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【覆面パトカーの見分け方】車種やナンバーで分かる?クラウンセダン生産終了で覆面はどうなる?
目次
覆面パトカーとは?
普段パトカーといえば、おなじみ白黒カラーの通称「制服パトカー」と呼ばれる車両です。これに対し、一般車両に偽装された警察車両が「覆面パトカー」と呼ばれています。
制服パトカーは交通取り締まりや警ら活動に使用されます。そのうち、パトロール用の車両が「無線警ら車」です。
覆面パトカーには「交通用」と「捜査用」の2種類がありますが、本記事は「交通用覆面パトカーの見分け方」を中心に解説しています。
【交通用覆面パトカー】交通違反の取り締まり
通常、スピード違反などを犯したときに追ってくるのは「交通取り締まり用覆面パトカー」。 制限速度超過や、スマホながら運転などの交通違反を取り締まります。
交通覆面パトカーには、交通課の交通機動隊や高速道路交通警察(高速隊)の警官が乗車しています。
また、交通取り締まりには通称「白バイ」も使用されます。白バイに関してはこちらの記事をご覧ください。
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【捜査用覆面パトカー】事件などの捜査・張り込み
捜査用覆面とは、刑事ドラマなどでよく見るパトカーのことを指します。捜査隊や刑事課の警官が乗っており、事件の捜査や張り込みなどのために一般車両に偽装されているものです。
捜査用覆面は交通違反を取り締まらないため、捜査用覆面の前でスピード超過をしてもその場で捕まることはありません。しかし、交通課に応援を要請され、交通用覆面パトカーを呼ばれてしまうことがあります。
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交通用覆面パトカーの代表車種
交通取り締まり用覆面パトカーはスポーツタイプのセダンが圧倒的に多く、トヨタ 200系クラウンアスリートや210系クラウンなどがよく見られます。
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その他のモデルとしては、スバル レガシィや日産 スカイラインなどのスポーティセダンが挙げられます。少し古いですが日産 セドリックが現役の地方もあるようです。
交通用覆面パトカーに採用されやすい車種を把握することで、自動車での走行中にあらかじめ注意しておくことができます。
【最新】トヨタ カムリTRD仕様
2020年の4月下旬ごろから、東京都内で見られるようになった最新の覆面パトカーです。導入されているのは現段階では東京都のみで、クラウンやほかの車種と比べると個体数はかなり少なめです。
TRDカスタムが施されているため、覆面パトカーだと見分けるのはかなり困難とのこと。
主な仕様としては、プラチナホワイトパールマイカのボディカラーに、TRD仕様のフロントフェイス、エアロパーツセットを装備。通常4本出しのマウラーが左側2本出しになっているようです。見分け方としては、ルーフ後方のアンテナ部分が偽装された無線アンテナになっているとのこと。
東京以外では目撃されていないとのことですが、もし見かけても中々見分けるのが難しいので注意が必要です。
トヨタ クラウン
クラウンは覆面パトカーの定番車種。交通用はもちろん、制服パトカーや一部の捜査用覆面パトカーとしても運用されているため、街で見かける機会の多い警察車両です。
「高速道路では左車線をゆっくり走っているクラウンがいたら覆面と思え」などという定説もありました。
200系クラウン、クラウンアスリートなど採用モデルも多いため、注意が必要です。
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トヨタ マークX
マークXも、交通用覆面パトカーと捜査用覆面パトカーの両方に採用されている車種です。
マークXの覆面パトカーといえば、一時期「史上最強」と話題になった「マークX +Mスーパーチャージャー」が有名です。こちらは警視庁の交通警備隊に配備されているため、東京近郊でしか見ることができません。
