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「なぜドライバーは速度を落としてしまうのか」トンネルの“魔法”と“変な感覚”のせいで大事故になることも
トンネルの中を走行していると感じる“変な感覚”
トンネルの中を走行していると、自分の運転感覚に微妙な変化を感じることはありませんか?
高速道路のトンネルで渋滞が発生しやすい原因のひとつは、トンネルの中に入るとドライバーが無意識のうちに走行速度を落としてしまうためです。
車を運転しているときに、目に入ってくる情報は様々です。目の前を走っている車との距離、その周辺のガードレールやポール、車線、そして風景の流れというように、距離や速度の異なるものを、一度に認識し、情報処理を行いながら運転をしています。
トンネルは特別な環境であるため、視覚に対して大きな影響を与えてしまうことがあります。
こうした視覚から得られる情報が、トンネルに入った際に大きく変化するため、トンネルに入ると運転感覚に違和感を抱くことがあるのです。
壁の方に吸い込まれそうになる感覚の正体は?
例えば、トンネルの入り口付近で発生するのが、急に道幅が狭くなったように感じることがありますです。
これは、明るく開けた昼間の道路から、暗く閉鎖的なトンネルの中に入った際に、周辺視野でとらえていた風景の流れるスピードが大きく変化するためと言われています。
トンネルの壁は、周囲の街並みや山々の風景よりも非常に近く、後方へ流れていく景色がものすごく速く感じるために、視覚的に強い刺激となり、トンネルの壁が迫ってくるように感じたり、走行している車線が狭く感じたりするようになるのです。
行楽シーズンなどに大きなトンネル周辺で渋滞が激しくなるのは、この視覚的な変化が一つの要因になっています。閉鎖的なトンネルの中に入ると、無意識のうちにスピードを落としてしまうので、速度の低下が後続車両に影響し、長い渋滞を引き起こすのです。
- 執筆者プロフィール
- Red29
- 1980年代生まれ。国産ディーラーでの営業職として働き、自動車関連の執筆者として独立。ユーザー目線に立った執筆を心掛けています。愛車はトヨタプリウス。ホットハッチに代表される、小規模小パワーのクルマが...