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販売現場は納車できる車はない!?最近の新車の納期遅れはいつまで続くの?
日本車メーカーの現在の新車納期は?(2022年7月時点)
現在は、すべての国産自動車メーカーがホームページのトップページ上で部材不足による新車の納期遅れのお詫びや案内を掲示している状態です。そのなかでもトヨタ、レクサス、ホンダは車種ごとにおおまかな納期を提示してくれています。
トヨタ
トヨタでは、ハイエース、C-HRの納期は4〜6ヵ月。ヤリスは5ヵ月、アクアは6ヵ月としています。プリウス、カローラ、アルファード/ヴェルファイアなどその他の車種は仕様によって納期が大きく異なるためか「販売店にお問い合わせください」と案内されています。納車まで4〜5年とされていた新型300系ランドクルーザーは現在受注停止中です。
レクサス
レクサスはLSやUX、RXなどほとんどのモデルが3ヵ月以上の納期です。そのなかでもハイブリッドモデルは5ヵ月ほどと長くなり、現在もっとも人気のNXは半年以上かかるとのこと。その他の車種については「販売店に問い合わせてください」との旨が記載されています。
ホンダ
ホンダでは、アコード、インサイト、シビックの納期は1ヵ月程度、ステップワゴンやフリード 、CR-Vやヴェゼルは2〜3ヵ月、N-BOX、N-ONE、N-VANは5〜6ヵ月となっています。ホンダは比較的納期が早いモデルがあるものの、グレードやボディカラーが限定されるとのことです。
また、他メーカーと同じくハイブリッドモデルはいずれも3〜6ヵ月と納期が長くなります。パノラマルーフが標準装備されるヴェゼル PLaYグレードはガラスルーフの製造が追いつかないため、現在は受注停止中です。
その他の国産メーカー
その他のメーカーでも、納期が早い車種は2ヵ月程度、遅い車種は3〜6ヵ月ほどかかるようです。トヨタ、レクサス、ホンダを含む、これらの納期はあくまで工場出荷までの目安であり、部品の調達状況によっては遅くなることもあります。また、生産スケジュールや輸送の関係により納期がわずかに早くなる場合もあるようです。
納期の早い新車はある?
ハイブリッドカーやEVよりも、半導体の使用個数が少ない純ガソリン車のほうが納期が早い傾向にあります。
小型車は比較的納期が早いものの、人気に応じた受注状況に加え、装着オプションやボディカラーなどの仕様によっても納期は大きく変動するため一概に納車が早いとはいえません。
また、輸出用の車が優先されて製造されるため、国内向けと輸出仕様が同じ車よりも、国内専売モデルを選ぶことで比較的納期が早くなる傾向にあるようではあるものの、劇的な差とはならないでしょう。
新車の納期遅れはいつまで続く?
半導体供給不足は2022年夏ごろには解消する予測が立てられていましたが、2022年7月現在でも回復の兆しは見られません。
台湾の半導体メーカーであるTSMCが新設する、日本とアメリカの新工場の稼動予定が2024年であるため、それ以降は半導体供給が徐々に回復すると見込まれています。
しかし、いまだ各地でクラスターが頻発しているため、遅れることはあっても半導体供給量回復が現状より早まることは考えにくいでしょう。
自動車製造に関わるその他の部材についても、ロシアのウクライナ侵攻は収束の影すら見えないこともあって、新車納期問題の先行きは不透明といわざるをえません。
困っているのは新車購入者だけではない?
新車が手に入らないことで中古車への乗り換えるケースも増えています。現在は中古車も価格高騰かつ不足気味です。その代わり、これまで見向きもされなかった古いSUVにも注目が集まっており、中古車査定額も全体的に上昇傾向にあります。
また部材不足の影響で、価格高騰中の希少金属を狙ってマフラー盗難ならぬ触媒盗難まで多発しており、とくに触媒に希少金属が多く使われている古い車に載っている方ほど注意が必要です。
このように、半導体不足に端を発する新車の納期遅れは、新車購入者以外にも影響をおよぼしつつあります。
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- 執筆者プロフィール
- 伊藤友春
- 1981年生まれ。自動車専門Webライターとして執筆活動中。自動車の構造に明るく、ほとんどの整備や修理をDIYでこなす。輸入車・コンパクトカー・変わったデザインやコンセプトの車が好きで、現在の愛車はその最た...