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「なぜドライバーは速度を落としてしまうのか」トンネルの“魔法”と“変な感覚”のせいで大事故になることも

「どこを走っているかわからなくなる」気がするのはなぜ?

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トンネルの中を走っていくと、車線と壁の境界線が分かりにくくなることも多々あります。特にかまぼこ型のトンネルで、トンネル内部がオレンジ色の明かりで照らされている場合は、この感覚が顕著になります。

この条件で走行を続けていくと、路面の端とトンネルの壁の境界面が分かりにくくなり、気が付くとトンネルの壁に吸い寄せられていくような感覚になってきます。

これは、トンネルに入るまでにあったガードレールやポールが無くなり、オレンジ色の光で車線が認識しにくくなると、ドライバーは自分が今車線のどこを走っているのかを認識しづらくなり、混乱するためです。

視線の先に目標物が無くなってしまい、走行ラインのイメージが大きく欠如するために発生する感覚になります。

最近では、白色のLEDで照らして、外と中の視覚的な色味が近くしているトンネルも多くなりました。また、ポールを並べるなど、目標物を置くことで、走行ラインをイメージしやすくなるよう、トンネルも改良されています。

©︎dejank1/stock.adobe.com

しかし、まだまだ古いトンネルではオレンジの光と、ポールなどの目標物が無いところがあります。こうした場所を走る際には、視線を誘導できる目標物(車線等)を速やかに見つけ、走行ラインのイメージを切らさないことが重要です。

壁に吸い寄せられる、もしくは中央線に寄って行くことは大事故に直結するので、オレンジ色のトンネルに入る際には細心の注意を払って運転しましょう。

トンネルの中に入るとふわふわする?

©Goran Jakus/stock.adobe.com

視覚から得られる情報が、トンネルの中と外では大きく変わるため、トンネルの中では目から得られる情報を脳内で処理して理解するまでに少し時間がかかります。

急激な情報の変化のせいで、脳内で少しパニックが発生し、情報処理をしきれなくなると、ふわふわした感覚を得ることもあるようです。

閉鎖的な空間に入ることで、体は少しストレスを感じます。これに加えて、光の強さが大きく変化するトンネル内では、視覚的情報から受けるストレスも増え、情報処理能力が低下するというのも、ふわふわ感を引き起こす一つの理由です。

また、長い間トンネルを走っていると、刺激的な状況の変化に慣れ、逆に刺激が弱まることで、感覚が鈍くなってしまうこともあります。

一般的にドライバーは、周囲の景色が流れていくことで速度を認識し、スピードメーターを常に見なくても自分が加速しているのか減速しているのかを感じ取っているのです。これを流体刺激といいます。

トンネルの中のように、常に同じ色の壁が同じように後ろに流れていく状況になると、流体刺激が弱くなってしまうため、速度の感覚を失いやすくなるのです。

そのため、加速と減速の感覚を失いかけてしまい、走行中にふわふわした感覚を生じやすくなります。

このふわふわ感は無意識のうちに襲ってくるので、「危ない」と思ったときには速度が出すぎていることも。トンネル内では車間距離を多めにとる、スピードメーターをこまめに確認するなどして、自分がどのくらいの速度で走行しているのかを常に認識しておく必要があります。

まとめると、トンネルの入り口では刺激が急激に増え、トンネルの中頃では刺激が大きく減少することが、運転者の感覚を大きく狂わせてしまう原因です。

こうした認識を持って、注意力を高めて運転することが、安全に走行するための方法になります。

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執筆者プロフィール
Red29
Red29
1980年代生まれ。国産ディーラーでの営業職として働き、自動車関連の執筆者として独立。ユーザー目線に立った執筆を心掛けています。愛車はトヨタプリウス。ホットハッチに代表される、小規模小パワーのクルマが...

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