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都市伝説?「教習所によって難易度に差がある」の真相を元教習官に聞いてみた
場所によって「高速教習」の有無の違いなどはある
とはいえ、場所によって道路事情が異なるのは事実です。都心部の教習所に通うと車の交通量が多い道路を走ったり、多くの歩行者や自転車が行き交う道路を走ったりします。
そのため、走る時間帯によってはとっさに判断しなくてはならないことも増えます。交通量も、信号も少ない道路環境での試験であれば、難易度は簡単になる場合もあります。
また、教習所での必須項目である「高速道路」の練習においても、都心部の場合、渋滞に巻き込まれることを考えると、時間的に実施することが難しい場合もあります。そのため、実車ではなく運転シミュレーターで高速道路の練習をします。
筆者の個人的な意見を言えば、同一の料金を支払っている以上、高速道路を実車で練習しないのはもったいないと感じます。一方で、怖いから、不安だからといった理由で、実車での高速道路の練習をしないことに安堵する教習生がいることも事実です。
また、教習所によってコースに違いがあるという点も把握しておく必要があるでしょう。例えば、教習所の立地条件によって、直線コースが短いために、直線道路での加速の練習がやりにくくなるということもあります。
さらに、東京では普通車のみの教習を実施している場合も多く、コース内に普通車しか走っていないことも珍しくありません。
一方、地方では大型トラックやバス、トレーラーなどの教習を行っている場合も多く、コース内に様々な車種が混在した状態で一緒に走ることもあります。トラックなどが視界に入り、周囲の道路状況を確認しにくくなる、というケースもあるでしょう。
学科試験の出題傾向も都道府県ごとに異なる
さらに、学科試験については少し異なります。基本的には全国一律の内容が出ていることにはなっていますが、出題範囲は各都道府県ごとに決定しています。
そのため、その地域で頻発するような特徴的な事故や違反、道路事情を反映した問題が出題される可能性があるのです。
例えば、二輪車の事故が多い都道府県であれば、普通車の学科試験なのに二輪車に関する問題が多く出題されるといったケースです。
実際、東京の教習所で習い、地元の免許センターで学科試験を受けたという教習生からは、「東京の教習所で習った内容とは違う傾向の問題が出題された」という話を聞きました。
もちろん、道路交通法によって定められた範囲から出題されているので、教本をしっかりと読み込んでいれば回答できる問題ではありますが、地域による出題傾向に違いがあることも事実です。
教習所の立地や地域による違いは確かにあります。しかし、できるだけ教習所による難易度に差が生じないように、法律によって教習内容の統一が図られていますので、合格しやすいかどうかではなく、距離的にも、雰囲気的にも通いやすいかどうかで教習所を選択すべきでしょう。
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- 執筆者プロフィール
- 室井大和
- 1982年生まれ。ライター歴6年、自動車業界9年。合わせて約15年。雑誌編集、記者、指定自動車教習所員資格保有。愛車はスズキスイフトスポーツ(33型)、BMW323i(E90型)、ジムニー(JB23型)。車はセダンではじ...