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8ナンバーの維持費のメリットは?自動車税や重量税から車検・任意保険で比較
8ナンバーって何?

出典 : https://ja.wikipedia.org/
8ナンバー車とは、特種用途自動車を指します。
パトカーや消防車、救急車など、緊急時に用いられる車両などの他、キャンピングカーや放送宣伝車などもこれに含まれます。
これらの特殊用途自動車に付与されるナンバープレートに記載される分類番号(車種を表す数字)が8から始まるため、8ナンバーと呼ばれています。
特種用途自動車の分類は、
1)緊急自動車(パトカー、消防車、救急車など)
2)法令特定事業で使用する自動車(給水車、郵便車など)
3)特種な用途に用いるその他の自動車
3-1・運搬用の特殊な自動車(タンク車、現金輸送車、ゴミ収集車など)
3-2・患者等輸送用の自動車(患者輸送の寝台車、車いす移動車など)
3-3・特種作業用の自動車(ボイラー車、ハシゴ車、レッカー車など)
3-4その他の特殊な用途に用いられる自動車(キャンピングカー、宣伝車など)
これらの特種自動車のうち、一般の人が関係あると思われるのは3-4に含まれるキャンピングカーです。
キャンピングカーとして登録するための構造要件は、後述の理由により厳格化されました。
分類番号とは
ナンバーの分類番号をはじめて知ったw pic.twitter.com/twZluYkEuq— ⭐︎Я.REI_バイクお休み中⭐︎ (@REI_20011111) 2017年2月17日
画像にあるように、管轄支局を示す地名の右に書かれている1桁から3桁の番号です。
上1桁(一番左の数字)により、自動車の大まかな用途や大きさがわかります。
番号が足りなくなってきたため、2017年ごろからアルファベットの導入も検討されています。
分類番号は1998年ごろから3桁となり、希望番号制が実施されました。
希望番号制とは、ナンバープレートの数字を自分で選べるというものです。
登録自動車の希望ナンバー予約センターに申し込む事で利用できます。
希望ナンバープレートは通常のナンバープレートよりも料金が高くなります。
希望番号交付手数料は地域によって違いますが、前後一組のプレートの場合、ペイント式のものでおよそ4,000円~5,000円、字光式のもので5,000円~6,500円ほどかかります。
特種用途自動車と特殊自動車の違い
似たような呼び方で紛らわしいのですが、特殊自動車と特種用途自動車は別区分です。
特殊自動車とは、ショベルカーやブルドーザーなど、キャタピラを装備しているものや、小型で時速15㎞を超える速度を出せない車両のことです。
大型特殊自動車のうち、建設用途のものは0ナンバー、それ以外(クレーン車やフォークリフトなど)は9ナンバーが付与されます。
0ナンバーや9ナンバーの自動車を運転するには大型特殊免許が必要です。
これは護送車?特型警備車?警察の特殊車両10選をまとめてみた
8ナンバーのメリットは?

8ナンバーは他のナンバーに比べると税金と維持費が安くなると言われています。
そのため、1990年代には簡単な改造で8ナンバーとして登録し、普段はパーツを取り外して普通乗用車として乗るといった不法改造が増加しました。
しかし2001年にキャンピングカーの構造要件が厳格化され、さらに登録変更の際にも運輸支局や自動車検査登録事務所に車を持ち込んで検査を受けなくてはならず、簡単には8ナンバーの取得はできなくなっています。
また、8ナンバーは車検の回数が他のナンバーと異なる場合があるので、車種によっては車検費用を軽減できる場合があります。
8ナンバーの車検期間は2年毎です。
普通乗用自動車や小型乗用自動車は初回3年後、以降2年毎なので、8ナンバーにすると初回の1年分が縮まってしまいますが、小型貨物自動車などは初回2年後、以降毎年になるため、8ナンバーにすることで車検回数を減らす事ができます。
8ナンバーを取得するための構造要件
構造等変更の手続き
国土交通省が定める構造変更の手続きに必要な書類等です。
乗用車を購入後に構造変更などで8ナンバーに変更しようとしても、これらの検査をパスせねばならず、簡単に8ナンバーを取得する事はできません。
2.
構造等変更検査に必要な書類
●
自動車検査証
●
検査に必要な書類
・自動車検査票
・点検整備記録簿
●
自動車損害賠償責任保険(共済)証明書
●
使用者の委任状(認印押印)
・委任事項〔自動車検査証記入・構造等変更検査〕
●
所有者の委任状(認印押印)
・構造等変更検査に伴い、型式、車台番号又は原動機の型式を変更する場合
・委任事項〔変更登録〕
●
本人出頭の場合;認印持参
●
申請書(2号様式)
●
手数料納付書
●
自動車重量税納付書(重量税印紙貼付して納付)
●
納税証明書(二輪の小型自動車を除く)(※省略できる場合があります。)
自動車税の比較

