べるのは、ボブが最初に製作した最初の1台のみです。(写真はオリジナル イオタを再現したクローン イオタです。)
「ランボルギーニ ミウラ コンペティシオーネト」と呼べるのこの1台だけです。
ミウラのように見えるボディですが、ミウラと共通した部品はルーフだけであり、他のボディ部品は全てイオタのためにワンオフで製作された特別なものでした。
内装もミウラのそれとは全く異なるデザインが採用されました。
製品ではなく、あくまでもレースカテゴリーに合致した車ですから豪華さではなく、軽さを優先してデザインされました。
余計なものは何もなく、走りに徹するためのコクピットに仕上がっています。

オリジナル イオタのスペック

エンジン種類V型12気筒DOHC
排気量4.0L
圧縮比11.5
最高出力328[446]/8,500
最大トルク403[41.1]/6,500
トランスミッションZF製5MT
駆動方式MR
使用燃料ハイオク
[単位]最高出力:kW[PS]/rpm 最大トルク:N・m[kgf・m]/rpm

最高出力はカタログ上は440PSですが、ボブの実測値では402PSでした。

全長全幅全高
4,3901,7801,000
ホイールベース車両重量乗車定員
2,5059002
[単位]全長・全幅・全高・ホイールベース:mm 車両重量:kg 乗車定員:人

イオタ消失!

オリジナル イオタは既に存在しません。
1971年4月28日、当時のオーナーであったインテルアウトというディーラーを経営していたエリンコ・パゾリーは、助手席に同ディーラーのジョパンニ・ペデリネリを乗せ、テスト走行に出かけました。
まだ開通していない新設の道路で240km/hでフロントが浮き、クラッシュしてしまいました。
クラッシュが原因で出火し全焼、オリジナル イオタは無残な姿になってしまう結果となってしまいましたが、奇跡的に両名とも一命をとりとめました。

生き残ったイオタオリジナル エンジンの行方

V型12気筒エンジン(ランボルギーニ ミウラ)

ミウラ エンジン

オリジナル イオタの残骸はランボルギーニが回収しました。
回収といっても有料でその全てを引き取るという形であり、事故の詳細は一切発表されていません。
無残に散ったオリジナルイオタの残骸がその後どうなったかは不明です。
しかし、エンジンブロックは生き残り、再生可能な状態でした。

ミウラへの搭載

オリジナル イオタが消失したその日にオーダーされた1台のミウラSVがありました。
その時点ではまさか伝説を引き継ぐ1台にあるとはオーナーは知る由もなかったことでしょう。
そのミウラ(No.4878)には、ランボルギーニによって回収・購入されたオリジナル イオタの残骸から取り出された心臓部、すなわちエンジンが移植されたのです。
ボブ自身がエンジンのみ再利用したことを証言しているので間違いのない事実でしょう。

ランボルギーニ イオタの価格

価格 お金 現金 費用 税金 維持費

当時ランボルギーニ ミウラの新車が800万リラで、SVJが1300万リラでした。
現在、ミウラSVは1億円以上しますので、SVJは更に高い値がつくのは明らかです。
イオタが売りに出ることがほとんどありません。
数年前に日本でSVRが売りに出ましたが、価格はASKとなっており時価でした。
2015年のRMオークションでは約190万ドル(2億1500万円)で落札されていますので、この価格がひとつの基準になります。
ミウラの価格が毎年上がっていますので、SVJの価格は確実にそれ以上ということにあるのは間違いでしょう。

ランボルギーニ イオタのレプリカたち

ランボルギーニが認定しているイオタは9台のみ!

ランボルギーニがイオタに改造した車のみを正式なイオタとしてカウントするのであれば、現在明確に認定されているイオタは9台です。
イオタの中にはランボルギーニ以外で改造された車も多く、それらはイオタとは認定されません。
その台数も含むとなると一体何台になるのかはつかめていません。
この正式な台数は、10年程前までは6台だと言われていましたが、その数は徐々に数が増えてきています。
今後もランボルギーニで改造された記録があるミウラが発掘されるかもしれません。

ランボルギーニ イオタSVR No.3781

日本に存在するイオタSVRです。
ミウラSをベースとしていて、ドイツ人からの依頼でランボルギーニに持ち込まれイオタに生まれ変わりました。
当時、西ドイツでランボルギーニのディーラーであったフーベルト・ハーネが依頼したと語り継がれていましたが、それは本人が否定しています。
日本でイオタと言えばこのSVRのことであり、SVJはレプリカと思われていた時代もありました。

ランボルギーニ イオタSVJ No.4088

1981年にランボルギーニのオーナーになったパトリック・ミムラン自身が持ち込んだミウラSがベースのイオタSVJです。
オーナーのイオタであったため、ランボルギーニに広報写真にイオタとして使用されていたことで有名なイオタです。

ランボルギーニ イオタ SVJ スパイダーモデル No.4808

ランボルギーニ イオタ

1971年のジェネーブショーで、ミウラSとして出品された車そのものです。
このSVJは唯一のスパイダーモデルで、ランボルギーニが製作しています。
見た目はスパイダーには見えず、手動でハードトップを取り外すことができます。