マークX +Mスーパーチャージャー交通用覆面は、モデリスタのエアロパーツを装着。さらにTOM’Sの開発したスーパーチャージャーを搭載しており、360PSものパワーを誇ります。
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スバル レガシィB4
レガシィB4も、交通用覆面パトカーと捜査用覆面パトカーの両方に採用されている車種です。捜査用覆面としては定番車で、テレビドラマなどで見かけることもあるかもしれません。
日産 スカイライン
スカイラインは捜査用覆面パトカーでよく見かける車種です。こちらもテレビドラマなどで見かけることもあるかもしれません。
交通用覆面パトカーにも一部採用されているようですが、クラウンやマークXほどは情報が集めることができませんでした。
ちなみに、スカイラインの覆面パトカーといえば「スカイライン25GT-t(R34スカイライン)」が有名です。GT-Rもパトカーに採用されたことがあるので、なかなかロマンがありますね。
また、GT-Rだけでなく珠玉の国産スポーツカーが制服パトカーに採用されたことがあります。詳しくは以下の記事からご覧ください。
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レア?珍しい捜査用覆面パトカーの車種
白黒カラーのパトカーには、キャンペーンなどの一環としてスーパーカーが使われたこともありました。しかし、一般的に「目立たない」ことが仕事である覆面パトカーは、人々の目を惹く派手な車が使用されることはないようです。
特に、捜査用覆面パトカーには刑事ドラマでよく見るセダンタイプが多いようですが、最近は使い勝手や偽装のしやすさなども考慮して、ミニバンやコンパクトカー、ハッチバックや軽自動車といった車種も登場しています。
安全教育兼交通広報車
目立つようにラッピングまたは塗装したキャンペーンカーを覆面パトカーとして使用するケースです。トヨタ ハイエース スーパーロングの特装車が多く、交通安全の啓蒙活動時などで出動します。
コンパクトカーやエコカー
スズキ SX4、ホンダ インサイト、トヨタ プリウスなどの、コンパクトやエコな捜査用覆面です。街中でよく見かけるモデルを使用することで捜査をしやすくしたり、燃費が良い車種を使う意図があると考えられます。
ミニバン
日産 エルグランドやセレナ、トヨタ アルファード、ホンダ ステップワゴンなどのミニバン系捜査覆面です。一度に多くの警官や犯人を乗せる、多くの機材を乗せるなど、走りの面以外で活躍しています。
覆面パトカーにはなぜクラウンが多い?
覆面パトカーに多い車種はトヨタ クラウンと説明しましたが、これはドライバーの単なるイメージではなく、きちんとした理由があります。
覆面パトカーは、各自動車メーカーの入札によって採用車種が決まります。その際の入札条件が細かく定められているため、条件を満たす車種(モデル)でなければ覆面パトカー候補にすらなれません。
入札条件は、サイズやドア枚数、ピラーの有無など多岐にわたるため、メーカーとしては条件を満たした車の開発コストがかさんでしまいます。
そのため、現在ではトヨタ以外のメーカーからの入札が減り、ライバル不在状態でクラウンが覆面パトカーに採用されているという背景があるようです。
クラウンセダン生産終了で、パトカーはどうなる?
トヨタは現行モデルでクラウンの生産を終了する方向で調整を進めています。現在の制服パトカー、覆面パトカーのメイン車種であるクラウンがなくなってしまったら、パトカーはどうなるのでしょうか?
パトカーの新規車種などは不明ですが、パトカーは入札条件が厳しいため、条件を満たしている現行クラウンが生産され続ける可能性もあります。
もちろん、現時点で警察車両として使われているクラウンは引き続き使用されるでしょうから、完全に姿が見られなくなるわけではありません。覆面パトカーとしても引き続き警戒が必要でしょう。
卑怯?交通用覆面パトカーって効果あるの?
