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渋滞時はどっちが危ない?エンジン車のガス欠vsBEVのエネルギー切れ…結果に驚愕
BEVで渋滞にハマったら、エアコンは切るべき?
BEVでも渋滞中にエアコンを使えば、走行以外でバッテリーに蓄えたエネルギーを消費します。
バッテリー容量が60kWhで、エアコンの消費電力が1500W程度であると仮定すると、エアコンを点けた状態でずっと同じ場所に停車していたケースで40時間は維持できる計算です。
意外なことに、エアコンを点けた状態であっても、渋滞でエンジン車のガス欠やBEVの充電切れが発生する可能性は低いといえます。BEVだからといって「渋滞だからエアコンを切らなければ……」と心配する必要はないということです。
ところが、現状のBEVでは、エネルギーが空となった際の対応の難しさや不便さが指摘されています。
現在「CHAdeMO」という規格に対応した急速充電器が日本各地に設置されており、2018年時点では約7,000台が稼働しているとされています。
しかし、これは日本各地のガソリンスタンド件数と比較すると遠く及びません。経済産業省資源エネルギー庁は、2020年3月の時点で2万9,637件の給油所数が存在すると発表していますので、いざというとき、BEVでは近くに充電スポットがないという可能性は充分考えられるでしょう。
また、急速充電器を利用しても、30分から1時間程度の充電時間がかかります。充電器に待機列ができていれば、さらに待ち時間を余儀なくされるでしょう。
これらの状況から考えると、BEVが車列に多くいるような高速道路渋滞が起きた場合、その先のSA・PAの充電器が埋まってしまう可能性もあります。
ある日産の系列ディーラーの担当者は「店舗に設置されている急速充電器は、24時間いつでも使えるように設置しています。現状では限られてしまっていますが、各地にある充電スポットを活用してドライブを楽しんでいただければと思います」とコメントしていますが、今後、BEVの普及と同時に、充電スポットの拡大や車両自体の性能の改良が急務となるのは間違いありません。
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- 執筆者プロフィール
- 長谷川 優人
- 1990年生まれ。30代突入と同時期にライター業を開始。日常系アニメと車好き。現在所有はワゴンR(MH95S)。アニメ作品の聖地巡礼などで、各地へドライブに出かける。