更新
タクシーとハイヤーの違い【ややこし語#2】
タクシーとハイヤーの違いはなに?
タクシーとハイヤーは、どちらも「目的地までの移動手段」として利用されるサービスですが、実は結構な違いがあります。
具体的にどのように異なるのかを、両者の特徴とともに解説していきます。
見た目が違う
まず、両者は見た目からして異なります。
タクシーには車の上に行灯があったり、料金メーターがあったりします。会社によってはボディカラーが黄色や緑であることも。
それに対してハイヤーはそういった装飾はなく、ボディカラーも黒色のみ。緑ナンバーでなければハイヤーであることに気づくことはできないでしょう。
こうした違いが生じるのは、タクシーは顧客に存在を認知して貰う必要がありますが、ハイヤーにはその必要はないということが理由です。なぜハイヤーは顧客に認知される必要がないのかについては、次の項目で解説します。
タクシーは予約不要、ハイヤーは完全予約制
タクシーは営業車が道を走っていれば、その車両を呼び止めて利用することが可能なほか、事前に電話して予約したり、迎えに来てもらったりすることができます。
一方でハイヤーは、営業車が道を走行することはありません。利用する際は電話やインターネットなどで利用したい区間や期間を伝え、見積もりを行います。定期的な利用が可能な点もハイヤーの特徴です。
利用料金を請求する区間が違う
タクシーの料金は、乗車してから降車するまでの区間で発生します。その間の料金は、車両に取り付けられた料金メーターが計測します。
これに対してハイヤーは、車両が顧客を迎えに行くために出庫してから送迎後に帰庫するまでの区間を請求対象としています。ハイヤーはタクシーよりも請求区間が長いため、料金も割高になります。
タクシーでも迎車料金が発生することがある
タクシーでも、電話やアプリで予約した場合は「迎車料金(正確には迎車回送料金)」が発生します。
この金額は降車時にメーター上に反映されるので、仕組みを理解していないと「急に加算された」と誤解を招く恐れがあります。
他にもタクシーの料金体系は「スリップ制」や「待機料金」など様々なものがあるのですが、本記事では割愛します。
対象とするターゲット層が違う
タクシーはターゲット層を設定しておらず、幅広い顧客の利用を想定していますが、ハイヤーは政治家や企業役員、要人など、いわゆる「VIP」と呼ばれるエグゼグティブ層を対象にしています。
そのため、ハイヤーはタクシーよりも高い付加価値を要求され、運転手や内装を始めとするサービスの質をかなり追求しています。
ハイヤーは運転手自身のスキルも問われる
一般的なタクシー運転手になるためには、「二種免許」や「地理試験(一部地域のみ)」といった資格を取得する必要があります。
要人を輸送するハイヤーの運転手は、上記資格に加え、「秘書検定」や「守秘義務教育」といった専門スキルを習得する必要があります。
最高級の送迎車「ショーファードリブン」についてはこちら
タクシーとハイヤーの違いを表でおさらい
これまで解説してきたタクシーとハイヤーの違いを表にまとめると以下のようになります。
タクシー | ハイヤー | |
---|---|---|
利用方法 | 街乗りor予約 | 予約のみ |
請求区間 | 乗車から降車まで | 出庫から帰庫まで |
ターゲット層 | 特になし | VIP層が中心 |
運転手の資格 | ・二種免許 ・地理試験 | ・二種免許 ・地理試験 ・秘書検定 ・守秘義務教育 など |
一部の地域ではタクシーをハイヤーと呼ぶこともありますが、根本的には大きく異なります。
違いを理解した上で、目的や用途、シーンに応じて使い分けられるようにしておきましょう。大口の商談など、「ここぞ」という大切なビジネスシーンなどにおいて、ハイヤーではなくタクシーを手配してしまうと、失礼に思われる可能性があるので注意してください。
ややこし語の記事一覧はこちら
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...