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それやると危険!MT車での急ブレーキ時のペダル操作、“クラッチと一緒に踏む派”は今すぐやめるべき理由

なぜ、急ブレーキの際にクラッチを切ってはいけないのか

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なぜ、急ブレーキの際にクラッチを切ってはいけないのか、その理由は2つあります。

1つは制動距離をできるだけ短くするためです。ペダル操作をブレーキだけにすることで、ブレーキの踏力が高まるのと同時に、ブレーキ操作に集中できます。また、アクセルを離した瞬間から、微細ですが車にはエンジンブレーキがかかり、フットブレーキ以外でも減速しようとするのです。

ここでクラッチを切ってしまうと、エンジンブレーキを制動力として使うことができなくなります。また、2つのペダルを操作することで、肝心のブレーキへの踏力が下がってしまう懸念も出てくるのです。まずは、ブレーキを強く踏み、車を止めることに全力を注ぐのが、急ブレーキ時に必要な対応です。

もう1つの理由は、車の避ける能力をできるだけ残しておくためです。クラッチを切ってしまうと、エンジンからの動力が遮断され、エンジンからタイヤへつながる駆動力が失われます。すると、車が急にふわふわした動きに変わるのを実感できるはずです。

車の動きを支えるタイヤは、駆動力がかかっていることで安定します。タイヤには地面をけり出す摩擦力とエンジンからクラッチを通じて得られるエンジン駆動力の2つの力がかかり、走る・曲がる・止まるの動きを安定して行うことができるようになっているのです。

エンジンからの駆動力は、いわばタイヤを地面に押さえつける力に近くなります。機会があれば、クローズドの敷地内で一定のスピードを出し、直進状態でクラッチを切ってみてください。すると走行中のタイヤの接地感が薄くなることがわかるでしょう。

緊急回避をするためにもクラッチは切らないで

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急ブレーキを踏むシチュエーションでは、緊急回避も同時に発生する可能性が高くなります。

回避時のステアリング操作に対して車が追従する性能は、エンジン駆動力のつながっているクラッチがつながっている状態の方が高くなりますから、急ブレーキをかける際には、クラッチは切らない(できるなら完全停止する直前にクラッチを切る)というのが安全というわけです。

まとめると、MT車の急ブレーキは、クラッチは踏まずブレーキだけを踏むというのが、制動距離が短くなり、車の回避性能も落とさない最も優れた運転方法ということになります。

MT車に乗る機会がめっきりと減った昨今ですが、急ブレーキ対応は学科試験にも出てくる基本中の基本です。正しく理解し正しく実行するのが、事故回避へつながる第一歩となります。

AT車でもMT車でも、急ブレーキ時にはブレーキだけを強く踏み、次にステアリング操作で回避行動を優先するという心構えで運転するべきです。

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執筆者プロフィール
Red29
Red29
1980年代生まれ。国産ディーラーでの営業職として働き、自動車関連の執筆者として独立。ユーザー目線に立った執筆を心掛けています。愛車はトヨタプリウス。ホットハッチに代表される、小規模小パワーのクルマが...

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