ランボルギーニ イオタ SVJ No.4860

ドイツでランボルギーニのディーラーだったフーベルト・ハーネが持ち込んだミウラSVがベースのSVJです。
SVJ1号車と呼ばれている車でもあります。

ランボルギーニ イオタ SVJ No.4934

イランのパーレビ国王が依頼したミウラSVがベースとなったSVJです。
1997年にハリウッドスターのニコラス・ケイジが所有していたことからニコラス車として有名でした。
現在はその手を離れています。

ランボルギーニ イオタ SVJ No.4990

フェルッチオ・ランボルギーニの旧友で、ハイチで高級ホテルの経営者アルベルト・シルベラが依頼したSVJです。
ミウラSVをベースにしています。

ランボルギーニ イオタ SVJ No.5084

長い間、オリジナル イオタと言われていたシャシーナンバー。
イタリア人のオーナーによって依頼されたSVJです。

ランボルギーニ イオタ SVJ No.5090

フェルッチオ・ランボルギーニの友人であるフランス人から依頼された新車から製作されたSVJです。
他のSVJとは異なり動力性能も向上されており、ドライサンプのエンジンを搭載されていると言われています。

ランボルギーニ イオタ SVJ No.5110

最後のイオタと言われているSVJです。
ランボルギーニは、テスト中にクラッシュしたNo.4956(SV)を弁償し、代わりにNo.5110を納車しました。
現在、No.4956は No.5100と同じ場所にあり再生中です。

謎のレプリカ ランボルギーニ イオタSVR

他のイオタとは明らかに異なるオーラを発するSVRは、日本に存在します。
SVRという表記はランボルギーニに正式に記録されている名称であり、世界に1台しかない特別なイオタなのです。

エンジン種類V型12気筒DOHC
排気量4.0L
最高出力294[400]/8,500
最大トルク-
トランスミッション5MT
駆動方式MR
使用燃料ハイオク
[単位]最高出力:kW[PS]/rpm 最大トルク:N・m[kgf・m]/rpm
全長全幅全高
4,3902,0001,100
ホイールベース車両重量乗車定員
-1,3302
[単位]全長・全幅・全高・ホイールベース:mm 車両重量:kg 乗車定員:人

日本では本物のイオタと信じられていた!

1970年代後半に日本中の子供たちを席巻した「スーパーカーブーム」、その時には既に日本に存在していたランボルギーニ イオタSVR。
誰もがSVRこそがイオタであり、イオタはSVRだと信じ込んでいました。
しかしSVRはレプリカの1台でした。
それでもSVJにはない目立った特徴があり、やはり特別なイオタとして君臨しています。

SVRの4つの特徴

そのSVRの大きな特徴は4つあります。
①まず迫力のリアオーバーフェンダーです。
これはイオタへの改造を依頼時に依頼主から持ち込まれたメッシュで極太なBBSホイールを収めるために特別に作られた部分であり、SVJにはないデザインです。

②次にルーフウィング。
これもSVJにはないSVRだけの装備で角度調整が可能です。

③そして、フロントのチンスポイラーです。
フロントタイヤのアーチまで伸びたそのデザインは独特で、カナードを兼ねているようなデザインです。

④最後はシートです。
SVJのシートはミウラに準ずるものですが、SVR には5点式シートベルトを装備した専用バケットシートが奢られています。

クローン ランボルギーニ イオタ

それはランボルギーニの創立40周年記念、ランボルギーニの本社で開催されたイベントにて現れたのです。
オリジナル イオタが、現代にタイムスリップしてきたのではないかと思わせるその姿に誰もが驚いたその車こそが No.3033のイオタ、通称クローン イオタです。
ここまでオリジナルにそっくりなイオタですが、ランボルギーニが製作した正規のイオタではないことに人々は改めて驚くことになりました。

それはイギリスで制作された!

イギリスの田舎町にある「ザ・カー・ワークス」で製作されました。
クローン イオタの製作には、11年の歳月と25万ポンド以上の資金がつぎ込まれました。
残されたオリジナル イオタの写真と一部の設計図を元にオリジナルを忠実に再現したのがクローン イオタです。
よって、ミウラから流用した部品はオリジナル イオタと同様、ルーフだけなのです。

あのボブ・ウォレスも関与

エンジンなどメカニカルな部分は、アメリカのアリゾナ州フェニックスにある「ボブ・ウォレス・カーズ」、あのボブ・ウォレスが担当しました。
オリジナル イオタを作成した本人によって、再び組まれたエンジンは正にクローンと言えるでしょう。

ランボルギーニ イオタとは何なのか?

ランボルギーニ イオタはなぜこんなに神秘的なのでしょうか?
まだ、世の中に認知されていないミウラSVJは、何台かありそうです。
クローン イオタのようにランボルギーニ製出なくてもイオタSVJ以上のクオリティを持った個体もあるかもしれません。
既に存在が明らかになっている個体であっても、その素性が明確でないイオタはやっぱりミステリアスです。
これからもランボルギーニファンに限らず、車好きなら目が離せない車、それがイオタではないでしょうか?

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この記事の執筆者

久太郎この執筆者の詳細プロフィール

漫画「サーキットの狼」がきっかけとなり、1970年後半のスーパーカーブームに感化され未だにその熱が覚めず現在に至る。 特にヨーロッパ車の文化とデザインに魅了された車好きです。 現在の愛車はちょっと古めのフェラーリです。 この車は、工業製品でありながら芸術品でもあり、次のオー...

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