自働車税は普通税であり、車検の有無に関係なく納める税金です。
自家用乗用車とキャンピングカー目的の特種用途自動車を比較した場合、
■自家用乗用車
電気自動車および総排気量1L以下 29500円
1L~1.5L 34500円
1.5L~2L 39500円
2L~2.5L 45000円
2.5L~3L 51000円
■キャンピングカー用途の特種用途自動車
電気自動車および総排気量1L以下 23600円
1L~1.5L 27600円
1.5L~2L 31600円
2L~2.5L 36000円
2.5L~3L 40800円
同じ排気量で比較した場合、自家用乗用車に対してキャンピングカー用途の8ナンバー車は8割ほどの自動車税となり、20%安くなります。
また、放送宣伝車や救急車などの特種用途自動車の場合は、乗用車に類するものは乗用車の税率と同じですが、トラック(小型)の場合は11500円、トラック(普通)の場合は25500円となります。
特種用途自動車は乗用車の自動車税率より安くなると言えます。
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重量税の比較

重量税は車検の度に収める税金です。
エコカー減免適用なしの自家用車で1年分の重量税を比較した場合、
■普通乗用車の場合(13年経過前)
0.5トン以下 4100円
1トン以下 8200円
1.5トン以下 12300円
2トン以下 16400円
2.5トン以下 20500円
3トン以下 24600円
■特種用途自動車の場合(13年経過前)
1トン以下 4100円
2トン以下 8200円
3トン以下 12300円
■車両総重量8トン以下のトラックの場合(13年経過前)
1トン以下 3300円
2トン以下 6600円
2.5トン以下 9900円
3トン以下 12300円
普通乗用車の方が細かく分類されていますが、1トンや2トンぎりぎりで比較した場合、特種用途自動車は半分の重量税で済む事になります。
トラックの場合、2.5トンより重い場合は同じになりますが、2.5トン以下の場合は特種用途自動車より安くなります。
車検・任意保険の比較

車検の際に最低限かかる法定費用は、自動車重量税、自賠責保険料、印紙代です。
このうち、自動車重量税は上に記載したように8ナンバー車は安くなる事が多いと言えます。
自賠責保険は、24カ月特約で比較した場合、
自家用乗用自動車 27840円
軽自動車 26370円
特種用途自動車(軽自動車を除く3輪以上の自動車) 34900円
特種用途自動車(軽自動車) 16850円
となっており、一概に8ナンバーが安いとは言えません。
また、車検には法定費用以外に、点検整備料金や検査代もかかり、これは各車検会社によって異なります。
特殊車両扱いとなる8ナンバーは割高な場合が多いようです。
総合すると、8ナンバーにしたからといって車検費用はさほど安くなるとは言えず、場合によっては高くなる事もあります。
任意保険は8ナンバーを取り扱っている所が少なく、保険の等級を引き継ぐ事もできません。
特に、通販型の格安保険ではほとんど扱っていません。
8ナンバーでもキャンピングカーなら共済などで任意保険を扱っている場合があります。
車検、任意保険に関しては、8ナンバーは扱いが面倒な上に割高になる可能性があると言えます。
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8ナンバーにしたからといって維持費はさほど得にならない!

8ナンバーにする事で自動車税や自動車重量税などは安くなる場合が多いのですが、総合すると必ずしも8ナンバーが得とは言えないようです。
昔はちょっとした改造で8ナンバー登録できたようですが、現在では8ナンバーへの登録変更は検査が厳しくなっており、簡単には8ナンバー登録する事はできません。
保険料率や車検の手間を考えても、無理して8ナンバー登録するメリットは少なそうです。
キャンピングカーを購入する時は8ナンバー登録する事ができますが、メリットとデメリットをよく理解しておいた方が良さそうですね。
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