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除雪しない車「雪乗せ車」は違反になるの?冬の高速道路には思わぬ危険が…
2022年は本格的な寒さと雪でスタートし、日本海側を中心に大雪となる日が続いています。
そうしたなか、街中や高速道路でたびたび目にする”雪乗せ車”。最近では、関越自動車道で大量の雪を乗せた車が目撃され、ニュースでも取り上げられていました。
当の本人は『面倒くさい』『急いでいる』などの理由で、そのままにして走行していると思われますが、これは少なからず危険を伴う行為であり、自分のみならず他人にも危害を加える可能性すらあります。
”雪乗せ車”が危険な理由とは?
ルーフの雪がフロントガラスに滑り落ちてくるかもしれないから
ルーフに雪が乗っていると、ブレーキをかけて停止した際に雪がフロントガラスへと滑り落ち、視界が奪われることがあります。
そうしたときに、視界を確保しようとワイパーを作動させても、雪が重くワイパーが動かないこともあります。そういった場合はワイパーでなく、スノーブラシなどを使って本格的な除雪をしなければなりません。
走行中に雪が滑り落ちてくれば、前が見えなくなり、追突事故などにつながる可能性もあります。
雪の塊が道路に落ちて、思わぬ事故につながるかもしれないから
走行中の風圧や、道路の段差を越えたときの衝撃によって、ルーフの雪が落ちて周囲へ危害が及ぶことも考えられます。
特に、落下物が思わぬ事故につながることもある高速道路では、走行中に雪の塊を落とすのは大変危険です。
高速道路では一般道よりもスピードを出して走行するため、凍った雪の塊が落下して周囲の車に衝突すると、被害が大きくなる可能性があります。
またルーフに雪が乗っていると、風圧で雪が舞い上がり後続車の視界が悪くなったり、落ちた雪が後続車の走行の妨げになることも。街中であれば、落下した雪の塊が歩行者に当たってしまう危険性もあります。
地域によっては”雪乗せ状態”での走行が違反になることも
寒冷地では、車の上に雪を乗せて走行することが違反となる場合もあります。実際に長野県では『長野県道路交通法施行細則』において、車の除雪を行っていない状態での運転を禁止しています。
筆者地元の警察官にも聞いてみましたが「車に雪が積もった状態で走行し、著しく危険と判断される場合は検挙もありうる」と話していました。
現状ではほとんど取り締まりは行われていないと感じるのが正直なところですが、近年はドライブレコーダーの普及も進んでいます。仮に自分が雪を乗せた状態で走行し後続車などに被害を与え、その行為が証明されれば、責任を問われることもあり得るでしょう。
自分の車に積もった雪は、出発する前に除雪するようにしてください。
”雪乗せ車”を見たら車間距離を多めに取ろう
雪を乗せて走行することは、自分のみならず他人にも危害を及ぼす可能性がある行為です。思わぬ事故を起こさないためにも、冬期間は積もった雪をしっかり落としてから運転するよう心がけましょう。
また、走行中は雪乗せ車に近づかないというのも、事故を防ぐ有効な手段です。
高速道路において、凍った雪の塊がルーフから落下して車に当たれば、ボディが凹んでしまうこともあるでしょう。リスクを回避するために、車間距離を多めにとることをおすすめします。
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- 執筆者プロフィール
- 成田 佑真
- 1993年生まれ。普段は医療機器販売を行っているが、暇があれば自動車関連記事を読み漁る。現在の愛車はA4。子どもの頃からマークⅡに憧れ、社会人になりマークXを購入。週末は必ず手洗い洗車を行い、ドライブに出...