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マンション住まいはEV購入のハードルが高い?充電設備導入に住人の反発も?

EVシフトの必要性が世界的に叫ばれるなか、日本国内へのEV普及は進んでいるとは言いがたい状況です。「一般社団法人 日本自動車販売協議会連合会」の発表を見ると、2021年度の新車市場に占めるEVの割合は、いまだ0.9%程度に留まります。

EV普及のネックとなっているポイントの1つに、集合住宅が約4割を占める日本の住宅環境が挙げられます。充電インフラを拡充させるにあたって、マンションなどへの充電設備の導入が課題となっているのです。

EVへの移行を考えるユーザーにとって、「自宅で充電できるか」は大きな要素になるでしょう。しかし、戸建て住宅においては所有者の意思により設備の導入が可能ですが、複数世帯からなる集合住宅においては「住民間の合意形成」という問題が生じます。

それでは具体的に、マンションに充電設備を導入するにはどのようなハードルをクリアしなければいけないのでしょうか。

導入には少なくとも「過半数」の同意が必要

©Val Thoermer/stock.adobe.com

マンションの駐車場にEVの充電設備を設置しようとする場合、「共用部分の変更」が必要となります。このための手続きについて、都内のマンションなどを扱う不動産会社のスタッフは以下のように話します。

「マンションなど1棟の建物を区分けして所有しているケースでは、その共同管理のあり方について『区分所有法』という法律の定めに従うことになります。共用部分を変更する場合、その規模に応じて『普通決議』か『特別決議』のいずれかを実施しなければいけません。

規定上、大規模な工事が必要な場合には特別決議ということになっていますが、充電設備の設置がどちらに該当するかは組合ごとの判断になりますね。

なお、普通決議では出席組合員の過半数、特別決議では組合員全体の4分の3以上の同意により議題が可決されます」

つまりマンションに新しく充電設備を導入するためには、より緩い条件の場合でも、半数以上の組合員から納得してもらう必要があるのです。

新車販売台数に占めるEVの割合が1%程度である現状、「充電設備を導入しても直接的なメリットがない」という住民が多数派であり、管理費の負担増などの理由から賛成が得られない可能性が多分に考えられます。

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EV利用者以外の負担はどうなる?

マンションに充電設備を導入するにあたっては、EV利用者以外の住民から理解を得ることが課題となります。とりわけ重要な観点としては、「導入時の費用がどれくらいかかるのか」「共用部分における電気代はどう分担されるのか」といったポイントが挙げられるでしょう。

まず、導入費用に関して、EVの充電設備設置に際しては国や地方自治体からさまざまな補助金が用意されています。2022年5月現在、マンションの場合には「クリーンエネルギー自動車・インフラ導入促進補助金」の「充電インフラ整備事業」による助成が適用対象です。

これは充電設備の費用を最大で半額、工事費用を最大で全額補助する制度であり、マンションなど集合住宅への設備普及を後押しすることが期待されています。

これに加えて、地方によっては自治体による補助金を併用できる場合もあり、マンションのオーナーや管理組合によっては「補助金が充実しているうちに導入しよう」という方向に動くケースもあるようです。

また、電気代の負担については、専用アプリなどで利用者ごとの電気代を算出するといった方法が可能です。そのため、「EVの利用者以外に電気代の負担が及ぶ」というリスクは十分に回避できるでしょう。

最近では、マンションなどへの充電設備導入をサポートする事業者も見られるようになっています。たとえば「ユアスタンド株式会社」は、現地調査から管理組合への提案、補助金の申請、充電設備の設置・運営までを案内するサービスを展開しています。

同社は専用アプリを通じた充電予約や利用料の支払いにより、使った人が使った分だけ支払う仕組みを整備するなど、管理組合の理解を得やすい導入方法を提案しているとのことです。

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今後の新築分譲マンションは充電設備がスタンダードに?

上述のように、EVの充電設備の導入には補助金が適用されますが、それでもやはり導入費用が合意形成のネックとなるケースも考えられます。そのような場合には、「EVを利用しない住民にとってのメリット」が鍵になるでしょう。

たとえば資産価値の面で、今後「充電設備のあるマンション」は有利になっていくと考えられます。充電設備がマンションの価値に及ぼす影響について、先の不動産会社スタッフは以下のように話します。

「最近では都内で入居世帯分の充電設備を完備した新築分譲マンションの開発が発表されました。『いずれEVがメインになる』というのは多くの方が考えていることだと思いますので、今後は不動産業界でもEVへの対応がマストになっていくように思いますね」

さらに防災の面で、EVは「非常用電源」としての価値も見直されています。マンションに充電設備を設置する際、「車両側から電力を取り出せる機器」も同時に導入することで、停電時に敷地内の車両を蓄電池として活用できるのです。EVに乗り替える住民が増えるほど、マンションの防災性能を高めることにもつながるでしょう。

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とはいえもちろん、災害時に住民のEV車両を非常電源として活用するには、あらかじめ災害時の電力提供について住民間で合意を形成しておかなくてはならないでしょう。あるいは導入時の決議において、この「非常時の電力供給」という点が、EVに乗っていない住民に対する大きな交渉材料となるかもしれません。

いずれの面でも、マンションへの充電設備導入にあたっては、さまざまな観点からEV利用者と非利用者との折衝が必要になると考えられます。EVの充電設備を導入するメリットが知られていないケースも多いため、今後しばらくは、EV利用者以外にも恩恵がありうることを丁寧に示していくことが求められそうです。

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鹿間羊市
鹿間羊市
1986年生まれ。「車好き以外にもわかりやすい記事」をモットーにするWebライター。90年代国産スポーツをこよなく愛し、R33型スカイラインやAE111型レビンを乗り継ぐが、結婚と子どもの誕生を機にCX-8に乗り換える...
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