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「むしろハイブリッドカーや電気自動車のほうがうるさい?」庶民の車でも高級車並みの防音対策はできるのか
車内の静けさは、車にお金がかかっている証拠?
車に乗っていると、意外と色々な音が聞こえてきます。
タイヤと地面が接する場所で発生するロードノイズや、エンジンの回転数が上がると際立つエンジンノイズ、車の振動によって内装がきしむ音など。車内で気になる音は多く、その発生源も様々です。
音の高低差も大きく、周波数が高い音から低い音まで、車内には色々な音色の音が響き渡っていますが、それらを不快と感じる人もいるでしょう。そのため、車の快適さを語る際に、静粛性の高さが一つの指標になることがあります。
車内の静けさは、車に対してお金がかかっている証拠ともいえるため、高級車ほど静粛性が高いといって良いでしょう。
車両価格が高いほど防音対策がしっかりされている
例えばトヨタのエントリーモデル・ヤリス(Xグレード 147万円)と、レクサス LS500h(version L 1,529万円)を比較していきましょう。
車両本体金額の差は約10倍以上、乗り比べれば明らかにLSの方が静かだと10人中10人が言うはずです。
ヤリスにも、必要な箇所に必要なだけの遮音材や制振材は使われています。しかし、車両本体価格からかけられるコストは決まっており、必要十分な音に対する対策が施されているとはいえません。
対してLSでは、車両本体価格がヤリスの10倍以上となり、それだけ車の製造に対してお金がかけることができるのです。
具体的には、ウィンドシールドガラスからドア側への風の流れを沿わせるカウルルーバーに整流リップを設置する。ドアガラスを遮音タイプにし、インナーウェザーストリップにはガラスとの摺動性と密着性を両立する材質を使用する。ドア全周に見切りウェザーストリップを配置するなど、遮音・防音の対策が惜しみなく投入されているのです。
加えて、装着するタイヤも違います。ヤリスは燃費を向上させるために転がり抵抗の小さいエコタイヤを装着しますが、LSでは走行安定性と静粛性を高めたプレミアムタイヤを装着します。タイヤを取り付けるホイールにも、ノイズリダクションホイールを採用し、ロードノイズを抑えているのです。
- 執筆者プロフィール
- Red29
- 1980年代生まれ。国産ディーラーでの営業職として働き、自動車関連の執筆者として独立。ユーザー目線に立った執筆を心掛けています。愛車はトヨタプリウス。ホットハッチに代表される、小規模小パワーのクルマが...