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なぜ日本で日産の海外専用チャンネル「infiniti」は展開されないのか?
日産の海外専門チャンネルであるinfiniti(インフィニティ)は、日本でもファンが多いブランドです。それなのに、なぜレクサスのように日本展開がされないのでしょう。
それには、世界を取り巻く自動車事情や現在の日産の事情が密接に関わっています。果たして今後、インフィニティが日本展開される日は来るのでしょうか。
目次
日産はインフィニティの日本展開も考えていた
インフィニティは1989年に北米向けに展開された日産の高級車ブランドであり、今や世界中に数多くのファンを持つ世界的ブランドに成長しています。
しかし、日本には正規輸入されていないため、インフィニティの車に乗るには逆輸入のかたちで並行輸入するしか方法はありません。
実は日産社内でも、かねてからインフィニティの日本展開は検討されていました。
実際に、日産オーナーへ向けて「国内にインフィニティブランドが展開されたら店舗に訪問するか」といったアンケートも行われていましたが、メーカーや販売店の負担が大きいとの懸念から、いまだ実現には至っていません。
トヨタ、レクサスに対して日産は資本力不足
そんななかで、インフィニティのライバルの一角であるトヨタのレクサスは、2005年8月から日本展開を開始しています。これによりレクサスは国内で高級国産車ブランドの地位を確立したといってもよいでしょう。
現在、国内販売における高級国産車はレクサスの独壇場となっています。しかし利益は上げられているものの、当初の目的であったメルセデス・ベンツやBMWなどの欧州プレミアムカーの牙城を崩したとは言い切れず、大成功とは言い難いものがあります。
トヨタがレクサスを日本で展開できたのは、そのネームバリューの高さと強大な資本力によるところが大きく、1990年代後半から苦境に立たされている日産には、インフィニティを国内展開する余裕はありませんでした。
仮にレクサスが大成功を納めていれば、インフィニティもそれに便乗して大々的に日本で展開したかもしれません。しかし、レクサスの成功とも失敗ともいえない結果を見て、日産はインフィニティの展開を断念した可能性も考えられます。
- 執筆者プロフィール
- 伊藤友春
- 1981年生まれ。自動車専門Webライターとして執筆活動中。自動車の構造に明るく、ほとんどの整備や修理をDIYでこなす。輸入車・コンパクトカー・変わったデザインやコンセプトの車が好きで、現在の愛車はその最た...