覆面パトカーの役割・目的とは
捜査用尾覆面パトカーの役割は、一般車両に紛れて事件の捜査や犯人の尾行をスムーズに行うことです。目立たずに任務を遂行する必要があるため、制服パトカーでは不適切といえます。
交通用覆面パトカーも、同じく一般車両に紛れて交通違反を取り締まりますが、そもそも「交通違反の抑止」が役割・目的であるならば、制服パトカーでじゅうぶんではないか?という意見もあるようです。
交通用覆面パトカーは、スピード違反を見つけたときにしか赤色灯(パトランプ)を点灯させません。最初からパトカーがいるとわかっていたら、みんなゆっくり走るから、スピード違反もないのに…という声は尤もといえます。
2009年には国会で答弁も行われた
2009年2月27日の第171回国会では「なぜ覆面パトカーを交通パトカーに用いているのか」「交通取り締まりにおいては制服パトカー(白黒パトカー)のほうが有効ではないか」について、答弁も行われました。
当時の内閣総理大臣は麻生太郎氏。「取り締まりの有無に関わらず、効果的に交通秩序を維持するため」「暴走族の取り締まりなどに活用されているため」との回答でした。
悪質な暴走族を一網打尽にするためには、捜査用覆面パトカーと同じくギリギリまで正体がバレないほうが都合がいいのでしょう。
また、全ての道路にいつも交通機動隊の制服パトカーをパトロールさせておくことはできませんので、覆面パトカーをドライバーに認知させることにより「見られているかもしれないから、安全運転しよう」という意識を保たせる効果を生んでいるものと思われます。
いずれにせよ、覆面パトカーに捕まらないように、常に交通ルールを守った走りをしましょう。
覆面パトカーは見た目やナンバーで見分ける
覆面パトカーは「黒」「白」「シルバー」の「セダン」が多い
交通用覆面パトカーは「黒」「白」「シルバー」のボディカラーで、クラウンクラスの「セダン」が大半となっています。
先程紹介した車種以外にも色々ありますが、特に気をつけるべきはトヨタのクラウン系と日産のスカイライン、ティアナなどです。
覆面パトカーは走行している地域の「地元ナンバー」が多い
警察は管轄の県をまたいで取り締まりは行いません。したがって、走行している車両が走行地域以外のナンバーであれば覆面パトカーではありません。
例えば、北海道や沖縄県で「品川」や「横浜」ナンバーの車両に出会っても、それは交通取り締まり中の覆面パトカーにはなりえません。
また、地名の横にある三桁の数字(一般車は300や500など)の一文字目が「8」の車は覆面パトカーである場合が多いです。これは以前、覆面パトカーは特殊改造車両扱いだったため、登録時の車両区分が「8ナンバー」だったためです。
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しかし、近年登録された覆面パトカーは一般車と同じ扱いになったため「3ナンバー」「5ナンバー」となりました。8ナンバー以外の車も覆面パトカーの可能性があることは覚えておきましょう。
北海道は覆面パトカーが多いって本当?
「北海道旅行でレンタカーを借りた旅行者がスピード違反で捕まることが多い」「北海道には覆面パトカーが多いから捕まりやすい」などという噂があります。
確かに、北海道はまっすぐな道が多く体感速度が普段と違うため、知らず知らずのうちにスピードが出てしまっているということも考えられます。しかし、北海道警はスピード違反をより捕まえやすくするために覆面パトカーを多く配備しているわけではありません。
結論を言うと、北海道は他の都道府県に比べて面積が圧倒的に広いため、当然配備車両も多くなります。1都道府県としては覆面パトカーの台数は多いですが、北海道の広さゆえということがいえるでしょう。
覆面パトカーはボディが綺麗な場合が多い
タクシーと同じで警察の車両はほぼ毎日洗車を行なっています。つまり、汚れが目立つ車なら覆面パトカーではない確率が高いです。
覆面パトカーは左側の走行車線を法定速度で走行している
スピード違反車両を探しているとき、覆面パトカーは左側の走行車線で法定速度で走行しています。ターゲットを発見したら後ろについてくるでしょう。
覆面パトカーには制服警官が2人乗っている
一般的に、通課の取り締まり警官は青い制服を着用しています。さらに、ヘルメットか青いキャップを被っていることが多いです。
取り締まりは2人で行うことになっているため、助手席に同じ服装の人が乗っているかどうかもポイントです。
※運転中、相手のドライバーを注視することは脇見運転につながり大変危険です!あくまで「交通用覆面の特徴」としてください。
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...