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「緊急時はお店の駐車場を市町村が開放」って本当?台風や大雨から車を守る制度とは
9月は、台風や急な大雨が増えるシーズン。台風の影響を受けた洪水や大雨の被害から車を守るにはどうしたらよいのでしょうか?愛車を避難させられる場所はあるのでしょうか?
お客様駐車場を市町村が開放してくれるってホント?
近年の大雨被害の増加に伴い、緊急避難用の駐車スペースを提供する民間のお店も見かけるようになってきました。
例えば、神奈川県海老名市では、民間のお店が所有しているお客様駐車場を台風などの災害時に「緊急避難先」として提供する協定が結ばれています。
海老名市は、2019(令和元)年に発生した台風19号での経験を踏まえて、市内に立体駐車場を所有する企業と「水害時緊急避難場所としての駐車場の一時使用に関する協定」を結びました。
この協定は、海老名市内にあるスーパーマーケットやショッピングモール、パチンコ店にある2階建て以上の高台に設けた立体駐車場を用いて、合計で約7,500台の駐車スペースが無料で開放されるというもの。
台風による影響で、神奈川県の山奥にある城山ダム」相模原市)に蓄えられた水が神奈川を代表する大型河川相模川へ放流された際、大量の水で川があふれてしまう危険が考えられます。
人々が自宅に閉じ込められたり、車が冠水したりするなどの被害を減らすため、海老名市は協定を結んでいる企業へ施設の駐車場を開放するよう依頼ができるシステムです。
緊急避難用駐車スペースは他県ナンバーの車も利用できる?
ただし、緊急避難先で駐車場を利用するには条件があります。
海老名市が公開している情報をチェックしてみると、「台風等の風水害時において、城山ダムの緊急放流が予定され、相模川の氾濫が予想される場合に、原則として市から警戒レベル3”高齢者等避難”の発令以降、警戒レベル4”避難指示”が解除されるまでの間、協定締結企業へ施設の駐車場を無料で開放していただく要請をする」と記載。
つまり、市から施設への要請が行われなければ、駐車場の無料開放は行われないのです。
開放を実施する際は、市が公式で用意している防災情報のホームページや、防災行政無線(”光化学スモッグ注意報”などの情報が流れる放送のこと)、メッセージ通知で告知するとのこと。
また、海老名市が提示している協定を改めてチェックしていた際、疑問点が浮上しました。「海老名市のナンバー区域”相模”ナンバー以外の車も避難先を利用できるのか」「警報が解除されたあと、駐車場に車両が放置されていたらどうなるのか」の2点です。
そこで、海老名市と駐車場提供の協定を結んでいる商業施設「ビナウォーク」の運営を担当する「小田急SCディベロップメント」に疑問点を質問してみることに。すると、担当者から次の回答がありました。
「使用しているナンバーに関係なく、駐車場を緊急避難先として無料で利用できます。
また、警報が解除されたあとも車両が放置されている場合は、市が利用者に促し、移動をお願いすることもありますのでご理解いただきたいです。」
他の地域で登録されている車(=他県ナンバー)でも受け入れてもらえるそうです。同時に、避難してきた利用者が駐車場に車を放置していたケースでは、一般の利用客同様、移動を促されるとのことでした。
海老名市以外にも、全国に似たような「緊急避難先」で駐車場を提供する事例は存在するようです。万が一の災害時に備え、お住まいの自治体が設けている防災情報をチェックし、命と愛車の両方を被害から守りましょう。
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- 執筆者プロフィール
- 長谷川 優人
- 1990年生まれ。30代突入と同時期にライター業を開始。日常系アニメと車好き。現在所有はワゴンR(MH95S)。アニメ作品の聖地巡礼などで、各地へドライブに出かける。